チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2018年10月2日火曜日

Vol .143 山について僕が思うこと、(クライミングギアとそれに付随する知識、技術 編)

ご無沙汰してます。谷です。
夏のシーズンも終わり、これから秋のクライミングシーズンですね。カナダはもう冬の様相ですが(涙)さてクライミングシーズンということで今回はクライミングギアの強度に対して、僕たちクライマーがどのような技術使った方がいいのか掘り下げてみたいと思います。色々調べてみると面白いですよね、クライミングは理論的にも。インドアなら基本理解しなくていいものも、外に行く場合、特マルチピッチ以上の登山をする場合、こういう知識はしっかり勉強しておいた方が損はないです。まあわからない場合はぜひ僕に講習頼んでいただいてもいいですよ!


クライミングのカラビナやスリングはなぜ22〜24KNなのか?これは人間の骨盤が破壊されるのが11KNだと言われているので(第1次世界大戦で空挺部隊のハーネスを作成するときに出た指標、ちなみに1KNは大体100kgと考えましょう。厳密には違いますが。)
その2倍の強度を目指しているというところです。なのでどのクライミングギアもマージンを取って22KN前後です。わかりやすいですよね。
ではなぜ2倍か?墜落した場合、支点には2倍の荷重がかかるためですね。
これはみなさんわかりますよね。リードビレイというのはカウンターバランスを使ってるので、
落ちた場合、ビレイヤーの体重も支点にかかるわけです。
そうすると、クライマーに骨盤が折れるほどの荷重(11KN)がかかった場合、ビレイヤー及びロープなど反対側のシステム全てに11KNかかってクライマーの衝撃荷重を止めることになるので、クイックドローなどの支点には22KNかかるわけですね。ランナーが全て吹っ飛んだ場合、アンカーにこの衝撃がかかる可能性がある。なのでアンカーも22KN。
ちなみにこの考え方は、テンションする時も役に立ちます。普通にダメなプロテクション、特にアイスなど
スクリューが良くない場合はフィフィなどでぶら下がった方が、自分の体重のみが支点にかかりますが、テンションしてしまうとビレイヤーの体重もかかることになるので支点が吹っ飛ぶ可能性が高くなります。
なのでアルパインやアイスなどは自分でカラビナやフックを使ってぶら下がるのが賢明ですね。




図で見るとわかりやすい。
リードビレイのシステムでは単純に60kgの人を止めようと思うと60kgの何かが必要なんですね。
ロープやカラビナの摩擦があるので吸収されてビレイヤーにかかる荷重は軽減されるのですが、支点にはクライマーの衝撃の約2倍かかると考えてくれればわかりやすいです。(ちなみに日本だとプリー効果という名前で支点にはで1.7倍かかるはず)

カラビナに数字があるのご存知?この写真でいうと横向き25KN、縦向き10KN
ゲート開き7KN。これ見てわかるようにカラビナの向きにも注意が必要。
なのでトップロープなどの常時チェックできない、向きを直せない場合はカラビナ二個。
そして向きを治せる手に届くところにある場合、ビレイループなど安全環一個で僕たちビレイしてるわけです。
いつでもロックカラビナ二個というわけではないですよね。ちゃんと理由があるのです。

あとアンカーにいっぱいカムとか使う人いますが、経験則だけでなく、この22KNという数字を目指して作ってるんですね。C4の大きなカムなら14KNありますが、小さなカムになれば8KNと強度は落ちます。
またナッツにもちゃんと書いてあるのでその数字を元にアンカーを作成しましょう。
つまり、ちゃんとセットできた場合、大きなカムはいい!!小さなカムは、もう一個またはナッツやハーケンも必要ってことになるわけです。
ちなみにアイススクリューはいい氷の場合一本約10KNです。
氷の質、日射などによっても変わるので、アンカーには3本オススメします。


ルベルソーなどで支点ビレイする場合はカウンターバランスを使いませんので、より小さな荷重しかかかりません。これはすごくいいことですね。支点に優しいわけです。
これは技術によって支点にかかる荷重が減らせるいい例です。
あと、カナダのガイド業界ではリードのビレイも支点ビレイに切り替わってます。
ビックフォールが予想される場合。ムンターで支点ビレイした方が、ビレイヤーへの衝撃がない上、ブレーキハンドを離す確率が少ない、つまりガイドが死なないということですね。

