チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2019年2月8日金曜日

Vol.160 カナダからの日本バックカントリースキートリップ総括

こんにちは秋山です。
ご存知!?のとおり私は普段はカナダでガイドをしておりますが、昨今の日本のパウダー、通称Japow人気のおかげで、1月中旬から2-3週間は毎年日本でガイディングしております。

ということで、今年のツアーがどんなんだったか? ゲレンデや山で見かける外人達の舞台裏を紹介したいと思います。

●ツアーその1
期間 : 1月21日~28日の8日間
場所 : 白馬で4泊、上高地の中の湯で3泊
お客様 : 8名(カナダx4名、アメリカ人x4名)
知り合った場所 : カナダ人4名とアメリカ人は時期は違いますがカナダのセルカーク山脈にあるロッジで知り合った方々。っていうかその内の2人はそのロッジのオーナーですね。あとのアメリカ人1人は2年前の日本ツアーに参加してくれ、その方のお友達をもう2名誘ってくれました。つまり基本全て会ったことある人、もしくは友人で新規の方はいませんでしたね。リピーターバンザイ。
マテリアル : 全員スキーヤー
滑った場所 : 白馬乗鞍スキー場からの若栗尾根、栂池高原からのヒヨドリ峰と上条、大渚山、安房山南面と北面、焼岳から中堀沢経由で上高地へ
総括 : 今年の白馬は例年より全然少ない雪で始まるまでビビりまくってましたが、前々日に40cm降ったのを皮切りに、60cm、30cm、20cmと毎日のように降ってくれたので、ラッセルはキツキツでしたが、どパウダーの1週間となりました。ふーラッキー!! 通常この1週前にもツアー組むことがあるので、今年はやらなくて正解でした。あぶねー。
お客さんも経験者が揃っていたので、滑りも、歩きも問題なくこなしてくれました。混成ツアーはだれが一人でもレベルが違うと大変なので、これは助かりましたね。

●ツアーその2
期間 : 1月29日~2月5日の8日間
場所 : 白馬で4泊、上高地の中の湯で3泊
お客様 : 8名(イギリス人x3名、スイス人x2名、ベルギー人x3名)
知り合った場所 : イギリス人3名とチャッタークリーク(キャットスキー)で知り合い、その3名が2年前に北海道へ。そして別の友人を誘って今年は長野にリピーターバンザイ。
マテリアル : 全員スキーヤー(3名がレンタル)
滑った場所 : コルチナの北側、栂池高原からのヒヨドリ峰経由で乗鞍スキー場へのトラババース、八方尾根、大渚山、安房山北面、飛騨高山観光(大雨の日)
総括 : どパウダーの1週前のツアーを大成功に収めた我々は意気揚々と白馬に乗り込みましたが、温かい気温で急激に新雪は沈降(しまってくること)がすすみ、軽く深いパウダーというよりは、しっとりとしたクリーミーなパウダーに変わっていました。
まー日本はたくさん降る分、クオリティーはどうしても時間の経過とともに落ちてしまいます。すぐに新しい雪が降るので問題ないのですが、お日様が出ているような日は日斜面の雪はすぐに腐ってしまいます。日本のパウダーは気温との戦いです!
私は知りませんでしたが、ベルギー人はベルギー語の他にみんなフランス語をしゃべることができます、スイス人もフランス語だったのでフランス語のツアーに。一緒に働いたケベック出身のカナダ人マーティンはフランス語が堪能なので助かりました。私のフランス語もツアー中に急上昇。ビアンフェ~。

ということで3週間に渡る日本でのガイディングでしたが、結果は大成功。東京で数日過ごしてからカナダに戻ります。2月中旬から4月頭ままで休みが2日間しかないのが気になりますが、気合い入れて突っ走ります!

