チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2018年6月29日金曜日

Vol,129 山について僕が思うこと(テクノロジー)

皆さんこんばんは、谷です。
早いですね。もうブログの順番とは。
毎回、順番が来るたびに胃がキリキリする思いです(笑)
さて今回のお題は山で使う文明の力、すなわちテクノロジーです。
もちろん山にはマナーやルールがあり、持ち込んだものは持って帰る、自然へのインパクトは最小限など、常識的なことは当然みんな知っているとしと思います。
今回は新しく出てくる便利な道具たちについてどこまでが山にとってOKでどれ以上はやりすぎなのか新しい常識について考えてみたいと思います。

山で使うテクノロジーって何って話ですが、例えば
GPS、携帯などを使った衛星を利用した山岳天気予報、ヘリコプターやセスナでの入山、
近年になって使うことが増えてきた機械など、
これ大きくいうと登山やスキーのスタイルにも発展するんですが、(極地法など)
今回はとりあえず人間が生み出せないエネルギー、パワーまたは情報など、
使うことに対して少し考えたいなと思います。

まず、スマホ、GPS、ビーコン、無線、インリーチなどの機械類について考えたいと思います。

ビーコンですが、
まずこれに取って代わるものがありません。
これを持っていかないという選択肢は軽量化(シャベルもプローブも背負いたくないなど)?
もしくは雪崩れたら埋まるというより、滑落して死ぬなど、かなり際どい事をやっている人が持っていかないだけで、(ガイドの立場からはあまりオススメしない)
このテクノロジーを使うのは僕はありかなと考えます。
他人に迷惑かけますしね。探せないので。

次にGPS
これは地図読みができれば、要るか要らないかはかなり悩みます。
でも高度計は使っていいのになんでGPSは駄目なのって議論も変な気がしますね。
地図読みには高度計必須ですし、かなりの距離を歩くスキー縦走だとGPSは確実に必要な気もします。ホワイトアウトの時が特にですね。
ただバッテリーが切れた時のことを考えて、地図、コンパスは持って行くべきでしょう。
もちろん使える知識とともに。
スマホ便利ですね。いい地図ソフトがびっしり

余計な重みだという話もありましたが、近年スマホやGPS付きの腕時計などあるので
これは理由にはなりませんね。
あとログを取るにも便利ですしね。
ただ、これもログブックにメモを取りなさいって人もいるので答えは出ず。
あともう一つよく耳にするのが「GPSばかり使ってると地図が読めなくなる。」
これは僕はあまりあってるとは言い難いなと思います。
GPSだけじゃ無く地図も必須

GPSでルートプランする場合、基本、地図も家で使うし、読み方は地図と一緒なので。
余計に地図を読む機会が増えると思います。
私見としてはGPSはなくてもいける山行が多いので、未だにこのテクノロジーを使うことがフェアではないという人はいますが、これがないと出来ない水平の山、スキー縦走などでは
命綱なので、僕的にはありかなとおもいます。
インリーチというGPSやEmailさらに最新の天気予報が得られ
緊急救難信号を発信できる機器
これは位置を相手に知らせたり無事を知らせたり、
救難信号も出せるスポットという機器


無線とインリーチ、これは情報の部類に入ると思うので、衛星電話や天気予報など
含めて考えたいと思います。
無線はなぜか昔からあるものなので議論に上がりませんが、これも僕は新しいテクノロジーと一緒だと思います。
どちらかというと、これと衛星携帯やインリーチなどの緊急救難機器のどこが違うのかよくわからないですね。
無線も場所によればですが正確な天気予報が得られ、またコミュニケーションのツールとして救助にも役に立つ、そしてバッテリーも消費する。
このバッテリーを使う、人が生み出せないエネルギーという面ではGPSもビーコンも大差ないと考えます。
昔からあるものだからいいではなく、基本、山に対して、自然に対して、インパクトなくフェアにという面で言えば、この無線ってどうなんだろう、携帯電話もどうなんだろうということになります。
確かに昔の人たちは正確な天気予報を得られず、経験則や観天望気によって登山を行なっていたわけなので、これもなければないで、出来てしまうという意味でも考えてしまいますね。
また山に入るまで、「ベースキャンプまでは何を使ってもいい」、でも山行中は使ってはならない、という考え方もあるようですが、これも難しいですね。
何を持ってベースキャンプというかもわからないし。
ベースキャンプも山の中なので自然へのインパクトも計り知れない。
また器具を使わない代わりに人を100人使って登頂者1人って登山がいいのかというとそうでもないですし。
なので僕的には情報を得るディバイスはどれもありかなという感じですが、
ただ議論余地はかなりありますね。