またカナダ山岳ガイド協会では、アンカーは20〜25KNのものを作ることを徹底してます。
理由は上記の通りですね。それ以上のものを作っても人間の骨盤が折れて内臓が潰れ死んじゃうのでカムが六個やボルトが4つのアンカーなんていらないということです。時間の無駄ですね。

ちゃんとした数字を目指せば、感覚ではなく、安全なプロテンクションやアンカーを作ることができます。
しかもギアも減らせて軽い荷物で登頂なんてことにもなるわけです。
プロテクションの数字を見てちゃんとした理由でアンカーを構築できればいうことないですよね。



さて次はスリングやシュリンゲ(こっちだとコードレット)に行きましょう。
ペツルのページを使わせていただきました。
これで見ると日本語でいうと左から6.5mmシュリンゲ、ナイロンスリング、ダイニーマ、ケブラーになります。
ケミカルとかお値段とか省きます。
最初の図で重要なのは伸び率。
ダイニーマとケブラーは全く伸びません。なのでこれで少しでも落ちた場合、非常に危険です。これでセルフとって数十センチ落ちた場合、骨折るかアンカーが崩壊する可能性ありです。
フォールファクター(墜落係数)については今回は触れませんが、伸びないギアを使うことで危険度が高まるシチュエーションがあると考えましょう。
ちなみにナイロンスリングは伸びるんで衝撃荷重がかかった場合強いですね。
勿論シュリンゲはロープと一緒ですので伸縮性が高く、衝撃を吸収してくれます。
僕たちはセルフをロープでとるのはギアを少なくできるからもありますが、最悪のケースの時、
アンカーへの衝撃を減らすためにロープにクローブヒッチでセルフとってるんですね。
なので、どうしてもロープ以外でセルフとりたいという場合ダイニーマより、コネクトアジャストなどいいということです。
さて次に進みます。


この項目で重要なのは熱、そしてエッジ(岩角)に強いかどうかですね。
クライミングで考えられる熱は勿論、摩擦熱。プルージック、クレイムハイストなどフリクションヒッチを
使う場合、レスキューや懸垂のバックアップなど、ダイニーマがいかにダメか出てます。
147度で溶け出すので非常に危険です。
自己脱出の時も使うのは気をつけましょう。プルージックが滑った場合、溶ける可能性がかなりあるということです。
あとエッジですね。落石や岩角に擦れて切れる可能性はシュリンゲはすごい弱いです。ナイロンスリングも弱いですね。パンパンに荷重をかけた状態で懸垂の支点にぶら下がってる時など、上から鋭利な石が落ちてきたら一瞬で切れて、はいさよならです。
じゃあさっき言ってたダイニーマは伸びないからダメって言ってたじゃんって話ですが、ルートによって変わるわけです。例えばアイスクライミングのルートで落石がないとかならシュリンゲがよく、落石が多そうなラペルならダイニーマがいいということになります。重要なのはどのギアがいいというわけでなく、強度や用途を理解して状況に応じたものを選択する、これすなわち技術ですよね。今日のテーマです。

なのでダイニーマは伸びない、カットに強い、そして熱に弱い。
ナイロンスリングは少し伸びる、カットに弱い、熱にはまあまあ強い。
シュリンゲは伸びる、カットにめっちゃ弱い、熱にまあまあ強い。
ケブラーは全く伸びない、カットに強い、熱にも強い。
という結果。

ビジュアルで見たい人はこちらをクリック⇩
DMMのスリングテスト動画

あとスリング類についてもう一つ。
ノット(結び)を作ることによって最低でも30%の強度が減少します。ひどいものは50%。
なので固定分散を作る時どれくらいの強度が失われるか考えておきましょう。
せっかくカムやボルトで20KN以上のものを作ってもスリング類のノットの作り方で
弱いアンカーになってしまう可能性があるからです。

ちなみにガイドはこれらのこと全て考えて、技術を投入してるんですよ。
試験でもこういう理論が常に質問されます。なんでここダイニーマ使ったのって?なんでここにノット作ったのって?なのでガイドはクライミングの上手い人がなるのではなく、クライミングの安全理論がしっかりしてる人がなるんですね。僕たちはロープ職人。