ここからは写真でさっくり振り返ると。

バク降りの白馬ないと
ツアー1の顔合わせ
こんな感じの部屋に宿泊しました
白馬のしろうま荘にお世話になりました
食事は美味しくみんな大満足
ツアーの初日は1時間ほどかけてビーコンの練習
こんなのばっかでしたねー
白馬を離れて2.5時間離れた上高地に出発
車は2台、1台は荷物用
蕎麦屋でランチ
毎日こんなご飯食べさせてもらいました。
ダイエットしないとー
素晴らしい日本の疎林
お客さんを松本に落としたあとは2人で観光
ござる、ござるっていう語尾が気になる二人と記念撮影
ツアー2のミーティング
ここはフランス語でしました。うぃ。
大渚山で
若栗トラバースは最高の天気
大きいブナに癒やされる
1日はガイドミーティングを白馬のクラフトビール屋さんで。
ここコンセプトは良いですが高くて、味はいまいちでした。
ヨーロッパ人は文化が入り組んでいるからか、食事についてはチャンジャー。
結局子の人毎朝納豆食べていました
ガイドの着ているモンベルを気に入ってみんな買ってくれました。
モンベルアンバサダーとして役目果たしたか?
最終日は大雨が降ったので観光に。
飛騨高山にいきました
6500円の飛騨牛ランチ
自腹で払う気でしたが、ご馳走してくれました。あざーす。
毎晩いろいろな酒をみんなで試しました

ちょーかわいー、ッテ言葉をみんな気に入っていました

2019年2月5日火曜日

Yukon climbing report Backnumber vol.141


Fish Lake



 This story was written by Toshiyuki Yamada
                                                                                                Translated by Yumiko Mori


This summer I took almost a month break from work. It was namely for "Alpine Guide exam preparation" but I took an advantage of the situation to the most and climbed around the Rockies. It was very simple like this. Finding a project, working on and accomplishing it and then finding another projects. This routine makes me think that what I have been doing hasn't changed at all since I was a university student in Japan. But one certain thing is that I have definitely gained significant amount of experiences, skills and knowledge since then. And now I am starting to define this is my path and life is all about.



When that fun and short summer ended, my guiding company offered a great opportunity to work in Yukon for a month of October. One of the perks of being a Guide is that you get to go new places. My motto as a guide is "you need to enjoy yourself first then this attitudes lead to the satisfaction of customers" Yukon in fall attracts many tourists who are looking to grasp the beauty of leaves changing colours and aurora.  Sadly I didn't see climbers much...But my friend who is a local in the area said there are climbing areas in Yukon which is promising!! Although I only got two days off during my stay in Yukon, somehow? I managed to make three days (?) of climbing while I was in Yukon.


You won't have problems finding parking spots...

 The area called Acropolice in Yukon.  This area reminds me of Smoke Bluff in Squamish. It locates just behind the residential area.       (Photo below) 

Well stepped trail

Breathtaking view of populus trees' yellow leaves.

Impressed by the well maintained trails 

We have quite similar climbing spots like this in my hometown 

 Here the rock consists of granite. I guess the formation of the rock in the west part of Canada is granite like Squamish and Waddington.   This area was 10 minutes away from the city by car and 5 minutes approach. The walls were about 12-20m and have roughly 10 lines ranging from 5.8 to 5.12a . They've got some classic lines and even though they are short. Overall it was my first free climbing on granite wall for the last three years since I moved to the Rockies. I absolutely enjoyed the unique characteristics of the granite has.


Crucifix - signature line at the Lower Rock Garden (5.11a)


 This is another area called Rock Garden. 5 minutes by a car, 5 minutes approach and it's the closest area from Whitehorse. This becomes a venue of a climbing night hosted by ACC Yukon branch that occurs every Wednesday or Thursday evening during the summer time. Since I didn't bring cams, we did top rope climbing. For a person like me that has been so used to limestone climbing, delicate edging techniques that granite requires was refreshing.


Upper Rock Garden

 This area hosts the most difficult line in Yukon called "Yesterday's Enterprise 12c" I didn't try that line and I tried the smooth faced line "Pin Heads from space 11b" next to the line instead. But the first couple of moves were absolutely difficult so it ended almost like managing to top out somehow. Personally I found this 11b was way harder than 12a that I climbed in Acropolice area.

Nothing can go better than this combination 

Please find Yukon's climbing info http://www.climbyukon.net/

Patagonia in far north
Tombstone Territorial Park that locates 550km north of Whitehorse hosts Monolis that is also called as far north Patagonia. It isn't so popular and I haven't heard climbers going there. But for me, this place seems to be a full of possibilities.  Maybe one day I can draw a line in the area.
  
 When you get a chance to go to Yukon next time, I strongly suggest to add complete climbing gear  set to your what to bring list.


Tombstone Territorial Park

Thank you for reading!

2019年1月31日木曜日

Vol.159  1839峰 a.k.a ザンク!