さて次はヘリコプターやセスナを使っての入山、すなわちアプローチですね。
これ一番僕ら日本人には理解は難しいでしょうね。
なぜなら道路が山の中腹や下手すれば山頂付近まであるし、ゴンドラ、ロープウェイもたくさんある国で育った場合、
「んーヘリで入山。それズルじゃん。」ってなります。
でもそれがない国(これは先進国でも結構ある、特に北米)デナリのセスナで入山はどうなの?これもベースキャンプと同じでどこまでが適正なのか?
スキーの斜面を滑るために頂上に降ろしてもらって滑るのはやはりないわけですが。
かと言って最寄りの町や道路、公共交通機関からが登山となるとそれがない国はどうするのとなりますし。
体力面で考えてもヘリとセスナはダメで他の乗り物はいいの?ってなります。
シャモニーのミディのロープウェイは?登山鉄道は?はたまた車は?山小屋も泊まっちゃダメ?下にある集落も?海抜0から登るの?なんて言いだしたらきりがないですね。
ちなみにカナダは町がほとんどないので基本的にヘリやセスナ入山が多いです。町から100km離れてるの当たり前。
イメージでいうと松本から電車とバスがない状態で上高地に徳本峠経由で入ってから北アルプスの山行する感じなので、みんなその部分省くわけです。でもこれ島々宿から徳本歩いたことある人ならわかるように歴史のある一度は歩いていい道な訳です。でも穂高のベースは上高地。北尾根や東稜行くのにこれ毎回歩ける?って話ですよね。ベースは松本ではないわけです。
自然へのインパクトを考えてもヘリコプターとかの方が見た目すごいエネルギー使ってるかもしれないですが、西穂のロープウェイはどれだけのエネルギーを使って何人山に人を運んでいるかというと、一概に比較できません。
もし営業をやめてもヘリなら人工物は何も残りませんしね

実際、登山鉄道やロープウェイを作るのに
何年の月日がかかり、どれだけのインパクトが自然にあるか計り知れない。
歩けば数時間、作れば最低でも数年。


そしてこのカテゴリーは今までのテクノロジーと違い、実際に肉体的に関わってくるものなので、慎重に議論が必要かなと思います。

ただ一つ言えるのが、これは山によりけりかなと、その山行のスタイルや目標(壁や斜面)によりけりと思うのです。
なので議論せずに、その山に行かずにヘリを使った時点でダメ、ではなくその山一つ一つにある程度の共通認識がみんなで議論してあるといいですよね。

なので議論する、初登者たちの意見を聞く、さらには世間一般の意見も聞いて進めていく必要があるのかなと思います。
「俺は自分の山だけやってりゃいい」と無視しててダメですし、「あの人がやってるのは登山じゃない」と無視するのも良くないですね、やっぱり山をやる同じ人間として。

ちなみにロッキーでもMtヤムナスカのクラシックルートにボルトが足されたり、昔のピトンが抜かれて問題なってます。特に北米人は危険だったら打てばいいという感覚が強いので、問題になりやすい。またその初登者がヤムナスカのベースに謎のボルトを打ちまくっているので誰も注意できないという事態にも発展していて問題が膨らんでいてこれも困ったもんです。
ルートや山はみんなのものという考え方も必要かなと。

アプローチの話をしてるのに話が逸れました。このボルトやルートのトピックはまた後日話しますね。

ただ登山やスキーの中でその道具や器具や情報が無くて出来るもの、無くていいものを山に持ち込む、これすなわち後退だと思います。ただその新しいテクノロジーを駆使することによって、今までできなかった登山、スキーなどが出来るこれは大いにアリなんではないかなとも思うのです。

