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2017年11月10日金曜日

Vol.97 寝坊からの寝坊

10月末でカナダワーキングホリデーのVisaが切れ、またたび働けない人間になりました。貯まったお金が冬の終わりまで持つのか微妙に計算が合わない、、どうも、ボブです。

日本ではやっと秋らしい気候になってきた感じでしょうか?ここキャンモアは既に冬。例年より1ヶ月くらい早く冬入りした感じで、日中も-10℃前後で急な変化に今年は体の対応が追い付いておりませんが、先日さっそくトシとアイスクライミングに行って来ました。今回はそんなある日のアイスのお話です。

6時に駐車場で待ち合わせだったので、4時に起床し1時間半のドライブの後合流する予定が5時に起床して5時15分に出発。どう考えても30分は遅刻だと焦って向かうも、Googleの見積もりの半分の時間で到着し、同じく遅れて来たトシと同時くらいに到着。
この日のお目当ては"First Blood"

岩に囲まれた中にある氷が "First Blood

トポ通りの駐車場に着いたが、踏み跡の無い真暗な密林をかき分け向かうのは得策ではないので明るくなる7時まで仮眠するかということになった。妙な金縛りにあいつつ、トシが窓を叩く音で起きると7時40分!ガビーン。。あたりはすっかり明るくなり、17時半から仕事というタイムリミットを考えると目的としていた氷は時間的に厳しいという事になり、ゲレンデに移動しお茶を濁しに行くか~となったが、ちょっと移動し始めた時、道路から見えた氷が妙に魅力的に見えた。
てことで道路から見えたその氷"The Evil"を登りに行くことにした。


ガリー地形に垂れる細めの氷がその氷。。

明瞭な沢沿いを2時間ちょい歩き11時過ぎには到着。ギアを準備し、ジャンケンで勝ったトシから登り始めた。氷は予想以上に脆く、硬く、シーズンはじめと言う事もあり一瞬でパンプして辛そうだ。おまけにスピンドリフトで小さな雪崩が頻発し、あたりが雪煙で覆われ見えなくなることも。


 パンプとスピンドリフトに耐えるトシ

やがてロープが引かれ自分も登っていく。冷え切った体にパンプが重なり、一瞬で指先の感覚は無くなる。我慢して登っているも耐えきれずロープにぶら下がり両腕を上下に振る。しばらくすると指先に温かい血が流れ込み、感覚が蘇って行くと同時に指先に強烈な痛みが走る。こんな痛いScreaming Barfieは始めてだった。

残す氷はあと15m程。次は自分が登る番。傾斜の緩い簡単な氷だが一瞬でパンプし、諦めたくなるがなんとか登り切る。"The Evil"のガイドブックには右にボルトがあるとのことだったが見当たらなかった。氷が終わった後のガリーは雪壁になってて氷も無いし、立ち木も無い。ロックギアを持って来てたが両岸ともツルッとした岩で何も取れない。足元の雪を掘ると苔の生えた下細りのクラックが見つかったのでそこにナッツを決めてビレーする。ふぅ~っ

予想以上に時間がかかり当初降りる予定をしていた14時を大きく過ぎ、既に15時半になっていた。仕事は17時半から。。2回のラッペル後、膝まで積もった雪の斜面を無心で駆け下り、16時半には車に戻り、何とか最終出勤日の出勤時間に間に合い、無事に最終勤務を終える事が出来た。
次の日、夏のバム生活を終え借りた固定式の家に引越したばかりの部屋の片づけと使った道具のメンテ等をしつつ、何も無い休日を満喫していた。ふと携帯を見るとトシから着信が2件。来週のクライミングの話かなと思って電話するとまさかの話だった。
『さっきラファエル(カナダのクライマー)から連絡あったんだけど、今年はThe Evil凍って無かったらしい。だからあれはThe Evil じゃなくて例年は無い氷で、初登らしいよ。笑』
僕らはその氷を『Over slept(寝坊)』と名付けた。

そんな感じでシーズンイン。
今シーズンもセーフティーファーストで楽しんでいきましょう!

以上、ボブでした。

●Gripped Magazineにも掲載して頂きました。



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