こんにちは。星野です。
今冬は初雪も遅く、日本各地で少雪となっている様ですね。北海道も例外では無く最近まで雪が少ない状況が続いていました。しかし、ようやくここ最近いい感じになってきた様に思います。僕は今シーズンも相変わらず、スキーにアイスにと短い冬を楽しんでいます。

今回は毎年恒例の正月山行。今年は日高山脈1839峰を目指しました。
1839峰は昨年の正月に登ったカムイエクウチカウシ山以南の最高峰で、特徴のある山容はどこから見てもひときわ目立って美しく、四方に切れ落ちた山頂からの展望もすばらしい山です。かつては日高でもたどり着くのが困難な山の一つで、北海道の岳人の憧れのピークでした。山名は無く、古い計測結果による標高が山名として定着し、近年は地形図にも正式に採用されています。略して「ザンク!!」なんて呼ばれています。響きがかっこいい!

今回は3泊4日の行程で入山しました。僕は夏に1度登って以来2度目の挑戦でした。結果から言うと登頂日に風が強く、天気も悪かった為、途中のヤオロマップ岳で引き返し、登頂は出来ませんでした。やはり予備日が無い一発勝負では、なかなか登らせてはくれませんね~
1日目。朝からピーカン。雪が少ないコイカクシュサツナイ川を行きます。今年は全然雪が無くスノーシューも使わずにあっという間にコイカク尾根取り付き地点。

2日目。今回の正念場コイカク尾根。尾根取り付きから標高差1069mの急登です。スノーシューは履いたもののこの笹薮。でも笹がいい感じにスノーシューの爪に引っかかってくれて意外と登りやすかった様な気がしたのは僕だけか?

2日目、3日目の夜を過ごした稜線上のテン場。雪庇を切り崩し、整地して何とか2張。防風壁も作れて快適なテン場になりました。


3日目。いよいよ「ザンク!」に向けて出発。稜線上は這松が出てました。こういった時はスノーシューが有効ですね。

 そして引き返しを決めたヤオロマップ岳。残念ですが、自然に逆らうとろくな事が無いので潔く。寒かったです。



そして下山日は十勝晴れ!「ザンク!」に登れなかったのは残念ですがまた次回。この景色が見れただけで良い山行だったと思える瞬間でした。寒かったけど立ち止まり、暫く見惚れてしまいました。

「ザンク!」「ザンギ!」北海道は良い国です!

2019年1月21日月曜日

Vol.158 カナダのドライツーリングのチッピング、そしてチョークによるマーキングについて考える


久しぶりです。谷です。というかあけましておめでとうございます。年明けのガイドの繁忙期が終わったかと思いきや。なんかハリウッドの仕事?をする羽目になり、急遽先週の当番をどろどろスキーヤー兼岩に変わっていただいた形です。カズキほんまありがとー。死ぬほど忙しい二週間が終わり、ようやく普通のアイスガイディングに戻ってるところです。いやー日本でもCMや映画の仕事したけどハリウッド、金持ってますね。ミーハーなんで感動しました。

なんてことしているうちに、書くこと考えてたんですが、12月のアルパインクライミングの記録や今年発売のギア(ノミック、BDウルトラライトスクリューなど)をぶっ壊したりしまくったのでそれについてだとか、前に残した宿題の登山やガイド資格に対する補助金や奨学金など、色々書くことあるんですが、日本の忍者返しの一件を読んで、カナダでも沸き起こっている、ドライツーリングやミックスクライミングのチッピングやチョークでのマーキングについて書いてみようかなと思います。

かなり私見が入るので読みたくない人は、ここでやめた方がいいかもですし、読む人も気楽に読んでもらえたらと思います。

日本で今、問題が起こっているチッピング、グルーイングなど、自然にある課題を人工的に変えるという行為はこのカナディアンロッキーでも90年代まで普通に行われていました。また、それにより、強いクライマー(特にミックス)が生まれたという事実は一応歴史として知っておいていいと思います。ただ、今のこの地域の共通的な考え方は基本夏のクライミングに関してはチッピングはなし!ということですね。わかりやすい。