また、こういう話をすることが登山界の教育の場になるとも思います。
近年クラブに属する若者が減りこういうことを学ぶことが少なくなってきました。
そして私たちガイドはどうしてもセーフティーのマージンを多く取るため、安全なディバイスをより多く持っていきがちですし、ボルトも足しすぎです。
一登山者として登山の本質である冒険という部分をやはり少しでも学ぶ機会が増えればと思いますね。


今回の案件を簡単にまとめてみました。(他にも色々考える機器ありそうですが)
ビーコン ◯
GPS   △(地図が使えるなど、まだ議論の余地あり)
無線機、衛星携帯、インリーチ △(緊急用ならいいが天気予報を常時得ることはどうか?)
ヘリコプター、セスナ △(ロープウェイ、ゴンドラ、登山鉄道とどう違うのか?山によりけり、これはスタイルと同様、議論が必要。ただしもし使わずにやったことはプラスに評価できる?例えばモーターボート使った場合、カヤックとか)

という結果でした。


さて答えはすぐには出ませんが、こういう議論をして考えていく中で案外、誰も考えつかない山行のアイデアが浮かんでくるかもしれませんよ。
そんな山行が人生に一回でもできれば山をやる人間として幸せかもしれませんね。
ではまた。








2018年6月21日木曜日

Vol.128 育児の鬼が5.12を登るまで - その1 -

お晩です!スノーシーズンが終わり、山はすっかりグリーンシーズンですね。

無雪期に山に行くのを抑制することで家庭内のポイントを稼ぎ(本当に貯まっているのかは不明)、冬にそれをやり繰りして山に通いながら、なんとか正気を保っているカネイワは、現在完全に育児の鬼と化しております。青春を謳歌する者たちを怨みながら、湿ったおむつや子供がまぜまぜした納豆とみそ汁の残飯を胃に流し込む、恐ろしい怪物であります。子供が生まれてからは(お陰様で息子も2歳になりました)、この時季になるといつも行き所の無い脳内物質と書くことの無いブログ当番の処理に困っております。

最寄りの岩場の1つ、河又

しかしながら、今年は幸いにも4年に一度のワールドカップがあります。家にいる間、育児と家事以外にほとんどすることのない今(これを妻に読まれると多分すごく良くないことになる)、小中高と中途半端にサッカー部に所属してきた(途中で入ったり辞めたりしてきた)私としては、日本代表の試合を観戦することは欠かせません。これほど真剣に、ハラハラドキドキしながら観戦できるスポーツ、優勝する見込みがほとんど無いとわかりながら、それでも応援できるようなチームは他に無いからです。

本来は未だ興奮冷めやらないワールドカップ・コロンビア戦について書きたいところですが、さすがに誰にも求められていないので、前置きはこの辺にして本題に入りたいと思います。

巧さと狡さをあわせもつウルグアイのFW

クライミング略歴

私がクライミングを始めた(近所のボルダリングジムに通い始めた)のは2012年の冬でしたので、今年で7年目に入ったということになります。それでいてレッドポイントの最高グレードはいまだ5.11aを超えず、最近は自身を「非クライマーであり山スキーヤー」と定義することで「難しいクライミングはしなくていい」と自分を甘やかし続けてきました。サッカー日本代表の試合を最も楽しめるのが、リアルタイムで観るアジア最終予選であるように、クライミングが一番楽しめるのは5.9-の爽快なマルチピッチのオンサイトであると信じて止みません。

キャンモア至近のマルチピッチルート。こんなのが沢山あれば...

とはいえ、同時に成長しない自分へのもどかしさや情けなさも痛いほど感じています。なにより、5.9くらいのマルチピッチが無数にありそうなカナディアンロッキーならいざ知らず、そういうルートが数えるほどしかないような日本では、このままでは先がありません。

やりたいことが他にあればいいのでしょうが、2006年に屋久島の太忠岳を訪れて以来、あるいは2011年にはじめて瑞牆山に登って以来、このような花崗岩の岩峰に自由に登ってみたいという願望が消えないのです。それならば、もう少しクライミングを頑張るしかない…ですね。