ガイドについてはこちらをクリック⇩
山について僕が思うこと、山岳ガイド編

さてこれで今回は最後、経年劣化。こっちでいうライフタイムです。
以下メーカーに表示されていたものを載せておきます。
こういうことを知っておけば、その場にあったギアやスリングを使い
その場にあった結び方やビレイの方法を使い、安全かつ、楽しく登ることができるわけですね。

耐用年数
この製品の耐用年数は、主に使用の頻 度や状況、その他の外的要素に影響さ れます。
合 成 繊 維 ( ポ リ ア ミド 、 ポ リ エ ス テ ル 、 ダイニーマ)製の製品は、たとえ未使 用でも経年劣化は避けられません。 経 年劣化は、紫外線やその他の環境要因 によって起こります。

最長耐用年数:
未使用かつ適切な状態で保管された場 合(「保管」の箇所を参照)10 年
使用頻度が低い場合:
使用頻度が低く、また保管や使用方法 が正しく、目立った消耗箇所が無い場合 6年
使用頻度が高い、または過酷な状況
で使用する場合:
墜落(落下率< 1)回数が多い場合、 懸垂下降やトップロープでよく使う場合、 砂などの粒子が入った場合、磨耗が激 しい場合(岩角との接触等)は、ロー プが著しく消耗し、寿命を数週間程度に 短くしてしまう場合があります。

さてこれで今回の考察は終わりです。
まだまだ網羅したりませんね、マニアックな課題ですから。
しかしこれで怖いのがC4ウルトラライト買ったのはいいけど、中のワイヤーがダイニーマになって軽量化されてるんで10年しか使えんってことやん。あんなに高かったのに。となるわけです。

オチがついたところでまた次回。


2018年10月1日月曜日

Back number Vol. 132 Climbing Trip in Japan

This story was written by Bob.
Translated by Yumiko Mori

Recently I got a chance to go back to Japan and spent a month.

Not being in Japan during the last three summers made me to be oblivious of how humid and hot it is during this season... Yet I am already in Japan and decided to get the most out of this opportunity...So I tried to squeeze climbing time in between and catching up with friends and indulging myself with Japanese food.

Aichi Pref Toyota city Hourai
Type ::Tuff
Access:https://www.climbing-net.com/iwaba_detail/%E9%B3%B3%E6%9D%A5/
Can be very busy during the weekedns but on weekdays you might be the only one in this area.
Avoid sunnyside but some routes in the shades provide you comfortable climbing.
I will talk about one of the signature routes called "THC" of this area at another time.

Gifu Pref Ena city Mt. Kasagi
Type:Tuff
Access:https://www.climbing-net.com/iwaba_detail/%E7%AC%A0%E7%BD%AE%E5%B1%B1/
This area also consists of tuff but also has a little hint of granite. Personally I like this area and various holds on the routes challenge you with unique moves to complete the projects.
This place was close to my place before I left Japan so all the memories came back and quite enjoyed my progress and time of reflection.
This area is higher in altitude than other climbing areas so gives you nice soothing breeze.


Yamaguchi Pref  Kameyama South
Type:Similar to Granite
Access:https://www.climbing-net.com/iwaba_detail/%E9%99%B6%E3%83%B6%E5%B2%B3/
The climbing area arround Tougatake is well known among the locals for many years. This area offered about 50 routes which was surprisingly large number in consideration of its small size.  However after the incidents of someone created holds along the most existing routes, it lost popularity.

This time my friend took me to the lead route in the southmost area of the Kameyama.

Technically this area is known for winter rock climbing so you can definitely enjoy slippery, humid and sweaty climing in the morning like I did. But luckily we were able to  continue to climb in the shades in the afternoon with much more better conditions.

Somehow this area reminded me of Kasagi (Gifu Pre) See the info above and became one of my favorite areas.
Near this place there are bouldering areas established by popular Japanese climber like Kazumasa Yoshida so it definitely worths to check out. On my way home we made a trip to the nearby hotsprings and 300g Steak.




Hokkaido Niseko 

Although we really wanted to go climbing, it was continuouslly raining all the time.
So we decided to visit the local families private climbing garage. To be honest, even though it was just for the family use but the quality was exceptional!!!!