色々理由はありますが、遠くまで岩場に行く時間もお金もない、ジムないとこに住んでる、もっと難しいものに登りたい、または有名な課題を登りたい(でもみんなが使ってホールドがズルズルだから最初の形にするためにホールドを荒くする)などありますが、
やっぱりだめです。じゃあなたクライミング以外、別のことやればいいでしょって話なんで。クライミング以外にも楽しいことたくさんあるし、所詮は何も生み出してない遊びですから。遊びのために死ぬ必要もないし、遊びのために他のもを傷つける必要もない。ジムが近場になく、岩場に行くお金や時間ないというなら、働く、もしくはその中でできることすればいいじゃんって話です。
ちなみに日本って相当恵まれてますよ。カナダの真ん中の州マニトバなんかに生まれたら
クライミングエリアまで1500キロほど離れてますから。
他の平〜な大陸に生まれた人のこと考えたら文句なんて言えないですよね。

もうこれを話し出したら、世の中なんでこんななの?俺の思い通りになれと言ってるようなものでしょ。自然にあるものを、楽しませてもらっているわけですから、極力何も足さない、引かない。これ別にクライミングに限ったことじゃないです。僕の知り合いの女性が忍者返しの一件について、このような発言をしてて

「自分の娘が将来忍者返しをトライすることはもう永久的にできないと、人の手が加えられたことによってもうあれは忍者返しではない」

という趣旨を言ってたのが心に響きました。

本当に悲しい言葉だなと、クライミングが生涯スポーツと言われる時代、自分の子供たちとその喜びや大変さを共有できないというのはもうほんと、ダメです。そして一部の強強クライマーだけでなく、初中級者の意見や発言する場所もしっかり作らないといけないですよね。山はみんなのものですから(次の世代を含めて)。

さて、ここまではいいとして(ここまでですでに疲れたね。)ここカナダでも冬(アイスアックスとアイゼンによるスポーツドライツーリング)については曖昧な形でした。なぜなら、まずやる人口が圧倒的に少ない、そしてロッキーの岩質がドライツーリングに適していなかったこと、なのにもかかわらずアイスには非常に適していてアイスクライミングのメッカであることなどが挙げられます。またドライツーリング自体、自然の岩を引っ掻いている行為に等しいので、なんとも言えないですよね。やはりロックの方が岩に優しいのは間違いない。

ロッキーの岩質はほとんどが石灰岩で、石灰岩はご存知の通り、海の堆積(サンゴ礁みたいなイメージ)からできており、ミクロの穴が無数に空いており、脆く、急傾斜の岩場が多いです。そして染み出しがすごいです。その染み出しのおかげで冬アイスがどこからかできてきて楽しく登れる寸法な訳ですね。

ただ当たり前ですが、クラックなどの摂理は少なく、ナチュプロで登れるかというと、ほとんどがボルトになってしまいます。さらに摂理が少ないということはフッキングする場所がなく、かなりの数(特にゲレンデ)がドリルによって作られたものになってます。

え?じゃボルトはどうなのって話ですが、カナダはバリーブランチャード(キャンモア在住)パタゴニア初代アルパインアンバサダーの意見が結構、アルパインクライマーには浸透していて、確か2007年のバンフフィルムフェスティバルでの会合で強く述べてますが、もしアルパインの壁で、自分の実力では登れないブランクセクションがあったら俺は登らないと。それは次世代のために残しておくべきだと。そうこうしてるうちに自分のプロジェクトだったマルコ・プレゼリとスティーブ・ハウスが冬のノース・ツウィン登っちゃったよね(笑) みたいな。

未だにそういう経緯を知らないクライマーがボルトをうち足したり、ガイドが安全のためやガイドしやすいために、(特にラペル)打ち足してます、これに関しても議論は尽きないですが、(やはりよくない)脱線が半端ないので戻します。

ボルトないからってこれは無理でしょ。って話。

そして今回カナダで起こった議論の発端は、エルドラドという、キャンモアから車で15分のグロットマウンテンにあるドライツーリングゲレンデで起ったもので、ウィル・ガッドというレッドブルクライマー(キャンモア在住)がエルドラドのあるルートにおいてフッキングする場所に赤のマークをつけてレッドポイントをトライしていたところ、ここの岩場を開拓した一人ラファエル・スワロンスキー(カルガリー在住)ピオレドールクライマーがそれに対して発言したのが始まりです。

もちろん彼らは友達で同じBDアスリートでもあるのですが、畑が違う。同じ超高難度のクライミングをしますが、ラフはアルパインクライマーでウィルはコンペクライマー。違うアプローチで世界を牽引している彼らの意見にみんなが注目してました。