小ヤスリから見た瑞牆山の岩峰群

目標を設定する

ここ数年、冬~春に山スキー、夏~秋にクライミングというサイクルで、そのクライミングも戦略なき練習でただがむしゃらに登ることにより、シーズン途中で肘を痛めて中断。そのままの流れでスキーに逃げる、というサイクルを繰り返してきました。2014年以来最高グレードも更新していません。これまで自分はクライミングが苦手で「努力しても5.11程度」とさして努力もせずに言ってきました。「一番強かったのは自分で作った壁だった」と言えるでしょう。

一方でポテンシャルはある、と周囲にはごくたまに言われてきました。ときに「前腕は五段」と称される腕の太さだったり、無駄な筋肉質が誤解を生んだ可能性はありますが、運動神経は悪くない方だし(そこまで必要はなさそうですが)、脚は強いはず。柔軟性はそこそこで身長は164センチと低いけれど、62キロと極端に太ってもいない(BMIが23.05で適性体重から+2.83kgと出た)。クライミングのセンスは感じられませんが、もう少し頭を使って努力すれば、もっとできるはずだ。

まとめて譲ってもらったクラシックな本たち

そこで、今回はちょっと高めの目標(あくまでも自分の中で)を設定したいと思います。ここに友人にもらった良い本があるので、これにならい「5.12(a)」とします。よく「普通の人でも登れる」と言われるグレードではないでしょうか。しかし目標を設定して宣言しただけでは、敗北宣言をいとわない私は、また雪の便りとともに山に逃げてしまうでしょうから、なんらかの「制約と誓約」が必要です。

なので、これをクリアするまで滑らないという心構えを持った感じでいきたいなぁ、となんとなく考えています。ん?

それだけだと少し弱いな。

早まるな。5.12を登るまで山スキーをしないというのはただの前提条件だ。

それじゃ、どんな誓約(ルール)を?


はずはありませんが、それなりにこだわってやっていきたいと思います。

具体的な方法

情報が溢れていて何を信じていいのかわからないので、もう教科書はこれ(1997年と少し古いバージョン)でいこうと思います(リン・ヒルも褒めているし)。トレーニング理論やコンディショニング論は日々進化していると思いますが、グレードは昔から変わっていないはずなので、5.12までならきっとこれでいけるでしょう。本の内容はこれから著作権に抵触しない程度に触れていきたいと思います。

この中身がずっと気になっていた

それと、今まで自分自身を信じられないこと、そして理由なき恐怖(支点が比較的しっかりしたスポートクライミングでも落ちるのが恐かった)から己の限界を設定し、それが足かせとなって成長することが出来なかった(と思う)ので、今回は他者、すなわち自分より経験や実力のあるクライマーの言うこと(その考え方や方法論)を信じてみようと思います。

具体的には、身近にいるエリートクライマー・メタフォース様の言ったこと。すなわち「忍者返し(最近やっと登れたボルダーの登竜門的な課題)が登れれば、イエロークラッシュ(小川山にあるという5.12a)の核心はできるし、このルートを登る力は確実にあるだろう(何回のトライが必要になるかはわからないが)」というもの。私が最終的に登りたい「岩峰たち」は花崗岩であることが多いので、できれば同じ花崗岩のルートを攻めて、切羽詰まったら「お買い得」と呼ばれるようなルートを打ちまくる感じでいきます。

あとは、いかにポイントを失わずに岩場に出かける(目標のルートにトライする)機会を作るかですが、それよりもまず日々のトレーニングとコンディショニングを充実させることが大事になりそうです。

巻末あたりにあるピラミッド図を汚す

さて、早速この本にしたがってこれまで登ったルートをたな卸ししてみたところ、限界グレードである5.11aを登ったのはいずれも石灰岩で割と「ワンポイント核心」のルートだらけでした。今のところ、花崗岩の、それも12aとか全然登れる気がしていませんが、最悪登れなかった場合、メタ様の指導が悪いということにするという逃げ道を残して、しばらく頑張ってみたいと思います。

