ご無沙汰してます。谷です。冬が始まりました。
4年前このリンクアップのブログを始めてから色々なことに日本人の仲間やカナディアンとトライして来ましたが、ようやくビザの問題がなくなりこの冬から自分がしたいこと出来るかなという感じがします。もちろん国際ガイドの最後の試験が春にあるので完全自由ではないですが…。
僕がしたいこと、それは登りと滑りを1日で楽しむ。それも結構なレベルでです。
スキーとクライミングというのは同じ山で遊ぶ行為ではあるのですが、やはりベクトルが多いに違います。登る、滑るという行為は使う筋力も違えば、どちらかをやることによって片方の良さをなくす結果になるときもあります。
例でいればスキーの筋力が足やお尻に付くと否が応でも重くなって、軽いほうがいいクライミングにはデメリットにもなる。
自分では結構得意な気がしているアイス。
ただ冬に関して言えば、アイスクライミングや雪壁を登る筋力は主に足であり、これをうまく利用できないかなとカナダ来てからだいぶと考えて来ました。
アイスは基本的に氷の質や形状が安定していれば、現代のボルダリングのようなダイナミックな動きもなく、自分でラインやホールドを作れるため実は自分のラインを選択できるスキーと似ています。しかもコンディションによって大きく左右されるのもしかり。
正直この部分でロックにみんなが行くのもわかる気がします。なぜなら岩は固く、壊れない限り基本的に難しさは初登攀と変わらない部分もあるからです。
なので純粋に自分の限界にトライできるし、雪崩などの不確定要素。事故があった時の凍傷や死に至る結果からかなり冬のアクティビティに比べ激しくないからです。
比較的安全に難しいことを山でしたいならやはりロックかなって気もします。
またスキーやアイスは誰かが登ったあとや滑ったあとだとかなりの割合で簡単になります。まず不確定要素が少なくなり、アイスは最初登った人のスイングの穴を利用できますし。スキーに関しては雪のコンディションがわかるので思いっきり突っ込めます。
でもこれじゃ面白くない。
登られまくって穴だらけの6級登るより、この冬誰も触ったことのない4級の方がはるかに難しく、僕には価値があるのです。それがまだ誰も登ったことのない氷だったら?
言葉にするのは難しいですが山の本質はやはり冒険だと僕は思うのです。
山スキー、アイスクライミング(アルパインクライミングというときもある)の良さはやはり、共に冬の登山として雪崩や落石などの不確定要素と戦い、何が待ち受けているかわからない未知の領域に向かい、そして何より誰も触ったことのない氷、斜面にトライするという数字では語れない難かしさ(冒険性)これに尽きるかもしれません。
もういい歳して冒険なんて恥ずかしいですが、僕は今でもラピュタを見て冒険に出かけようとモチベーションを高める39歳なのであります。
2018年のカリブ山脈の一コマ、スキーを背負っての登攀能力は数字では語れない。
山スキーで培った雪崩の知識判断、急峻な地形を滑る技術、氷河技術、冬山の生活術。
アイスクライミングで培ったコンディションを見極める技術、落ちない精神力、安全への何重にも及ぶバックアップなど、数え切れませんが、これらすべてを使って出来ることトライして見たいという気持ちにこの冬はなっています。
僕が山を始めた頃にはもうそこには未踏峰も少なく、未踏の壁は高難度でトップクライマーでないとできないレベル、ファーストディセントもレッド○ルのイケイケのビックマウンテンスキーヤーじゃないとできない一歩間違えれば死の世界。そんなのとても凡人の僕ではできません。
しかしながらこのロッキーは登りも滑りもトップクラスでできるエリアであり、僕はようやく地元民(ローカル)になることができました。
緻密に集めた情報や経験、住んでいるからこそ、つかめるかもしれないいいコンディションを待って、新しい挑戦をしたいと思います。
昔の登り滑られているルートや山でも、発想次第でまだまだ冒険が待っている。
これが僕が山をやる一番の魅力だと考えているからです。
カリブートラバースの一コマ、100Lのザックを背負ってのターンは数字では語れない。
またこの春リンクアップの仲間、千春とボブでバカブー・ロジャースパスの130kmの氷河縦走計画しています。すごく難しい斜面はないけど、トップアスリートのようにクレイジーなことはできないけど大好きな山をどっぷり感じれるいい縦走になると信じています。
最後になりますが、自分の能力を最大限まで引き出せる、そんな山行を計画し、そして実行に移す、これこそが最大の挑戦であり、目標とする山になることでしょう。
スキーとクライミング、小さいながらも片方ずつの翼をようやく手に入れることができました。
これでどこまで羽ばたけるか、今からワクワクが止まりません。
レッド○ル翼を授ける!
ではオチがついたところで皆さん良いシーズンを!
0 件のコメント:
コメントを投稿