ラフの最初の発言はエルドラドという岩場はなるべく、ナチュラルなフッキングができるルートしか開拓していない。そしてアルパインクライマーのトレーニングになるようにマーキングをして欲しくない、スタンレーヘッドウォールでチョークの跡、見たことないでしょ?という趣旨でした。

それに対してマーキングした、ウィルの言い分はこうでした。

1.ドライツーリング(特に高難度は)非常にオンサイトが難しい。
2.ハンドホールドに比べてフッキングが非常に小さい。
3.手を使わずピックなためなのとブラインドのホールドをフックするのが極めて困難。
4.エルドラドはゲレンデであること(アルパインクライミングではない)


これやった人しかわからないのですが、僕このウィルの言い分よくわかります。
ピックには神経通っていないので、一撃を狙ってる場合本当に難しいですよね。

またラファエルも元々あったフッキングスポットを壊さないため(クライミングエリアやルートを守るという考え方の元)のチッピングについては
容認しているスタンスでした。これは初心者がそのエリアに行ってドライツーリングした場合、結構な確率でホールドや足の置き場を壊すので、それを防ぐために少し穴を大きくしておくということです。

でもその後、色々な意見が飛び交いましたが、まず開拓者であるラフが、エルドラドに数々のヨーロッパクライマーを連れてきていることに言及し、(ヨーロッパは残念ながらドラツーはチッピングのゲレンデが多い。)そのほとんどがマーキングの跡、またはドリルホールドがないことに感激していたそうです(特にスコティッシュクライマーのグレッグ・ボズウェルとフレンチクライマーのジェフ・マーサー)。そして彼らはそのほとんどをオンサイトして帰ったようです。

さらにハフナーやリアルビックドリップなど、先人たちは、チッピングしなくても登れるラインにしかボルトを打たなかったと。ロッククライミングと一緒ですよね。(ただ、これに対してもボルトはいいのって意見もある)それを踏まえた上で、マーキングがなくて登れる、ドリルホールドがなくても登れるならそれが一番いいよねということでこの論争も落ち着く方向のようです。なので今あるゲレンデは今後も維持されますが、今後は新しいチッピングによってドライツーリングのエリアができることはないでしょうね。


もともとウィルとラフは仲良しなので、まあカナダトップクライマーの意見がみんな聞けたのは良かったですよね。結局のところチッピング、岩を汚すマーキングを残す行為など、自然に対して山をやらない人が見ても傷つけたり、汚す行為は良くないですし、クライマーとしても自分以外の人がそのルートをトライするのを邪魔します。


ボルトないからってこれは無理っしょ2

日本も海外の素晴らしいクライマーを平山ユージさんたちがアテンドしたりしていますが、やはり一番いい日本の岩場に連れて行ってあげたいと思うのではないでしょうか?自分の大切な人をクライミング連れて行くときにチッピングしたルートに連れて行きますか?最初に戻りますが、これも一つの答えにならないでしょうか?チッピングのルート登りたいなら、そのルートに行きましょう。そこには歴史が詰まってます。ですが、今、登れるものをチッピングする必要性はやはりどう考えてもないのではないでしょうか?

こうやって他の国でも同じような問題が起こっていること、「知る」ということはとても重要なことかもしれませんね。

自分だけじゃなく、他の人の可能性を削いでしまうチッピングという行為。1000年後の進化した人類なら今、不可能な課題も登ってしまうかもしれないですね。ただ人類のせいでそれまで地球があるかわからないですが(苦笑)。

ではオチがついたところで、また次回。




2019年1月16日水曜日

Vol.157 八方尾根・今年の積雪状況

今週のブログ担当・谷が多忙につき、二週連続でカネイワがお届けします。連続して山スキーの話題になってしまいますが、何卒お付き合いくださいませ。ところで、前回書き忘れてしまったのですが、私は昨年11月末、シーズンの目標だった「5.12a」を一本(ようやく)登れました!という訳で、今は気分を切り替えてスキーを楽しんでおります。12aがようやく登れた話は、また雪が少なくなって話題に困る頃に報告させていただきます。