Gozenmae Saitama
Type:Limestones
Access(#32):http://www.asahi-net.or.jp/~ca7s-kbys/area2/okumusashi1.html

It's the same type of the rocks as the Rockies in Canada but the unique formation of the rocks allowed us to enjoy diffrent kind of holds. This area is also for the winter rock climbing but depends on the area and weather we can still get to enjoy.
Note: This area has been closed for 30 years and recently reopened so please make sure to follow the rules below.
①Registration form(500yen、Need to fill out the years of experience and max grade)
②Don't forget to purchase 500yen drink as a way to pay parking fee

Yamanashi Pref   Mizugaki   Kamesari Creek
Type:Granite
Access:https://www.climbing-net.com/iwaba_detail/%E7%91%9E%E7%89%86%E5%B1%B1/

Even though all the drinking and eating while meeting up with my old friends made my body feel as heavy as an iron, but the quality time spent with friends definitely worth the feeling.


Main purpose of the visit to Japan for this time wasn't for the climbing but ended up getting to visit new or old places and tried various routes in Japan. Overall it was full of climbing during my stay.

2016 Mt.Waddington
   Enjoy Summer!!

2018年9月27日木曜日

Vol.142 東京から利尻島までのロードトリップ~2千キロ分の排ガスとジョン・ラスキンの名言~

前回の投稿から早くも6週間が経過し、ブログ当番が回ってきました。通勤電車で必死にスマホを叩きながら、この駄文を捻り出しているカネイワです。本来であれば下手なりにクライミングを頑張ってるアピールをすべきところ、指を怪我してしまいここ一ヶ月全く登れていませんので、今回は直近に行った旅の話をしたいと思います。


足袋前半の見どころである仏が浦の奇岩群

旅の目的はシンプルに「実家に帰ること」で、私の実家は北海道の小樽市というところにあります。かつては北海道開拓の玄関口として栄えた港町ですが、近年は人口が減少し、全国平均よりも早いペースで高齢化が進んでいます。様々な理由で故郷に残る人、故郷を離れる人がいますが、私の場合は後者でした。寂れゆく街の一部として自分が廃れていくような気がして怖かったこと、何より「広い世界を見たい」「どこかに理想郷があるはず」という夢見がちな若者であったこと、などが理由ではなかったかと思います。


津軽海峡の夕陽

そんな感傷はさておき、今回はそれに「家族旅行」という目的が加わり、小樽から利尻島を往復することになりました。最初は飛行機で新千歳空港入りすることも考えたのですが、コストが高く、現地で車を使えないデメリットがあったため、最終的にはコストが低い大間(下北半島)・函館間のフェリーを使用し、道中に東北観光や登山を含めます。往復はさすがにしんどいので、帰りは小樽・新潟間のフェリーを利用することにしました。車での移動は短く見積もっても2千キロを超えます。期間は2つの3連休をつないで10日間を確保しました。


場所の旅も乙かもしれない(小岩井農場の馬車鉄道)

「あらゆる旅は、その速さに比例してつまらなくなる」と言った人がいるようですが、私も概ねそのように感じています。そういう意味では徒歩や人力での縦断や横断というのが旅を充実させるためにはベスト、ということになりそうですが、私はこれまで一度もこのような試みをしたことがありません。つまり、「徒歩による日本縦断」や「人力による百名山」のような試みです。「移動」を目的地に着くための「手段」として捉え、目的の一部として捉えていなかったからだと思います。


登山は取付きまでは歩かなくてもいい?

以前、中学の英語の教科書(「Sunshine」でした)で英国人が、クミちゃんをロンドンの空港(ヒースローだと思う)で出迎えたタイミングで「How was your travel?」みたいなことを尋ねているのを読んで混乱したことがあります。「飛行機での移動なんて『travel』じゃねぇよ!本当の『travel』はこれから始まるんじゃ!」と思っていました。もちろん、クミちゃんは表面的な笑顔を取り繕いながら「This is an egg」的な文法的に正しい返事をしていましたが、心の底では私と同じことを思っていたことでしょう。

お祭り会場じゃなくても大迫力(ねぶたの家 ワ・ラッセ)

移動の速度や手段が旅の充実度にどう影響するのか、という問題は一旦横に置いて、この旅に求められたものの話をします。第一に家族の思い出作り
であり、また同時に旅の過程で家族の構成メンバーが個々の欲求を満たすことでした。それは私にとっては山と未だ見ぬ景色、妻にとってはねぶた祭り(でっかいハリボテ)とローカルフード、2歳の息子にとっては電車(乗り物)でした。家庭と山の両立というのが、私にとっては引き続き切実なテーマとなっております。


合体を待つ新幹線「はやぶさ」。新幹線の旅もものすごく速いだろう。

初日は深夜のうちに出発し、東北自動車道をひたすら北上。行ったことのある仙台や時間のかかりそうな平泉などは割り切って寄らないことにし、いきなり盛岡まで走りました。ここまでの道のりはほとんど記憶にないので、そこそこのスピードで旅を楽しんでいた(つまらなくなしていた)ことがわかります。ここでは「ソウルフード」と呼ばれる?福田パンのコッペパンを食し、盛岡駅で息子の愛する「はやぶさ」と「こまち」の合体を見学し、八幡平へ向かいました。


息子が「うみ!」と言って憚らなかった八幡沼

岩手と青森はほぼ初めて来る場所なので、寄れる場所にはできるだけ寄っておこうと、いくつかの百名山を旅のプランに忍ばせておきました。八幡平はおそらく百名山の中でも最もピークまでの距離が近く、標高差も無い山なので、夕方に駐車場を出て、子供をベビーキャリアに載せた状態で一時間で回ることができました。


広大な八幡平の森

深田さんは「八幡平の真価は、やはり高原逍遥にあるだろう」と書いていましたが、短い歩きの中でも湿地の美しさは際立っていました。また、「こういう地形は当然スキーには好適」とも書いておられましたが、個人的には斜度が無く滑りの楽しみが少なさそうに見受けられました。とはいえ、道路の除雪前であれば、人の少ない広大な原始の山になるはずなので、道路の除雪前に何日かかけてするスキーツアーなら楽しめそうにも思えました。

初日の宿。子供は好奇心旺盛なので常に注意が必要。

ハイキングの後は安比高原に移動し、冬ならスキー宿と呼べそうな個人経営の宿に泊まりました。宿泊は一人なら車で済ませたいのですが、家族旅行ともなるとそういう訳にもいかず、子供も一緒に寝れる部屋(できれば和室)で息子がおむつに「大」をしても即処理できるバス/トイレがある部屋を選ぶように心がけました。あとは、できるだけ安いことが条件です。

秋田犬ならぬ「あおもり犬」は奈良美智の作。

二日目は下道で北上しながら鉄道関連施設と美術館、そしてねぶた祭りで使われたハリボテを展示している場所へ行きました。妻は以前からこれが見たかったそうなので、1つの欲求が解消され、そしてこれでねぶた祭りには行かなくてよくなったので、一石二鳥です。私は人が集まる場所が何より苦手で、祭りなどの類はできるだけ避けたいのです。夏の暑い日に人が密集する場所に行くなどというのは、私には耐えられません。この日は早く寝て、三日目の早朝に妻子のいる宿を抜け出し、一路酸ヶ湯を目指しました。

八甲田山の湿原は聞きしに勝る美しさでした

八甲田大岳は子供を背負って行くにはやや長かったため一人で行くことにし、酸ヶ湯を起点に大岳を周回して約2時間。早朝の湿地が素晴らしく爽快で、ここも改めて訪れたい山となりました。岩手山、岩木山もいつかは行きたいのですが、どちらかというと斜度があって滑りも楽しめそうなので、冬の楽しみとしてとっておくことにしました。

恐山は快晴

早朝の登山を終え、再び青森市内の宿に戻ってもまだ朝です。ここまでで走行距離約800km。ガソリンが高止まりしているのがボディブローのように効いてきましたが、走り続けます。この日は鉄道関連施設として下北交通 大畑出張所へ行き、弘前でナポレオンなるものを食し、スピリチャルスポットとして憧れの恐山へ。今回はイタコのテントも無いし、ド快晴で地獄的な雰囲気が皆無の純粋な天国スポットでしたので、濃霧で視界がほとんどないときに、いつかイタコを訪ねたいと思います。また、登れるんじゃないの?と思っていた仏が浦の針峰たちは触ってみるとガビガビのモロモロでした。