2018年6月13日水曜日

Vol.127 ガイドトレーニングデイズ

ロジャースパスにあるマウントタッパー全景

こんにちは。山田トシです。今回は来月頭に控えたアルパインガイド試験のプレコースのためのトレーニングについて書きます。ACMG(カナダ山岳ガイド協会)のアルパインガイドになるには、冬のアイスクライミングコース、次回のアルパインコースそして8月下旬にある本試験全てに合格しなくてはいけません。メンバーの谷はすでにこの資格を持って、ロッキーの山々をガシガシとガイドしています。そんな先輩の背中を見ながらトレーニングに励んでいます。



タッパーの裏側にあるタッパー氷河

タッパーのあるロジャースパスエリアも試験会場の一つ。スキーで世界的に有名なこのエリア、山に登っても最高の場所でした。氷河のある山をガイドできる、これがアルパインガイドの魅力でしょうね。

タッパーのハイウェイ側 正面はマウントマクド―ナルド北壁(標高差1500m)

5月のロッキーはまだまだ雪が残る
稜線にある天然のオブジェクト

オンサイトガイディングはルートファインディングが核心

はっきり言ってアルパインガイドのトレーニング大変です。ロックガイドの時と違いクライミングだけでなく、毎回標高差1000mを超える山へ登らなければいけないんです。そして山のリスクマネージメントは本当に項目が多い。不器用な私は出来る限り山へ入って身体で覚えるしかないですね。

所属するガイド会社であるヤムナスカでのスタッフトレーニング風景。
クレバスレスキュー講習

北米ではガイドのメンターシップ制度がしっかりとしています。アプレンティスガイドは必ずフルガイドの監督の元(行くルート、山によって直接か間接的関与かは変わりますが)で仕事をすることになります。こうした制度があることによって、いつでもアドバイスや経験を分けてもらうことができ、新米ガイドも確実に成長することができます。


これなんだか分かります?

マウントイディスへのトレーニングに行った際にトレイル上で見つけたオオカミの抜け毛と鹿の残骸です。最近ガイドの仕事で野生動物の食物連鎖について調べていたんですが、まさにこれですね。


アルパインガイドのテクニックは盛沢山。これは地形をうまく利用したビレイ。
話が戻ります。ゲストを大きな山へ登頂させるには安全は勿論、スピードが重要になってきます。このバランスが非常に難しい。全ては状況次第なので実践練習あるのみです。


ACMGで近年推奨されて来たFixed Anchor belay

ガイドの技術や知識も年々更新されていきます。ACMGガイドで良かったと思う理由の一つに最新のガイド技術や知識が逐一更新され、それを学べる環境にあるということ。このイディスでのトレーニングでは積極的にこのビレイシステムを練習しました。写真のシステムは間違いが一か所あるのはご愛敬。

典型的なショートロープ地形

ロッキーにおいて、アルパインロックのガイドルートは高度感満点のリッジクライミングが多いです。プライベートで行けば最高の眺めとともにスピーディーなクライミングが楽しめる一日もガイディングとなるとフルオンです。夏のロッキーに来た際はぜひチャレンジして見て下さい。日本でアルプスのバリエーションルートが登れる実力があればきっと楽しめますよ。

オンサイト下降もチャレンジング


ここまで安全に下りてきたらこっちのもの

今回の試験の為に新調したギア達。

スティーブハウスがウェアもギアだと言っていた。
最高のギアを着ていい結果を出したいものです。
真ん中のミレー「ティフォン50000」は今までの登山人生で最高のレインウェア
軽くてしなやか・着心地最高・撥水性と耐風性も十分。
是非店頭でトライしてみて下さい。
トレーニングの合間に息抜きクライミング
これ重要です。
ヤムナスカメンバーが一堂に会したクライミングの日

もう少しトレーニングを積んできっちり次のステップへ進みたいと思います。
それではまた次回!!


2018年6月11日月曜日

Back number Vol.121 5 Lessons that helped me grow as an Alpine Climber

Toshi climbing up the crux of the west wall of Mt.Kidd Photo:Bob Kikuchi


This story was written by Toshi.                                                Translated by Yumiko Mori

Like the title of this post says, I felt a little improvement in my alpine climbing during this season.
Of course, I am still far from where I exactly dreamed of and there are many more routes that I wanted to try and feel I could have pushed harder. But aside from those thoughts, I still feel I have made a step forward.