八方尾根から見た白馬三山(鑓は左に隠れてます)19/1/13撮影

さて、去る3連休(うち土日の2日間)、白馬に行って参りました。今住んでいる東京の西から白馬村までは高速を利用しても3時間半と実に遠いのですが、それでも行ってしまうのが白馬。それだけの魅力があるのは、3千メートル級の後立山連峰が村から見えるロケーションに加え、アルパインエリアの多彩な滑走斜面、そしてほどよい木の間隔と急斜面を備えたツリーラインでしょうか。この地域は海に近いため冬は天気が悪いものの、その分降雪が多く、天気が悪い日は森林限界以下で遊べるのが良いところと言えるでしょう。ただし、雪があれば...です。

丸山ケルン。19/1/13撮影

では今年の積雪はどうかといいますと...直近では2015-16シーズン並みに少ないような気がします。山もどこか黒々としているし、標高の低いエリアではツリーホールがちらほら…。13日に崩沢を滑った時には、ゲレンデ並みのギタギタ具合とともに堰堤の出方にビックリしました。視界不良であそこに突っ込むと逝ってしまう規模のジャイアント堰堤が丸出しで、全く埋まっていませんでした。天気はというと、単発的な寒気は入るものの、この三連休も三日連続で晴れるという厳冬期にあるまじき有様。そんな白馬は八方尾根近辺から、今回は定点観測でお届けします。

唐松沢標高1300mあたりにある南滝。19/1/13撮影

早速ですが、八方尾根の北面は無名沢より上から滑ってきた場合に出くわす難所・南滝の様子です。13日は手前から複数のトレースがここに突入しており、戻ってきた形跡もなかったため、「行けるだろう」と判断して追従しましたが、こんな感じ(上の写真)です…。写真に写っているスキーヤーがいる辺りは斜度的にもかなり急(体感で55度はある)で、その下は氷が出ています。で、よく見ると誰かが落ちた跡がある(笑)。今後の降雪で状況は変わると思いますが、この時はかなり怖めでした。通過の状況は動画に収めましたので、良ければご覧ください。

3年前の同エリア。16/1/17撮影

そして、これが同じく寡雪だった3年前同時期の写真です。この時は滝を巻いたため画角と写っている範囲が異なりますが、どちらかというと3年前の方が雪が少なく、沢が埋まっていないように見えます。滑って通過した体感でも、3年前は何度かスノーブリッジを渡る必要がありましたが、今回はスムーズに滑れました。

唐松沢下部。16/1/17撮影

そして、私としてはこの時初めて唐松沢の巨大な、氷河のような「万年雪」を見ました(唐松沢は氷河の可能性があるようで、現在調査が進められているようです)。ちなみに、この日我々はDルンゼを滑り、白馬のジョニーさんが不帰2峰を滑りました。いやぁ、よく滑るよなぁ、というような雪付きだったと記憶しています。

不帰2峰。16/1/17撮影
同上。19/1/13撮影

こうして比較するとあんまり変わらない?かも知れませんが、やや今年の方が雪付きが良くて縦溝も少ないようです。なお、私は今回八方池近くにテントで前泊し、早朝からこちらへ向かいました。滑ったのは南峰(写真の左にあるピーク)からS字状に降りるラインです。このラインは2峰の中では上部の斜度が緩く、地形的にも雪崩を避けやすく、最悪転んでもなんとかなりそうなラインのように感じています(あくまで一度転んだ人の個人的な見解です)。

南峰の下部核心。18/2/9撮影
同上。19/1/13撮影

このラインは下部にわかりやすい核心があるのですが、こちらは昨年2月時のものと比べてみました。藪と岩の埋まり具合に多少の違いが見られるようですが、意外とそこまで変わらないような気がします。なお、今回は北峰のドロップポイントも確認しましたが、一昨年の3月にあったような雪のテラスは無く、いまいちどこから侵入して良いのかわからず行きませんでしたが、その翌日ジョニーさんが滑っていたことが判明。相変わらずです!

かりそめの「安全圏」で滑った斜面を振り返るパートナー。19/1/13撮影

滑った後に訪れる安堵と充足感は格別で、パックしていて難しい雪の時もありますが、広大な冬の唐松沢は何度でも来たくなる場所です。もしかしたら今まで歩いたり滑ったりした場所の中でも一番好きかも知れません。今シーズンはあと何回来れるかわかりませんが、短い厳冬期のパウダーシーズンを安全に楽しみたいと思います。

当日の動画です: