チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2018年2月28日水曜日

Vol.113 ヴァージンアイスを求めて

君はまだヴァージン(未登)かい?

皆様、こんちには。最近は早く山へ行きたくて、うずうずしながら天気予報とにらめっこしている山田トシが担当します。今年に入ってから週末になると天気が悪かったり、晴れていても-30近くの気温だったりと中々難しいシーズンのようです。そんな中でも、これから来るであろう好転周期に向けて出来る限りクライミングをしています。今回はクラシックなハードアイスを登り、さらにその上にあるヴァージンアイスかもしれない氷を登るという「ハードクライミング」と「有酸素運動」そして「ヴァージンアイス?」この三つを融合させた楽しいトレーニングの一日をお届けしましょう。

Ice Nine Area

左側の繋がった氷がハードクラシックのIce Nine(WI6,95m)です。ほとんど毎年凍るようですが、日当たり良好のエリアなので登れる時期は短いです。今回は丁度タイミングが合い登ることができて良かったです。右側は滅多に繋がらないHappy Days(WI6+X)。今回はIce Nineを登りその上の雪田を右上して上部の氷へと向かいました。

核心部分を渋い顔で登るjiro

アプローチはトレースがあれば30分ほど。ハードアイスがいつも身近にあるのがロッキー。身近なアイス=人気ルートなのですでに結構穴が空いていましたが、核心部分は氷質も微妙で少し緊張しました。

Ice Nine 2ピッチ目 (写真=Eijiro Matsumoto)

太陽を背に気持ちの良いクライミング。気温は‐20℃近い予報でしたが、太陽が当たれば快適そのもの。放射冷却で晴れた日ほど寒いロッキーの気候において、寒くて晴れた日は太陽が良く当たる今回のマウントウィルソンエリアかウィーピングウォールエリアがお勧めです。勿論、太陽が当たる面を登るときは雪崩の危険性が増えることは言うまでもありませんが。

上部の氷を目指す

近いように見えて以外に遠かった。久々のラッセルをこなしながら上部の氷を目指していきます。大きな山を登るのにはクライミング能力よりも体力がまず必要。そういう意味でクライミング→ラッセル→クライミングという流れは合理的にトレーニングができます。今回は日が当たりすぎており、雪の層が薄い所からの雪崩が心配だったのでロープを結んびプロテクションを少し取りながら進みました。

アプローチアイスに到達

ようやくお目当ての氷に近づいて来ました。なんだかんだで1時間以上かかりました。もう少し近づくと冒頭の写真の氷に到達です。下から見ると傾斜はないが面白い形状をしている。もし、ヴァージンで無かったとしてもワクワクがしてしまいます。

終了点からフォローを眺める

氷は鏡のようなつるつるの状態であまりの美しさに登りながら思わず氷を撫でてしまった。毎年初登者と同じ気持ちで登れるのがアイスクライミングの醍醐味かもしれませんね。見た目よりも氷の形状が複雑で質もいまいちな部分があり、楽しいクライミングができました。体感WI4かな。

終了点から臨むコロンビアアイスフィールドパークウェイ

Ice Nineを登っただけでは見られない景色。少しでも高い所、いつもと違った角度から景色を眺めることができるのがクライミングの楽しみの一つです。次回は壁の中ではなく、山のてっぺんからこの大自然を見下ろしてやろうと思います。

後日談。どうやら氷はヴァージンではありませんでした。残念ですが、良いトレーニングになったということで満足しておくことにします。友人が送ってくれたこのルートの情報をリンクしておきます。




2018年2月20日火曜日

Vol.112 カナダでアイスクライミング入門

ご無沙汰してます谷です。
今回はカナディアンロッキーでリードクライミングすることなく歩いてトップロープを張れるエリアをご紹介。
アイスクライミング初めての方もこれからリードクライミングに移行したいあなたも
安全にトップロープがセットでき、練習ができるエリアがロッキーには沢山あります。
グレード1の初心者の氷からグレード5の垂直の氷まで全部トップロープをセットできますので安心して楽しめます。ちなみにここで紹介するエリアは全て雪崩の心配なし!!
そして基本トレースがしっかりついているので迷う心配も少ない!!

レストの日に行くのもよし、天気の悪い日に行くのもよし。
こういうオプションを知っておくと、毎日が楽しくなります。
またローカルクライマーと仲良くなり、情報を得れるのもこういうエリアですね。
では早速見てみましょう。


1 Junk Yards
言わずと知れた人気エリア。
キャンモアの街から車で5分、歩いて15分にあるのでいつも混んでる感じですね。
ものすごい寒い日など、駐車場から近いので安心。仕事の終わりに来るのもありですね。グレードもWI1-3まで幅広くラインを選べばグレード4も少し楽しめます。
駐車場はハイキングやロッククライミングで有名なグラッシーレイクへ。
駐車場にはジャンクヤードと表示はないので気をつけて。

2 Wedge Smear


グレードWI2-4まで楽しめる、隠れ家的エリア、左側から歩いてトップロープをセットしにいけます。
駐車場はカナナスキスカントリーにあるGlatea parkingに泊めて(Kidd fallと同じ)少しハイウェイを戻り、The Wedgeという山側に登っていきます(向かって左)トレースと赤布があり明瞭。Google mapでもすぐ出てきます。
キャンモアから車で40分、歩いて40分の見晴らし位のいいエリアです。

3 Johnston Canyon
冒頭のポールの写真とともに。
冬の有名観光地。なぜ観光客が多いのかは未だに不明ですが、アイスクライミングするならもってこいのエリア。グレードもWI2-5+まで楽しめる。
写真に写っていない右のゆるいガリーを登って木でトップロープを張れる。
アイスピラーもあり、ラインはいっぱい取れる。
ただハンギングダガーに注意。
バンフから車で20−30分、そこから歩き1時間。


4 Haffner Creek
日本人にはミックスのエリアとして有名だが、歩いてトップロープを張れるいいアイスのエリアでもある。
キャニオンに入る手前で上のトレールに入り、歩きでボルトアンカーまで行ける。
ただ雪がないときは滑って危険なので木から短く懸垂したほうがいい。
バンフから車で40分歩き20分程度。


5 Mable Canyon

別名Tukkun pole (トーテムポール)
ハフナーの向かいの駐車場。ハフナーが混んでたらここに来るのもあり。
グレードは基本WI5以上。かなりいいトレーニングになります。
ラッペルでキャニオンの下に降り、そのロープでトップロープを楽しむという、
シンプルなエリア。凍ったキャニオンは本当に神秘的でもあります!!
時間はバンフから車で40分、歩き5分。

6 Bear Sprit

バンフからわずか車で10分、そこから歩きは1時間のエリアでミックスも楽しめる。
ここも右から歩きでトップロープが張れるので本当にいい練習場所。
しかもハフナーより静か。
グレードは3−4を楽しめる。
駐車場はバンフから西へハイウェイ1からボウバレーパークウェイの標識でおり、
降りてすぐの駐車場Fire pitという駐車場に停める。
歩きは200mほどトレールを歩いた後、向かって左の話に入り、そのまま川沿いを進めば、赤布がありそれに沿って行くと行き着く。

さてさて。今あげただけでなく実はまだまだあるのですが、長くなりそうなので、いつでも訪ねてください。ガイドを頼んでもらっても結構です。

バンフ、キャンモア、レイクルーズにはいいレンタルストアがあり、いつでもアイスクライミングの装備を借りることができます。(多分昔、ゆうじさんがショップについて書いていた)クリック!!

初心者の方、是非是非どんどんアイスクライミングにカナダに来てください。
日本で練習?それもいいですが、地球温暖化の昨今、カナダに来るのが一番早いかもしれないですよ。絶対凍ってるんですから。
また1日だけ体験したいなって方も今回のエリアオススメですのでぜひ挑戦して見てください。
では日本も雪が半端ないようですが、春に向けて悔いがないよう登りまくりましょう!!
ではまた。谷剛士でした。



2018年2月15日木曜日

Vol.111 冬の思ひで

どうも、ボブです。
最近はレベルストークというキャンモアから300km程の町に住んでいます。
メインはスキーでクライミングも!という発想でいましたが、クライミングに関しては
若干企画倒れ気味な感じですが、スキーに関してはいいエリアです。
やはりキャンモアが色々バランス良くできて住みやすさナンバーワン!

とは言え、最近は雪崩のコンディションが高い状態が続いているので、思うようにクライミング出来ておりません。このまま今シーズン終わっちゃうんじゃないかなと不安になります。気付けば2月で冬も残り2ヶ月程となりました。今シーズンの振り返り、、


Mt Sir Douglas(3406m)
近いようで遠く、風が強くて寒かったー


Over slept WI5 80m
寝坊からのまさかのFA!

Full moon corner M6R,WI4 400m(写真赤のライン)
トシがハイキングガイド中に見つけた壁に見出したラインをFA
車から車まで24時間かけて登りました。これは良かったです!
詳細はコチラ
Mt.Kidd East face 1000m Peak elv:2,893

Unicorn M7 80m
1ピッチ目はベルグラのランナウトがなかなか痺れました。

Virtual Reality WI6 160m(右の氷)
レアアイスの一つですが今年は氷結ばっちりでたくさんの人が登りました。

Nemesis WI6 140m
70mの2ピッチだからお腹いっぱいになります。

General Malaise M6 WI5 3P
写真左の氷のライン。これぞファンな感じでおすすめです。

Mixed Master(5.8,WI5,300m)
アプローチ10分で300m。Weeping Wallの横にあるルートですが、
内容も長さもあって面白い。これもおすすめの一本です。

Shooting Star WI6 210m
普段は下部のアイスが凍っておらず登れないレアアイスの一本
上部のアイスはロッキーで登った中で一番綺麗でした。

今シーズンは前半コンスタントに登りまくって12月半ばから下降気味となってます。
というのもやはりシーズンはじめの方が雪も少ないのですが、積もってた雪の状態が安定しておりルートのコンディションが良かったため、ルートに上手く取り付けたというのが大きな要因です。

3月4月は日も長くなりロングルートにトライするにはいい時期なので狙って行きたいですね。にしても今年は昨年より雪量が多い感じなのでアルパインには厳しいコンディションかもしれませんが、状況に合わせて上手く選べるかが面白いとこでもあります。
楽しんでいきましょう。

2018年2月11日日曜日

Vol.98 Back Number ーFall in Japan as an apprentice farmerー

This story was written by Yuki Kennmura.

Although it's in the middle of winter both in Japan and Canada.  I guess it would be a great to introduce a story of the time of much less cold season...Fall in Japan!




As an apprentice grape farmer, I have been leading very busy life in this fall season.
After successfully finishing my second harvest season at a grape farm, we start to notice the changing of the colour and falling leaves of the trees.  What I do now is finding time between cold fall rain and snipping branches to prepare for the next season. The farm I have been working for also has a face as a winery so other jobs includes preparing and bottling wines. At the beggining of November a new wine was released. If you come around our farm, please make a visit and try our great selections of wines. It's called "Hoo rai san  winery" (ホーライサンワイナリー)

Website  http://www.winery.co.jp
Very well organized website even just looking at the pictures make you want to visit there!:)






Always amused by the beautiful leaves colours that can be seen at multiple spots nearby our farm.

While enjoying the calm fall, we should be getting ready for the upcoming season not only for the farm but also for the outdoor activities.
In my case, tuning and waxing telemark skis, alpine skis,cross country skis and checking the conditions of skins. Well one step at a time, my first priority now is to get ready for the very first ski for the season at Tateyama. Checking weather and solid skills are importrant but I believe checking the condintions of tools would be equally necessary thing to do....That reminds me that I still haven't finished repairing kayak so gotta do that before full on winter arrives....




Change of the story back to the farming. This site is going to be my workplace from next spring. From here we will organize and change this to a grape farm. It is only a planning and preparation stage but gradually we are taking actions step by step.

Farming is hugely affected by the circumstances that created by the great nature. So anytime even good or bad we have to get along with and respect the nature to work together. Same things can be said in outdoor activities. That's what farming attracts me.


Other than farming, I started to learn how to hunt. It's just initial stage but preferably I would like to share of those stories and info with you guys.




This is an apple farm of our landlord. Beautifully organized and maintained.


