2019年6月30日日曜日

Vol 180. カナダの山岳救助の費用について。


こんにちは。2週連続で谷です。
今回は日本とカナダの山岳救助にかかる費用の差について少し掘り下げて見たいと思います。

海外で登山しようと思っているあなた。カナディアンロッキーにアイスクライミングに行きたいな、またスコーミッシュにクライミング、バカブーでアルパインクライミング、レベルストークやネルソンでバックカントリーやヘリスキー行きたいなんて思っているあなた。

もし事故があった時ってどれぐらい請求されるのか、心配ですよね。海外ならなおさらです。カナダだとどれくらいかかるのか考えたことありますか?

答えは…。



場所によって異なります。

国立公園内で入園料を払っていた場合無料です(例外あり)。
これすごいですね。無料かよ!って話なんですが、無料です。

国立公園内で起こった事故は国立公園局の山岳救助隊が出動しますので公園の入園料払っていた場合、ヘリコプターも含め無料。国立公園で山する場合みなさん払いましょう。山岳保険払ってるのと同じです。

しかも安い(大人 $9.80/一日 $67.70/一年)ちなみにほとんど登山やクライミングはバンフ・ジャスパー国立公園内でこと足りますし、ロジャースパスでバックカントリースキーしたいこれもグレシャー国立公園です。6日以上いるなら一年パスがお得。

医療費や救急車代は含まれませんのでこれに関しては海外保険入ってきてていいと思います。

では国立公園以外の州立公園に分類されるスコーミッシュやバカブーは?って話ですが。
これも無料です。
またすごい。BC州の政府が多額の予算をくれていますのでヘリコプター含め無料です。

ただ救助隊は国立公園の救助隊と違ってボランティアですね。日本の遭対協と一緒なので地域によってムラが相当あります。ヘリコプターもそれ用に準備されていませんのであんまり期待しないでくださいね。これは日本と同じです。

富山、長野、岐阜など山岳県では県警防災共にヘリコプターを擁していますし県警救助隊が来なくともボランティアのメンバーも強力です。山岳ガイドや、山のプロがメンバーの中核にいますのでレベルは高いですね。

ですが他の地域では役場の山もやったことない方が役職上、救助隊を兼任していたり農家の普通のおじさんがやっていたりしますので、これカナダも一緒です。なのでマイナーなエリアに行こうとしてるあなたそこは考えておきましょう。

あとちなみにこれには落とし穴があって、商業登山やガイド登山だとBC州では請求されます。なのでちゃんとしたガイド会社に頼んでおいたほうがいいですし、事前に確認しておきましょう。

ちなみに国立公園や州立公園でガイドする場合パーミット(許可証)が必要です。日本人ガイドが取得するのは英語のため結構大変です。事故があった時、救助費用、ヘリコプター費用、さらに罰金なんてことになったらすごい大変ですので、必ずちゃんとした会社に頼みましょう。

ちなみこのメンバーの中だと

僕(ACMGアルパインガイド)
秋山(ACMGスキーガイド)
山田(ACMGアプレンティスロックガイド)

は資格を擁していますので、ちゃんとした保険にも入れています。自分たちだけでは不安な方は是非検討して見てください。




ちなみに今回写真は全てインターネット上のアルパインヘリコプター様のWebサイトから貸していただきました。

さてヘリスキーやキャットスキーですが、これも原則として無料です。なぜなら、彼らの会社自体がヘリコプターや雪上車を擁している、またはリースしているからです。すぐおろせますし、自分たちガイドが起こした事故なので、よっぽど悪質なことしない限り基本請求はないそうです。

ちなみにヘリスキー会社同士で有事(特に雪崩)の時は助け合いますので、ヘリも何台も来ますのでかなりすごいです。


北米ではホイストオペレーションではなく未だにセンタースリング(こちらではロングラインレスキューという)が主流。複数を一緒に釣り上げれるこの方法は効率かつ早い。

まとめると、

<日本>

県警ヘリ、防災ヘリ:無料。
民間のヘリコプター(現場からのピックアップはできない、山小屋やヘリポートがある場所のみ):有料。
県警山岳救助隊:無料(ただし遺体捜索や行方不明などは長く出動できない。忙しいという理由と無料だから)。
民間(遭難対策防止協会):有料。

<カナダ>

国立公園 :ヘリコプター、救助隊共に無料(国立公園は入園料を払う必要あり。払っていないと請求されるケースあり)。

州立公園 :
BC州:ヘリコプター、救助隊共に無料。技術の差はあり。(ガイド登山は請求されるので会社が保険入っているか確認する必要あり)
AB州:カナナスキスやゴースト(有名なアイスクライミングエリア)無料。その他不透明(請求されるケースあり)

国立、州立公園以外 :
BC州:ヘリコプター救助隊共に無料。ヘリスキーなどはセルフレスキューできるヘリコプターを擁しているのでこれも無料。
AB州:不透明(リモート行く場合保険入っておきましょう。)

以上です。

じゃ最後にカナダでどうやって救助呼ぶのって話ですが、それは先日、ユージさんが書いたブログに全てが書いてます。リンク貼っときましたのでもしよければ。

ガイドを雇うか、衛星の器具を買うか買わないかは貴方次第です!!

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