チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2019年10月30日水曜日

Vol.196 名残惜しい秋

こんにちは、富山県から劔村がお送りします。

今回のテーマは過ごしやすく食も豊かで個人的に好きな秋のことを書いてみようと思います。
そんな秋の移ろいは早く高所では初冠雪の便りも届いています。カナダからはそろそろ初滑りの声が聞こてきそうですね。


まだ残暑を感じる頃、世界遺産で知られる合掌造りの五箇山を流れる庄川へラフティングに出かけました。
今回はガイドツアーのお手伝いで漕ぎ手として参加しました。
水量も程よく、いくつかある難所では白波が立ち漕ぎ進むとしぶきが顔にかかります。


この時期は水温が下がり始めるので冷たさを感じますが、ウェットスーツがあれば泳ぐと気持ちいいくらいです。
半日コースで2時間くらいのツアーですがゆっくり漕いで自然の堪能、途中で飛び込みスポットもあります。
かなりの高度感、低いところからも飛べますのでご安心を。


ラフトボートは大人数で乗れる、漕ぐことができるので仲間と一緒に川下りを楽しむことができます。
富山県では庄川、神通川、黒部川など主要な河川で体験することができます。
興味がある方は参加してみてはいかがでしょう、素敵なガイドを紹介します。




さあ、後半は山の話です。
北アルプスの最北部に位置している朝日岳に行ってきました。とはいってもピークは踏んでおらず今回は小屋までです。
登山ルートはいくつかあり白馬方面、新潟からのルートもありますが、どこからも距離が遠く体力も必要になります。
今回は富山県東端の朝日町、北又谷からの入山です。マイカー規制があるためタクシーなどの手配が必要です。

紅葉がはじまる10月初旬に行ってきました。
登り始めはきつい急登が続く樹林帯をひたすら歩き、視界が開けるあたりからは劔岳をはじめ立山連峰を望むことができます。


 急登が終わるとなだらかな登り下り、紅葉が疲れを癒してくれます。


ゆっくり歩いて5時間で朝日小屋に到着です。
今回はこちらにお邪魔することが目的だったので到着してからは目の前の朝日岳、白馬岳を眺めながらキンキンに冷えたビールを満喫していました。


とても素敵なところで、小屋の皆さんによくしていただいて最高の登山となりました。
台風の接近もあって静かな小屋でしたが貸切の小屋での宴会で二日酔いになったのは言うまでもありません。


朝日岳は小屋から片道1時間、次回はピークに立ちたいものです。
最後に運が良ければ雷鳥にも出会えますよ、翌朝出会った雷鳥ファミリー見えますか?


秋が過ぎればすぐに冬、体調を整えてきたる冬も楽しみましょう!


2019年10月27日日曜日

Vol.195 冬のはじまり

 どうも、スキーブーツがリコールで新品になってホクホクのBobです。

日本は例年にない台風とその後も大雨で、浸水被害や道路が通行止めになったりと大変な地域もあると思いますが、皆様台風の被害は大丈夫でしたでしょうか? 被害に合われた地域では一刻も早い復旧を祈ります。

そんな中ですが、ロッキーでは相も変わらず高速道路から見える壁に例年通り氷が氷結し始め、気候も冬程厳しく無い、そんなアルパインクライミングに最適なシーズンがやって参りました。

とは言え、今年は麓に雪は無いですが、山の上では思ったより雪が多く、苦戦を強いられてる感じです。

 今年は例年よりも新しいアルパインルートが多く開拓され発表されてるのを見る印象です。

そこで早速モレーンレイクに開拓された出来立てほやほやのルートに(未だに車中泊してる)若者二人を連れて行って参りました。

ルートの詳細はコチラ

駐車場から3歩でこの景色
当初はコチラを考えてましたが、3/4 couloirは雪付き悪く厳しそう。
モレーンレイクに行った事がある方は分かると思いますが駐車場から向かって左にあるバベルの塔に見える3本の顕著なガリーの真ん中を辿るルートで、ルートの始まりと終わりに5.8のミックスがあり、それ以外はWI3-4 程度のアイスとほぼ歩き。下降も快適に歩いて下山できる 500m のミニアルパインルートです。

モレーンレイクをバックに。

深ーいガリーを登ります。
とにかくロケーションは素晴らしく、ターコイズブルーの湖とMt.テンプル、観光客で溢れかえる駐車場をバックに駐車場から8時間程度で登って帰ってくる事が出来るのでシーズン始めの足慣らしには最適かもしれません。ただし、このもレーンレイクまでの道路は10月15日から5月15日までの冬季期間は閉鎖となります。冬季も空いてたらここはとんでもない場所ですね、、クライマーにとっても、観光客にとっても。