一見登れそうな?仏が浦の奇岩群

最後に宿泊する民宿の近くでマグロとウニを頂いて床に就きました。下北半島は初めてでしたが、メジャーな観光スポットはある程度回れたように思います。あとは縫道石山でのクライミングをいつかやってみたいですね。ここまででだいたい半分の千キロとなりましたので、津軽海峡を渡るのは次回にしたいと思います。


ちょっと色は悪いですが、ミョウバンを使用しないそのままのウニ。

続きがあれば、またお付き合いください。

2018年9月19日水曜日

Vol.141 極北のユーコン クライミングレポート


フィッシュレイク 満開の紅葉


 皆様こんにちは。今回は極北のユーコンから山田トシが担当します。今年の夏はあまり仕事をせずに、ガイドトレーニングと称して山のクラシックルートに出かけたり、スポーツクライミングに打ち込んでいました。プロジェクトが登れ、そしてまた新しいプロジェクトを見つける。やってることは学生の時と変わってない。でも山やクライミングの経験値だけは着実に増えている。そしてこれからもこのライフスタイルだけは貫きたい!と強く思いました。

 そんな楽しかったロッキーの夏は過ぎ、今回は私の住むカナディアンロッキーから更に北西約2200キロ離れたユーコン準州の州都ホワイトホース周辺でのクライミングをご紹介したいと思います。以前から私の所属しているヤムナスカに「ユーコンへ行きたい」という要望を出しており、それがようやく今年叶いました。ガイド業の愉しみの一つは自分の行きたい所へ仕事で行けること。お客さんに満足して頂くにはまず自分からというのが私のモットーであります。ユーコンはオーロラ、紅葉でこの時期沢山のお客さんで賑わいます。残念ながらクライマーはいませんね。しかし「岩場はあるよ」という現地の友人Kくんにガイドをお願いし、2日しかない休みで3日?クライミングに出かけることができました。足を痛めていたにも関わらず付き合ってくれてありがとう!!

のんびりしたユーコンらしく駐車場もこんな緩い感じ

 最近開拓されたばかりの「アクロポリス」というエリア。スコーミッシュのスモークブラフを彷彿とさせる住宅街の裏が岩場という素晴らしいロケーション。

踏み後はしっかり

秋のユーコンの紅葉もロッキーと同じように美しい。ポプラの黄色が綺麗でした。

ユーコナー(ユーコン人)のしっかりした整備に感謝

ホームゲレンデの豊田や瑞浪のようなシチュエーション

 岩質はほとんどのエリアが花崗岩のようです。スコーミッシュといいワディントンといいカナダ西海岸のエリアは花崗岩地帯なのですかね?この岩場車で10分、アプローチは5分。岩の高さは大体12m~20mくらいで5.8~5.12aまで10本程度のルートがある。クラックも数本あり、短いながら花崗岩ならではのデリケートでカチッとしたクライミングが楽しめる。ロッキーに来てから花崗岩のフリーを楽しんだのは3年以上ぶり。テンションもアゲアゲでした。12aも登りましたが、友人曰くトライしているのを見たのは2人目だそうです。頑張れユーコナー!!

ロワーロックガーデンの看板ルートCrucifix
真ん中に走るクラックからダイレクトにフェースを登る11aの三ツ星ライン。

 こちらは別のロックガーデンというエリア。ホワイトホースから一番近いエリアで街から車で5分、アプローチ5分のザ・ゲレンデ。夏の時期は毎週水曜日?か木曜日?にアルパインクラブカナダ・ユーコン支部が主催するクライミングナイトを開催し、みんなで集まってワイワイクライミングをするよう。
カムが無いのでトップロープでしたが、際どいクライミングでした。普段石灰岩しか登ってないと細かいエッジングは慣れが要りますね。

アッパーロックガーデン

 こちらはユーコン最難の「Yesterday's Enterprise 12c」があるエリア。それはやらずに見た目からのっぺりと連れなさそうな隣の「Pin Heads from space 11b」にトライしましたが、出だしの数手が強烈に難しくトップアウトするのが精一杯でした。登った12aより数段難しい。

ホワイトホースの地ビール「Yukon Brewing」の限定ビール
とユーコン唯一のガイドブック
登った後はその地のビールを飲むのがカナダ流。
ユーコンのクライミング情報はこちらから

