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2016年8月15日月曜日

Vol.33 カナダ式ベースキャンプ型のスキートリップ

ヘリで入山しベースキャンプを設置
Vol.31、谷剛士の記事に若干被るネタですが、今回紹介するのはカナダでベースキャンプを利用しての氷河スキーについてです。前々回彼が紹介したのは、同じベースキャンプをしながらアルパインクライミングをするものでしたが、今回はそのスキー版です。もちろん紹介していたワディングトンもベースキャンプ型スキーのメッカの場所なので、同じことができます。はい。

さて、ベースキャンプ型とはなんでしょうか?読んで字のごとくテントを張りっぱなしにして、そこをベースとして付近のエリアを滑るというものです。ただ、テントを担いでアプローチとなると時間も体力も消費してしまいますね。そのような形態は以前紹介したスキー縦走(トラバース)というスタイルになります。つまり滑る部分だけを楽しみたいので入山にはヘリを使用する、ただロッジに宿泊するようなお金はない、なのでテントで寝泊まりする。という素晴らしいスタイル、これが”ベースキャンプ型スキートリップ”なのですね。

ヘリでの入山
入山はヘリコプターを使用します。このヘリが最もコストがかかる部分になります。ヘリは通常1時間飛ばすと2500ドルぐらいします。もちろん行きと帰りは別の日になるので、その倍のコストがかかるということになります。つまりヘリパッドから1時間離れた場所でベースを張りたい場合は、往復で5000ドル。ギアを入れると通常ヘリには4名乗るのがやっとなので、一人頭1225ドルヘリ台がかかってしまうということになります。
きょうび1000ドルもあればカナダ~日本往復できる時代にこれは高い! ということでなるべくヘリパッドから近い氷河地帯を選定する必要があるわけです。

食材をたくさん持っていけるのがヘリ入山の最大のメリット

酒も満タン持参可能!
氷河上で飲むビールはなんと美味しいのでしょう
場所の選定
上述のとおりヘリ代の関係(大金持ちでない限り)で、目的地に氷河があれば良いというわけではありません。場所を選ぶ上で重要なのは、
1. ヘリパッドから近い(片道30分程度)
2. 近くにヘリスキーやバックカントリーロッジなどが運営してヘリ代をシェアできる可能性がある
3. 人気のあるエリアで、行きか帰りに別のグループが入るように算段できる。結果片道分は半額になるので。
4. そして滑るのにたっぷりの地形がある

となります。安いところで往復1人400ドルぐらいまで下げれますね。
これが高いと思うかやすいと思うかはアナタ次第!

オススメエリア
上記の条件を踏まえた結果カナダでのベースキャンプ型のトリップに最適な場所はどこでしょうか?

1. Freshfield Icefields

山行記録はこちらから

ゴールデンからヘリで30分ほどにあるこのエリアはどでかい氷原の周りに、3000峰がずらっとならんでおり、この辺では一番オススメでしょう。
近くにミスタロッジが運営しているので日曜日の彼らのフライト日に合わせると安く行けることが多いです。また、他のパーティーもよく利用しますね。
最近ではSherpa Cinemmasのムービーでワンセグメント分たっぷりこの氷原で撮影していた事が記憶にあたらしいですね。ちなみに行ったことがある自分がムービー見ても、どこを滑ったのかわからないぐらい、彼らが滑る場所は異次元です。

ムービーはこちら

Freshfieldの概念図
登れる山達
氷河上にテントを張る 
テントから出ればすぐにワイルドなエリア

氷河といえばクレバスですね 

我が家からの景色

エリアを代表する山、その名もMt.Freshfield

テントサイトは真ん中のクレバス帯の上、んー遠くまで来たもんだ

Mt.Freshfield頂上

天気が悪い時はテントで宴会

4月マイナス15度。これがカナダの氷河です

如何に居心地をよくテン場を作るかもベースキャンプ型のキーポイントです
食材をたくさん持っていけるのがヘリ入山の最大のメリット
 2. Adamants Range area

山行記録はこちらから

これまたゴールデン付近からのフライトです。やはり30分ぐらいかな? 近くにACC(カナダ山岳会)のFairly Meadowという小屋があるので、そこのグループとシェア可能です。氷河はやはり大きく、滑りももちろん、花崗岩の山々なので登れる山もたらふくあります。Great Cairn Hutという6名用の小屋に宿泊もありですね。数年前はArcTeryxのアスリートたちが我々の後に入山して撮影していました。
 ヘリで入山

キャンプ地に滑り降りる

 人と比べると山のスケールがでます

 素晴らしい花崗岩の山に囲まれております

 クレバス帯

迷路のようなクレバスでした

我らのベースキャンプ

 登頂ももちろん可能

この景色で滑ってみたいですよね?

雪はディープというわけではなく滑りやすい新雪
 おまけでGreat Cain Hutの紹介
テント無しでここに泊まるのももちろんあり

Hutの内部
3. Clemenceau Area
数年前日本人のグループがカヌーでアプローチして、1週間かけてアプローチしてその後Mt. Clemenceauを滑る計画を実行しましたね。軟弱者はこの部分をヘリでショートカット可能です。ヘリはレベルストーク付近から。Mica Heliという会社が近くにいますが、ヘリ代自体は他より高いのが、玉にキズ。
このエリアを通った時の記録はこちら

その他
谷が紹介したWaddington AreaやYukon準州にある大氷原エリアで5000m峰を狙って滑るとか、アラスカとか、まー他にも色々あるわけです。

スキー縦走は荷物が重い、でもロッジ滞在は金がかかる、そもそもカナダの大自然を満喫しながら滑りたい。そんな人におすすめのスタイルがこの”ベースキャンプ型スキートリップ”です。お試しあれ!

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