 僕も昨年から目を付けていた某壁にトライしてきましたがルートの半分くらいを登りヘッドウォールを見上げて退散して来ました。そのポイントには割と新しい下降支点があったので他に誰かがトライしたのかもしれませんが記録が出ていない。という事は同じく引き返したと推測しました。下部は摂理の多い岩質ですが、ヘッドウォールは摂理が乏しく、傾斜も強い壁で、見渡す限り弱点を見出す事は出来ませんでした。またタイミングがあればトライしたいと思います。
摂理の乏しいヘッドウォール
長いようで短い、いや長い冬、焦らず安全に楽しんでいきたいと思います。
日本の皆様も秋の収穫シーズンを楽しんでください。

以上、ボブでした。

2019年10月15日火曜日

Vol194. 日本滞在中に剱岳

お決まりのプレート!
台風一過の東京から秋山がVol194をお届け致します。
東京!?そうです、カナダの夏のガイディングを終えて、実は日本に帰省中です。
帰省中に過去最大級の台風が直撃なんてなんてタイミングでしょう。しかもこの3連休でうんてい好きの娘のために、長野で行われるうんてい大会に出場する予定だったのですが、もちろんそんな予定はキャンセル。でも台風が来る直前に強行軍で剱岳に行ってきました。

感想は、やっぱり山に囲まれたカナダに住んでいる自分は本当に幸せな環境なんだな、そしてその状況を少しでも長く持続させることができるように、頑張ろう!って思いましたね。もちろん剱岳は素晴らしいですし、景色も最高なんですが、東京からだとやはり遠いし、お金も結構かかりました。山小屋クローズ直前だったので、登山道に人も少なく山小山も個室にしてもらえましたが、真夏だと人にあふれているようですし。

ということで、今回は東京からの剱岳1泊2日旅行をレポートしたいと思います。

人数 : 2名(かみさんと私)
日程 : 10月8日-10日
行程 :
10月8日
22:30東京駅から深夜バスで富山へ
10月9日
5:40 富山駅着 - 6:03電鉄富山で立山へ - 7:20立山着 - 8:00 ケーブルカー、バスを乗り継いで室堂着が9:20で登山開始。
11:30 剣山荘着から剱岳登山、17:00帰着
10月10日
6:10 剣山荘発 - 9:00 室堂着 - 12:00扇沢から長野へ - 14:20新幹線で東京に帰宅
費用 : 合計 78,960 (プラス昼食や行動食、小屋でのビール代)
高速バス 5,500x2=11,000
電鉄富山 1,110x2 =2,220
アルペンルート 8,430x2 =16,860
剣山荘 11,000x2=22,000
ヘルメットレンタル 500x2=1,000
アルピコバス 4,600x2=9,200
北陸新幹線 8,340x2 = 16,680

東京に帰省中で自分の車もないので選択肢は新幹線か夜行バス。時間を有効に使うには夜行バスっしょ!ってことで、夜行バスを楽天トラベルで予約。3席シートで快適に富山まで7時間の旅を楽しみました。早朝に富山駅に到着した我々は近くのローソンで昼食や行動食を購入、立山まで電車で移動し、立山黒部アルペンルートで室堂に入りました。この日は快晴なので、アルペンルートは結構混んでいましたね。チケットを電鉄富山駅で買えると楽だったのですが早朝のためクローズ、ネットで購入できるみたいなので次はネットを使用します。ここで30分以上ロスしました。

室堂からはさくさく登って剣御前小屋を経由して剣山荘へ降り。でも10月とは思えない気温で暑かったー。あくる日は天気が微妙だったのでこの日に一気に登っちゃおうということで、剣山荘にチェックイン後にヘルメットをレンタルしてLet's Go。往復4時間でいけるかな?って思っていましたが5時間かかっちゃいました。まー普段登っていないカミさんには大変な行程だったので、5時間でも早いほうでしょう。
この時間から登るのは一般的ではないので、すれ違うオジサマ方からいろいろなアドバイスを受けました(笑)が、午後の天気も安定していて、上部からの落石さえ気にしておけば、朝渋滞の中を登るよりよっぽど安全な気もしました。そもそも登っている人の多くはヘルメットもしていないですし、セルフも取っていないのでワンミス=死、すごい場所を日本の登山者は登っていると思いました。

宿泊した剣山荘はシーズン終了直前だったので、我々2人の個室にしてくれましたし、ご飯も美味しく最高の滞在でした。シャワーなどはもう使用できなくなっていましたが、ハイシーズンはシャワーも使えるようですしね。しかもサッカー日本代表のW杯予選の試合を消灯の8時半まで見られたのも嬉しかったです。山で日本代表!

翌朝は朝から雨。昨日登っておいて本当に良かったです。素直にそのまま室堂に向かって扇沢側に下山、バスと新幹線で東京に戻りました。戻ったら17時前だったので立山などに寄り道しなくてむしろ良かったです。

ということで、帰省中に日本の山にも行くことができて大満足。
毎年どこかに行きたいですね。

そろそろカナダに帰国、向こうはガッツリ雪が積もっているようですので早速スキー開始です!