極北のパタゴニア

 ホワイトホースから550キロ北にあるトゥームストーン準州立公園に存在する岩峰「モノリス」。極北のパタゴニアと言われるエリアです。有名でもなく、クライマーはほぼ皆無のエリア。可能性は未知数。いつかあの岩峰にラインを引いてみたい。
 
 是非ユーコンに行く機会があれば、持ち物リストに「クライミングギア一式」を追加し、手つかずの大自然でクライミングを楽しんではいかかでしょうか。


赤く染まるツンドラの大自然 トゥームストーン準州立公園 

告知
10月19日金曜日 名古屋にてリンクアップスライドショー開催します。
カナダの山に興味のある方は是非参加してください。詳細はこちらからどうぞ


2018年9月13日木曜日

Link-up スライドショーのお知らせ



スライドショー
「カナダの山、日本の山」
~仕事、家庭、時間、三者三様の自然との向き合い方~
主催: link∞up
 協力:朝日陽子

カナディアンロッキーでロックガイドをしながら自身のクライミングを楽しむ山田。東京で会社員として働きながら育児と山スキーに奮闘する兼岩。地元富山でぶどう農家を生活の糧とし、夏はカヌー、冬はテレマークスキーと自然をこよなく愛する劔村。一見交わることのなさそうな三人が、カナダと日本、それぞれの立場と経験を通じて、どのように自然と向き合っているのか、最近の山行報告も交えたスライドショーを行います。
カナディアンロッキーでの生活やアウトドアについて興味がある方、情報が欲しい方、大歓迎です。

日 時: 2018年10月19日(金) 19:00~20:30(開場18:30)
場 所: 愛知県産業労働センター(ウインクあいち)10階、1006
   名古屋市中村区名駅4-4-38 名古屋駅から徒歩5分
定 員: 54名
参加費: 1,000円
申込方法: 定員に達したため、締め切りました
※お支払は当日現金で承ります。ご不明な点等、申込後のキャンセル等ございましたら、お手数ですがメールにてお問合せください:8linkup@gmail.com

Link-upとは
チーム「Link∞UP」は日本と北米の愉快で有益なマウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。その生活を「一生懸命楽しんでいる人達」のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。日本や北米でのマウンテンライフについて、雑誌、ブログ等で情報発信をしています。

Facebool: https://www.facebook.com/8linkup/
ブログ: https://8linkup.blogspot.com/

スピーカー



山田 利行
「カナダの山へ登る ~ロッキーでのアルパインクライミング~」

南山大学山岳部で山を覚える。北米のクライミング文化と広大な自然に憧れ、2014年にカナダへ。アルパインクライミングが一番のお気に入り。カナダ山岳協会認定ロッククライミングガイド。ミレーサポートクライマー。カルガリー在住。Link-upの発起人。



兼岩一毅
「カナダで山を学ぶ ~落ちこぼれて山スキー~」

北海道生まれ。2011年に夏の富士山に登ってから本格的に登山を始める。2013年にカナダ・キャンモア滞在を経て帰国。現在は東京郊外をベースに、冬は山スキー、それ以外も広く浅く遊んでいる。会社員として育児と山との両立に格闘中。



劔村 裕規 
「カナダの自然で遊ぶ ~夢のカナダと百姓見習いの今~」

大学生の時に移動手段としてのクライミング、カヤックに出会い没頭。2012年、妻と2人でカナダへ。夏をロッキーで過ごし、ハイキングとテレマークを満喫。現在は故郷の富山でぶどう農家を目指し、林業、農業を学んでいる。


2018年9月12日水曜日

Vol.140 州立公園での遊び

こんにちは、富山県から劔村がお送りします。

今回は以前訪れたアルゴンキン州立公園(Algonquin Provincial Park)を紹介します。
場所はカナダ東部、首都オタワやトロントといった大都市からの距離も近くツアーも多く組まれている公園です。


広大な森の中に湖沼が点在するこの公園は、ロッキーのような荒々しい自然とは景色が異なり緩やかな森がどこまでも続いています。夏にはキャンプ、カヌー、ハイキング、サイクリングなど、冬にはスノーモービル、スノーシューハイキングなどを楽しむことができます。


訪れたのは9月中旬で場所によってはメープルが紅葉し始めていました。
とても過ごしやすい気候で昼間は涼しく、日が暮れると肌寒くなるので薄手のダウンがあると快適です。
訪れた目的はハイキングとカヌー、テントがなかったのでオートキャンプでした。



