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いつも眺めているテンピークスも角度が違えば新鮮 |
こんにちは。山田トシです。7月はアルパインガイド試験のためのコースと仕事で3日しか休みが無く、いつの間にか慌ただしく時間が過ぎていました。春から自分のクライミングは二の次にしてガイドトレーニングに励んでいました。が実際にコースを受け、まだ自分にはロッキーでアルパインガイドになるには経験が足らないことを痛感しました(色々と足りない部分はありましたが、特に氷河に対する項目と複数の危険要素を総合的に判断、マネージメントする項目)。今シーズンに試験を受けることも可能だったかもしれません。でも今年は焦らず、ロックガイドの経験を積むことそして来年に向けてコースで学んだことを自分のものにしていく年とすることにしました。
いつも通り前置きが長くなりました(笑)すみません。今回はロッキーの名峰シリーズということで、テンピークス(モレーンレイクにある10の峰々)の1番手マウントフェイをご紹介します。トレーニングや試験ではロッキーの名峰かつクラシックなルートが目標となります。実際にお客さんが行きたいのもこのような山々なので理にかなっています。
クライミング志向の私は今までそのような山を登った経験は数えるほどしかなく、氷河登山、クライミング、大きな山のルートファインディングなど山の総合力が必要で充実感を得ることができました。それが快適な夏の時期にアプローチも至近で体験できるロッキーの環境に驚きました。スポーツ的なクライミングだけではなく、アルパインクライミングの対象としてもロッキーを訪れて欲しいという気持ちを込め、今回のテーマにしてみました。
※本記事は個人で登る人のために書いています。体力はあるけど技術に不安がある方はガイドを雇ってチャレンジして下さいね。
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一般的なPerrenルート。星は駐車場、小屋マークはNeil colgan Hut |
写真の時は日帰り登山でしたが、小屋に泊まって1泊2日もしくは2泊3日の行程が一般的です。駐車場から頂上までは片道7キロ弱、標高差は1350mです。
小屋までのルートはPerrenとSchiesserがあります。後者は簡単だが落石の危険が高いので避けた方がいいですね。小屋を起点にテンピークスの複数の山に登頂することも可能です。
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モレーン湖から見るマウントフェイ(中央氷河のついた山) |
写真では近くて小さく見えるが、実際は遠くてデカいロッキーあるあるです。
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観光客で賑わうモレーン湖も反対側には誰もいない |
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氷河の爪跡であるモレーンから登山がスタートする |
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岩場を越え、氷河を目指す |
大きな山ならではのルートファインディング技術も必要な技術の一つです。どの山でもそうですが、正規ルートに沿って行かないと落石の危険が増えます。特に岩が脆いロッキーでは一層注意が必要です。また、突然崖が出てきて進めないということもしばしばあります。しっかり事前にガイドブックを読み込んで行って下さい。色々な山に登って経験を積むことが大事だと私もインストラクターに言われました。
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テンピークス 第三の山 マウントボウレン(3072m) |
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背後にはレイクルイーズの名峰 マウントテンプル(3540m)
そして
ハイキングで有名なラーチバレーが広がる |
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Parrenルートの核心部 |
この岩峰には珍しく鎖が設置されていますが、ロッキーの山では基本的に人工物(梯子や鎖など)がないのでクライミング技術も必要不可欠になります。当時を彷彿とさせる登山靴でのクライミングも今となっては新鮮です。下りはアンカーボルトから懸垂下降になります。
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高度感満点のトラバースピッチ |
こんなとこ行くのかよと思わず思ってしまいます。ロッキーならではの素晴らしい高度感を体験できます。眼下には美しいモレーンレイク一望することができます。
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岩場の核心を終え、氷河歩行に入る |
日本では得られない氷河の経験をここでは簡単に積むことができます。この環境を生かして技術を確実なものにしていきたいですね。
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フェイ氷河。氷河を超え雪の斜面を登り稜線を目指す。 |
比較的安定しているフェイ氷河は最初の氷河登山にはもってこいの山だと思います。事前にクレバスレスキューを学んでから来て下さい。
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天候が急変し、頂上は踏めず。それもまた登山 |
夏のロッキーで一番注意が必要なのは雷です。稜線では人工物も無く、逃げ道もないです。山ではいつも謙虚にしっかりとした判断が重要なのは世界共通です。この時は稜線まで上がるも登頂は断念しました。この先の景色はご自身の目で見て下さい!!
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アルパインクライミングのバイブル
左が旧(絶版)、右が新(絶賛発売中) |
フェイは勿論、ロッキーの名峰を登るにはこれらの本を参考に是非チャレンジして下さい。
・必要な共同装備※一般ルート(Parrenルート経由West Ridge)の場合
ロックギア1セット(キャメロット.4~2番、ナッツ少々)
アイススクリュー数本(主にクレバスレスキュー用)
スノーバー2本
クイックドロー数本
60mシングルロープ 1本
・小屋情報
テントマット、ガス類、食器類完備
食料、寝袋のみ持参
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