チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2016年5月30日月曜日

Vol.22 ヤムナスカ~クライミング編~とおまけ

ど~も。山田トシです。このブログを皆さんが読んでいるということは私はワディントンから帰ってきているかもしれません。(この記事を書いている今は遠征前です)。以前、谷が書いたマウントヤムナスカ(ヤムと呼んでます)のことをクライマー目線でご紹介したいと思います。私にとってヤムは2014年にロッキーへ来て初めてマルチピッチクライミングを体験した場所であり、プライベートでもハイキングガイドとしてももっとも訪れている場所です。 Photo by Florian Jungen
駐車場付近からの南壁。標高差は高いところで300mほど。ルートの長さは3P~10Pくらい5.4~5.14aまで100本近くのルートがこの壁にあります。昨年ソニートロッターがこの山で初めての14のルートを開拓していて現在進行形の壁でもあります。
標高も低く陽がサンサンと照り付けるため、春先と秋がベストシーズン。
 メンバーの谷ともよく通ってます。

 ヤムのいいところ。カルガリーから近い、アプローチ1時間、選べるルート、適度な標高差、抜群の高度感(ヤムからカルガリーに向けて大平原が続いているから)、新緑と紅葉が美しいという理由の他に脆い岩質、難しいルートファインディング、恐怖のトラバースが多々ある、ナチュプロとボルトの併用といった私のようにアルパインが好きというクライマーにとっての魅力もあります。

 毎回稜線まで立てるのも最高です。僕の後ろにはカルガリーの大平原。この景色はず~と東まで続いているんでしょうね。左側には雷雲。日本と違い雨は少ないけど樹林がないので雷には注意してください。2 Photos by Florian Jungen
 チップモンキーも現れます。取り付きにパックをデポする時は行動食を食べられないようにしてください。私はプラティパスかじられました。

 これは昨年目標にしていたEast End Boys(12a)の一コマ.8P中6Pが11台という濃い内容でした。マルチなのでムーブが分かってしまえばグレードはかなり甘めに付けられていると思いましたが、オンサイトトライ、脆い岩質、高度感を加味するとちょっと甘いかなという体感です。核心の12aだけチームオンサイトを逃してしまいました。でもトライ前日までは相当緊張していたのでトップアウトすることができてホッとしたのを覚えています。
 遠征前最後のクライミングで以前からやってみたかった継続登攀にチャレンジしてみました。Karl Wall(10a,280m)~Forbidden Way(10c,275m)~Red Shirt(5.8+,270m)という3つのルートを繋げて800m以上24ピッチ登りました。まだ始まったばかり。
 Forbidden Way 最終ピッチ残り1ルート。
 Red shirt 本日の最終ピッチ。明るいうちに終える予定が結局ヘッドランプクライミングでした。難しくはないけど全てがオンサイトだったので時間がかかってしまいました。ヤムの新たな可能性を感じる充実した14時間クライミングでした。
もしロッキーでクライミングをする機会があれば是非訪れて下さい。
 ここからは袋とじ編。つい先日まで行っていたワディントン登山の模様を読者の皆様にだけこっそりご紹介します。ワディントンまではタトラレイクという集落からこのヘリでひとっ飛び。ピカピカのヘリからパイロットの愛情が伝わります。

 ニューラインを築くことできたアスペリティ南西壁の偵察。

 アスペリティ南西壁を登り切り、ティードマンを望む。
 雲海に包まれたティードマン氷河。
 ワディントン登山の詳細な報告はまた後日致します。たくさんの方々のご支援と応援ありがとうございました。 バックはもちろんワディントンです。

2016年5月25日水曜日

Vol.21 九州の海

ご無沙汰しております。
どうも、ボブです。

このブログが投稿される頃、日本はかなり蒸し暑く感じ始める時期でしょうか。
谷、山田、ボブの三名は、まだまだ氷河上の岩峰を舞台に、スキー&クライミング
を楽しんでいる頃でしょう。このブログは僕がカナダに出発する前夜、
もう寝ようかな、、と考えてる時に書いたブログです。笑

さてもうそろそろ Vol.何?ってなって来ましたが個性豊かなメンバーで
毎度思い思いに記事を書き募るlink up blog Vol.21
今回は少し?路線を変えてわたくしの故郷を思い起こした記事です。

わたくし、ボブは日本の九州、熊本で生まれました。
〔日本の~〕

〔この辺!〕


つい先日、熊本を中心とした大きな地震が起きました。
震源となった地区の人々は家が倒壊し、住処を失い、避難先での生活を強いられています。
幸い僕の実家は震源から少し離れており、屋根の一部が崩れた程度で、水や電気などの
ライフラインへの影響も少なく、地震が起きた次の日は余震が続き不安はあるものの
父親はいつも通りの晩酌をたしなんでいるようでした。(平常心が大事!)

地震の大きさは数字で見てもいまいちピンと来ませんが、
今回の地震で一番ピン?と来たのは"活断層のズレ"
九州を斜めに横断している断層ですが、今回の地震で最大で1m
27kmの範囲にも渡ってずれてしまったそうです。漫画が現実となる世界。
あらためて自然が持つエネルギーの大きさを実感しました。

そして、その活断層が走る先には同じく目には見えない
莫大なエネルギーを持つ川内原発があり、今も動き続けています。
(止めたとしても止めるのに何十年もかかる)
東北で起きた震災ではその原発の建屋が倒壊し、大きな影響を
及ぼしています。先々その実態が明るみに出てくるでしょうか。。

九州にいる時はサーフィンやスキューバを楽しんでいた僕にとっては海は大切な場所。
そんな海が近寄れない何かになると思うと、とても寂しい気持ちになりました。
海に潜ることは、ある意味山登りに似た感覚で、海底に続く、溝をどこまでも
潜ってみたい!そんな冒険心にかられます。日本海溝とか何千mもありますしね。
海底の地形はまさに迷路。好奇心が掻き立てられます。
(残念なことに生身の常人は30m程度しか潜れませんがね)

しかも、その先にはこんな大きな海の主がいるかもしれません。。
〔特大のア・ラー(魚)〕

資源の少ない日本。輸入資源に依存せず、資源を守る為にも資源に頼らない原発に依存しない
生活を考えていくべきかな、と感じました。都会の生活は快適そのもの好きですがね。
までも、資源を大切にする!(特に食!残さず食べる!笑)
社会全体にそんなムーブメントが起きてほしいですね。

この氷河での一か月間を通して、そういった事も考えてみようと思いました。
Mt.Waddington tripももう少しで終わりなのかな。。報告お楽しみに!

P.S.
Mt.Waddingtonはスキーもかなり楽しい場所。
ついでに?こんなスキーもできたらと妄想中な出発前夜でした。


  〔Eric Hjorleifson "The Way I See It"〕


以上、ボブでした。