チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2018年11月22日木曜日

特別レポート「グランドキャニオンでトレラン Rim to Rim to Rim 78㎞」



皆様、初めましてリンクアップフレンドのタカヤです。私は現在ワーホリでカナダに滞在しています。先日まで約2ヶ月間のアメリカtripへ行っていました。特別レポートとしてアメリカトリップの模様を「グランドキャニオンでのトレイルランニング」と「アメリカの名峰登山」に分けてご紹介したいと思います。今回はトレイルランナー必見のグランドキャニオンでのトレイルランニングをご紹介したいと思います。


ルートは大体こんな感じです。




1人旅でパートナーもいない、技術もない私にできることはなんだろうと考えた結果がピークハントとトレイルランでした。

チャレンジしたのはグランドキャニオンのRim to Rim to Rim 78km
グランドキャニオンと言えば数億年という歳月が造り上げた大自然の造形美の大峡谷でユネスコ世界遺産にも登録されており、North RimSouth Rimの2つの入口があります。それを1dayで往復するコースをRim to Rim to Rimと呼ばれています。やっている日本人が少ないのも魅力的でした。過去に熱中症で何人もの人が亡くなっており、実際に今回も谷底の気温は40度近くあり熱中症の危険があり、さらに毒ヘビやサソリも生息しているため足元にも気を遣う必要がありました。

ルート内容は、North Rim2529mNorth Kaibab Trail Colorado River750m)→South Rim 2100mBright Angel Trail→North Rimの往復約77km。



当日は朝3時半にNorth Kaibab Trailを出発しました。気温は、1桁で走るには丁度良い気温。風邪を引いていたが体調は良かった。



コース自体は良く整備されていて暗闇でも快適に降ることができたが、何箇所か崖になっていてスピードを出しすぎによりつまずきで滑落に注意しなければなりませんでした。
途中アナグマに出会いびっくりさせてしまったが、夜間行動をすると普段は見られない動物を見られるから割と好きです。最初のキャンプ場Cotton wood Camp groundを通過したところで明るくなってきました。

夜が明け遥か彼方に見える赤焼けたSouth Rim

初めて見た野生のサボテン(花付き)

ピーピー鳴くコウモリ

午前中、谷底には日が差し込まないがもう蒸し暑い。直射日光を浴びるよりはマシだけど。



Phantom Ranchには4時間半で到着しました。1泊2日を目指す人はココを目指すといいかもしれません。シャワー付きでご飯も美味しいらしい。人気のため予約はお早めに。

割腹の良いリス
リスに噛まれて狂犬病になるケースもあるらしいと看板に注意書き有


遂にコロラド川を越える




ココから10分ほどでBright Angel Camp Groundを経由して、遂にコロラド川を越えSouth Rimへ向かいました。ここからはトレイルを選択することができますが、S.kaibab Trail は日陰が少ないと事前情報に書いてありBright Angel Trailを進むことにしました。




日に当たると汗が一瞬で乾く世界。日差しが痛いしとても暑い。突然の鼻血に見舞われなかなか止まらず20分かかってようやく治まりました。
暑い。Indian Garden Campgroundでは豪快に全身を濡らしてみた。すると快適に走れることがわかる。がすぐに乾く気候。

振り返ればあんなに遠くにNorth Rimが見える

広大な景色が広がり、ココでまた鼻血が違う穴から出て20分ほど休憩しました。



出発して10時間半でようやく反対側のSouth Rimに到着しました。この時すでに足が悲鳴をあげていた。栄養、水分を補給し、身体を休息させる。辛い身体に鞭を打ち、全身に水をかぶり再びNorth Rimへ向かって走り出しました。
溢れかえる観光客を避けながら谷底へ向かいます。鼻が塞がっていて思うように呼吸が取れなずすぐに喉がカラカラ。風邪も悪化し始め咳が止まらない。苦しい状態の中、なんとかBright Angel Camp Groundに到着しました。水を3ℓ補給し、また水をかぶるが水分はすぐに蒸発していく過酷な環境が続く。South Rimからここまでは、日陰が少なく常に日光に照らされるため、熱中症には注意が必要です。Phantom Ranchの水は枯れていました。

ミュールに遭遇。割と珍しい

可愛いトカゲに疲れが癒される


辺りは暗くなるも谷底では経験したことのない熱風が私の体を蝕み、ビバークしたいところだが、暑いし地面には毒ヘビやサソリもいるので走り切るしかないのが現実でした。途中、小川が流れているが、濁ったぬる水で飲めるような代物ではないです。水分を身体から逃がさないようにシャツを脱いで走ります。細かい砂が入り、擦れ、水膨れができて思うように走れません。ヒリヒリする痛みと今まで感じた事のない筋肉痛に襲われながら満点の星空の中、誰もいない空間を走り抜ける。なんだかとても気持ちがいい。長時間行動により胃が食べ物を受け付けなくなる。無理矢理栄養を水と共に押し流す。Cottonwood Campgroundに着くと案の定水は出なかった。普通はここで万事休すになるのだが、前の水場で多く補給しておいたのが項を奏しました。残り僅かの水を身体に吸収させる。谷底を抜けて、あとは標高約1300mを稼げばゴールになります。ひたすら登り坂を歩いていく。悪化した咳が止まらない。ゴールまであと少しだ。最後の水場もやはり出ない。標高が高くなり、上着を一枚羽織って丁度良い気温で良かった。いつの間にかゴール地点に倒れこんでいた。2時30分でした。
強烈な達成感と身体中の痛みと様々な感情や感覚が頭の中で駆け巡った状態のまま駐車場で寝てしまいました。
次の日、近くにいたおじいちゃんに記念写真を撮ってもらいました。

夜が明けて見事に逆光



少し離れたピクニックテーブルにて朝食。清々しい朝のはずが、小鳥のさえずりと共に『ピッ』と閉まるドア。カギは車の中。近くにいる人に状況を説明し、Visitor Centerまで乗せていってもらいました。セキュリティの人に助けてもらい、充実したトレイルランを終えることができました。

今回のルートは「Rim to Rim to Rim 78km」
タイムは23時間かかりました。普通にトレランをやられている方だと20時間は切れると思います。
7〜9月は40度を超えるためオススメできません。
スタート時間は0時が好ましいかと。夜間走って暑さを避け快適なRunを!
コース全体は、とても整備されています。水場は、Cottonwood Campground – Phantom Ranch間はありませんのでご注意を!その他の区間は数カ所設置されてあります。ただ、水が出なくなるトラブルもありますのでビジターセンターなどで事前に調べましょう。

装備 
普段通りの基本装備。ミスって熊スプレー持って行ってしまいました。給水速乾のタオルを持ってくと濡らして首に巻いたり、日光を避けるために帽子の下に被り大変役に立ちます。肌を焼かずに済んだ。

食料 
Clif Bar 11個、ミネラルサプリ10個以上、BCAAを溶かした水1ℓ、緊急用でポカリ粉末1袋 、持ち合わせで済ましていたがやはり、エネルギージェルが良いと思います。
もしも何かあった時のためにRanger Stationに届け出を出して行きましょう。届け出は義務です。

グランドキャニオンの大峡谷は約4000万年前からコロラド川による浸食が始まり現在見られるような峡谷になったのは、約200万年前のこと。そして今も尚、浸食は続いており、最古でおよそ20億年前の原始誕生時の地層を浸食しています。その歴史を肌で感じるにはやはり自分の足で谷底まで降りる他ありません。その景色はあなたをきっと感動させてくれると思います。体力に自信のある方は、ぜひチャレンジしてくださいね!




0 件のコメント:

コメントを投稿