3列シートでレッツゴー!
ぐっすり寝れて富山駅から立山へ
観光シーズンだけにここが混んでいた!
それでも無事に室堂着
いよいよ登山開始です
早速きれいなみくりが池
紅葉は折返しはしていましたが、まだまだ綺麗
急登、日差しの中問題なくコルに
ここからは剱岳が綺麗に見えます
意外に近いし天気が良いので、今日行っちゃいましょう!
暗部から1時間弱で剣山荘に
この橋を渡るといよいよ鎖場の連続
ビアフェラータ的な部分
高度感!
岩場が続くが足場はしっかりしている
カニのタテバイ、セフルなしでみなガシガシ登っています
萩の月?的な展望地
萩の月はまんじゅうだな
くだりのハシゴも慎重に
夕食は17時から
豪華なディナー、いただきます!
ワンカップ剱岳で乾杯!
既に酔っている?
最終日は雨。
昨日登っておいてよかったです
大観峰下の大紅葉。めっちゃ綺麗でした
黒部ダムを観光して、今回の旅はフィニッシュ!
かみさんも、お疲れさまでした!!

2019年10月9日水曜日

Vol.193 日高山脈 ソエマツ岳

こんにちは。星野です。北海道もようやく寒くなり、季節がまた移り変わろうとしています。僕はと言うと、夏の仕事が終了し、暫くは自分の時間を過ごせそうです。

今回は今年の夏に行った沢を紹介したいと思います。
登ったのはヌビナイ川右股沢ソエマツ岳南東面直登沢と言う沢で、日高一美しいと言われる通称七ツ釜がある沢です。

ホリエモンのロケット開発でも有名な大樹町から昭徳林道を車で進み、車両通行止めのゲート付近に駐車。暫くは林道や広い河原をダラダラ歩く。


暫く歩くと下二股。ここから渓相が一変。険悪なムードになります。うゎ~始まった~って感じです。


いきなりの腰から胸位の深さがあるゴルジュからの、落ちたら終わりな滝の側壁を登りました。このゴルジュは手前から高巻く事も出来ます。



その先も沢に入ったり、へつったり高巻いたり。写真を取るのを忘れたのですが、一か所高度感のある高巻があります。高度があるし、滑りそうなので僕達はロープを出しました。帰りは寒さでガタガタ震える手を押さえつけ、その高巻をトラバースするのはかなり緊張しました。何ヶ所か残置ハーケン、ボルトがあります。


そして現れる七ツ釜。エメラルドブルーの釜が続いています。この景色は一見価値あり。もともと雪崩などによる大量の流木で荒れていた七ツ釜でしたが、2016年の台風で流木が一掃されかつての美しい渓相が復活したそうです。いつかはまた流木が溜まってしまうのでしょう。


1日目のキャンプ地は上二股。食事はすべて焚火で作りました。と言ってもご飯炊いて焼き肉しただけで、メニューは2日間とも一緒。メニュー考えるの面倒くさいですからね。。。



2日目はロープを出す箇所は無かったものの、それなりの高度感がある滝もいくつかあり気は抜けません。最後は藪漕ぎも無く頂上直下の稜線へ出ます。山頂には「山」の一文字。確かに山ですね。ソエマツ岳は日高山脈の奥深くにあり、夏道も無いことから北海道の中でも登るのが難しい山の1つです。日高の山の奥深さを改めて感じた山行になりました。



そして帰りは「投げます」「飛びます」「飛び込みます!」!!


時には「滑ります!」。沢の楽園を楽しみ過ぎて、低体温症寸前。体ガタガタガタガタ。。。。低体温症ダイエットです。2日目の夜は3人で米5合が無くなりました。ダイエット効果なし。

ここで忘れてはいけないのが、家族へのお土産です。自分だけ遊んで何も無しで帰る訳にはいきません。今回は天然のエゾシカの角2本セット。裏側には顎の骨(歯付き)もついてます。沢山のお土産と、沢山の思い出を持って下山しました。

最後に、先日雌阿寒岳に登った時に改めて山頂からの眺めが良いと思ったので写真を1枚載せます。雌阿寒岳はゆ~っくり歩いても3時間あれば頂上に着ける山ですが、頂上からの景色は北海道のどの山より僕は好きです。どこまでも続く原始の森。地球のパワーを感じる噴煙。そして火口の中にある、まん丸い神秘的な色をした青沼。北海道の雄大で広い大地をダイレクトに感じられる景色です。そしてここは、北海道の先住民、アイヌ民族の伝説が沢山残っている土地でもあります。なんだか不思議の国に行った様な感覚になれますので、北海道を訪れた時には是非一度登ってみて下さい。絶対天気が良い日に!