Eating seasonal food would heal and fuel our body for our new upcoming adventures.

Thank you for reading!


                                                                                         Translated by Yumiko Mori

2018年2月6日火曜日

Vol.110 カナダ人を日本で案内するとして、ではどこを滑る?

今年もJaPow!ツアーに行ってきました!
お久しぶりです、日本で1月過ごして昨日帰国した秋山が今回のブログを担当します。
以前のブログで”なぜ外人が日本に滑りに来るのか?”について寄稿しましたが、今回はじゃーどこを滑っているのと言うお話です。

ちなみに、今年は1月5日から2月4日まで、8日x3本のツアーを行いました。メンバーは最初のツアーがアメリカ人x2名&カナダ人x2名、2本目が5人のアメリカ人、3本目が5人のカナダ人と奇しくも、アメリカ、カナダ人半々の割合でした。来年も2本催行が決まっていて、既に宿も予約してきました。来年も楽しみですねー。

さて、滑る場所ですが、私の場合主に北海道と長野、新潟エリア。ガイドなので初めての場所でもオンサイトガイディングはできると思いますが、日本の場合駐車場の問題とか宿の問題とか、知っていたほうがスムーズに進む事が多いローカルな情報が多いので、知っているエリアでやっております。まーこの知っているというエリアも初年度、次年度はほとんどオンサイトガイディングでしたので、地元のガイドさんには、快く情報提供を頂き色々お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。

さて、北海道ですと、
ニセコBC、五色温泉付近、キロロBC、ルスツBC、小樽の塩谷丸山、旭川周辺の江丹別峠、旭岳、紋別方面の浮島峠、テングキャットスキーや音江キャットにも行きましたね。後は富良野岳、十勝岳、富良野スキー場BC

小樽BCは民家の横からスタート。変なところに駐車しないようにしましょう~
江丹別峠は寒いので表面霜が発達する場所。
長野周辺では殆ど見ないですね。カナダではこれだらけ。
あとで弱層になります。。
定番旭岳の噴気孔
音江のキャットツアー、たまにガイドされるのも悪くないです
キロロのBCはいつも深い!
外に出る時は申請とゲート(後ろのテント)からでることをお忘れなく
友人加藤さんがディレクターを努めるテングキャット
今年は新雪40cmで最高でした
新潟は妙高周辺の三田原山は前山、笹倉温泉周辺の昼闇山などのみなので、これは今後黒姫、乙妻、神奈山、アライスキー場などもっとバリエーションを増やしたいところです。

10数年ぶりに復活のアライ。雪崩管理はカナダの会社がアウトソーシング。
友人を訪問だけでしたが、来年は滑りに行こうかな
パウダーエリアをまわるツアーを去年催行しました。
白馬から、上高地を経て日本海、笹倉温泉、小谷経由で白馬へ
運転の途中に文化探訪も忘れません
長野は、北小谷から五竜ぐらいまでと、上高地周辺によく行っていました。小谷は人も少なくパウダー確定なので好きな場所ですが、住人が減ってきて今後道路の除雪状況が不安なところですね。定番の八方、栂池、47、コルチナ、乗鞍あたりのサイドカントリーもやはり外せぬルーティーン。ただ、手軽なだけ競争率が高く、外様ガイドはいまいち立ち回りが悪くてディスアドバンテージがあるのも否めないところです。

上高地では釜トンネルを歩いて抜けます
五竜BCは最後渡渉つき。
八方BC、こんな快晴ないっすよー
小谷BCの大渚山、お気に入りの一つ
他にも群馬、東北、岐阜など明らからに楽しそうな場所がたくさんあるのですが、手を広すぎても精神的に疲れるので、この辺の持ち駒をまわして、やりくりしているわけです。

正直お客さんはどこを滑っているのかを地名すら分からずに付いてきているのも事実。場所は関係ねー、いい場所を滑らしてけろ。っていうのが外人流でしょうか。信頼されているのも嬉しいですですがね。

ということで、日本ツアーも無事に終了し、雪が不安定なカナダに戻ってきましたので、また気を引き締めて残り3ヶ月のスキーシーズンを無事に終わらせたいと思っております。