公園の規模が大きいことと無数にトレイル、ビジターセンターなどにある展示などがあるため数日間では周りきれないほど見所はたくさんありました。
近隣の都市に住んでいる人たちに、家族や仲間とともに自然の中でのんびりと過ごすための場所として利用されています。

上の写真は、湖沼の周辺を散策できるトレイルです。動物も多く住んでいるので出会うことができるかもしれません、特に池が多いのでビーバーハウスはよく見かけますしビーバーが作ったダムも近くで見ることができます。運がよければビーバーに会えるかもしれません。




今回はオートキャンプでしたが、園内にはキャンプ場は多数あり車で楽しむ方から道無き道をカヌーで行くバックパッキングも可能です。通常のキャンプ場は整備されていて快適です。


旅の目的でもあったカヌー、レンタルもあるので何も持たずに行っても楽しむことができます。ここはその名もカヌーレイクという場所でのんびり湖上散策です。
時期にもよると思いますが、個人的にはとても過ごしよかったのと紅葉が見れるということを考慮すると9月中下旬がいいのかと思います。



カナダのコイン(ルーニー)にも使われているLoonを間近で見ることができますよ。


カナダは国土が広いことと自然が多いので州立公園も規模、数ともに多いです。
気軽に遊びに行ける場所として地元の人たちにも愛されている場所がまだまだたくさんあります。
皆さんも国立公園だけではなく州立公園にも足を運んでみてはいかがでしょう。


2018年9月7日金曜日

Vol.139 冬が始まる前に

どうも、ボブです。
豪雨による洪水、台風、からの地震。
災害だらけの日本で被害に会った友人もいますが、幸いにもみんな無事であったことに安堵しています。関西地方を襲った台風の映像を見ましたが、映画の世界のようで、人が考えた事は現実になり得ると思いました。
どこも復興が間に合ってないと思いますが、早くいつもの生活が戻ることを祈ります。

カナダも今年は昨年に続き山火事による煙が酷く、ロッキーの空は煙に包まれ、周りの山々も煙に隠れてしまい。キャンモアの街は山に囲まれているのを忘れていました。
喉の痛みや咳込む人も増えた気がするので、深刻な被害が出る前に、来年は起きない事を祈りたいですね。

banff fire
ネットから拝借。BC州では今年600ヶ所以上で山火事が起きていた。

7月に二本から戻ってきてからの短い夏、繁忙期のレストランでひたすら寿司を巻いておりました。いかん、夏が終わる。寿司を巻きにカナダ来たんじゃぁない、クライミングをしに来たのだ。


職場の同僚となったエージロー

今年は一つリベンジしときたいルートがあり計画しましたがピンポイントで悪天に捕まり計画倒れとなりました。
そのプランBとして、Yamunaskaの"Yamabushi 5.12d/13a"にトライしてきました。
このルートの核心は5.12d/13aで、他に5.12b,5.12b,5.12b/c,5.12b/c,とハードなピッチが続く計8ピッチ(300m)のマルチピッチで、Will Gaddを中心とした複数のメンバーにより6年?かけグランドアップによって開かれました。
トラッドで行ける程の十分な摂理の無い脆い壁をグランドアップで開拓した彼らのメンタルは凄まじいなぁと感心します。

大きな凹角の右の壁、強点の中の弱点をつくラインがYamabushi(想像ください)

今シーズンはプロジェクトとしてやり始めた12dが2本登れたので、そろそろこういったルートもいけるだろうと思い取り付いてみました。
結果、上までは抜けていないものの、核心のピッチと後半に連続するハードピッチについても手ごたえを感じる事は出来ました。出来れば今年中にワンプッシュフリーで登りきりたいですが、だいぶ寒くなってきたし、先週は風が強く敗退したし、来春かなぁ。。

下りが楽しいと登りも頑張れるのがMTB

ショルダーシーズンに近づき、温かい南にクライミングトリップに出たいですが今年は行けそうにないので、本格的に冬に入るまでの体力作りもかねてMTBを始めました。
近くには整備されたMTBトレイルがたくさんあるのでこれも素晴らしい環境ですね。
寒さに負けず、楽しみたいと思います。
以上、ボブでした。