Unlike sports climbing that have standardized grading system and less variable factors, it's quite hard to feel improvement in alpine climbing. Although alpine climbing still has its grade, there are too many contributing factors that can completely change the difficulty.  The condition of the wall, season, weather and partner to name a few.


Meanwhile, I assume the biggest reason why I felt the progreses comes from reflecting on and changing my approach to alpine climbing. 

So below are the 5 reasons that helped me grow as an Alpine Climber and I hope this post will help other climbers to prepare for the next season.



1.Actually doing alpine climbing 

I reasoned last year's defeat at Mt.Ball to be obvious lack of alpine climbing expericne in the Rockies.

So in order to have good results for this season I have made a plan that gradually progresses towards  a  bigger goal.

This season's record :

→North West wall of  Mt.Sir Douglas 
+
First Ascend at the Full Moon Corner 
+
West face of Mt. Kidd 

Lead to second winter time ascend of Sphinx Face at Mt. Temple 


2.Re examining the use of protection 

In hindsight, the most common reason for bailing in the Rockies is "not being able to take protections" I reflected on my climbing style and realized that I realey put on pitons during the ascend. Of course, I always carry them with me but only occasions that I used them were descending. Also I noticed that I don't carry a hammer with me. Although my beloved Nomic does have hammer, it's not something useful when you do challenging climbing.



→Below are the texts that I sent to Bob before heading to the Full Moon Corner 
 
I think we should use pitons when we climb in the Rockies. So climbing like this wall(not too big ones I mean something like Full Moon Corner) and gradually practice putting on pitons would be benefitial in the long run. What do you think?

Lately we focus too much on climbing fast and relying too much on cams and nuts.

The chance of cams to come off in the Rockies is ridiculously high. So we should come up with other ways. I always thought the difficult mountains are just purely difficult and very risky. But pitons can be an option for those cases to make it more attainable.And by doing so we can try thin ice as well. I don't think we need to change the number of cams that we use, but what I want to say is from next time make a habit of bringing a hammer and have that as an option.



From left:  Hammer purchased right after the discussion,  Pitons , Nomic

It was an absolutely right decision.Threre was nothing useful as pitons in the Rockies. When we couldn't find anywhere to take protection at base of the crux pitch of the west wall of  Mt.Kidd, we succeeded to put pitons after struggling an hour to find the best spot. This lead to the success of ascend. Likewise, at the cruxes of Full Moon Corner and Mt. Temple we used pitons. The story can be different for Granite mountains since you can find good protections but in the Rockies I relearned about the use of pitons.

( We retrieve all pitons after its use)
  


3.Importance of self care and conditioning

This may sound like a common sense. But the truth is that it is actually hard to do proper self care in everyday life and be getting physically and mentally ready for the big alpine climbing trip. If you are working the work caught up in you so it's a big challenge to prepare for the big climbing unless we make councious effort.

For my case, I worked 12 hours five days a week but every other week I took 3 or 4 consecutive days off.  The first day of my days off are mostly used for getting to the area and easy climbing as a warm up and actual attempt started from Day 2.


Since my job is route setting at the climbing gym, I was climbing everyday for my work. But on top of that I started to work on my weakness. So I asked my girlfriend (Personal Trainer) to write me some good customised stretch and exercise plans and followed them at home. 


 The second pitch of Man Yoga

After working on scheduling and maintenance, I felt huge improvement of my climbing performance.

At the peak of Little Snow Dorm at the Columbia Ice Filed   Training for Mt. Tmeple
4.Always picture your ultimate goal so you can become flexible


All strong alpine climbers leave results. Even though that is not something that they initially planned, they do thier best under the adverse condition pushed against them. In other words they define success as whether they are satisfied with what thety did.


For me, I was obsessed with Mt.Ball as a goal last year and as soon as I realized that I could't climb I lost all of my motivation. This winter I took 10 days off for the winter alpine climbing in the Rockies. My initial goal wasn't Temple but bacause I couldn't obtain permit we had to choose Mt.Temple which was plan C for us. The condition of the wall, weather and the fact that there were only one party that previously succeded the ascend were already tempting enough to set as a goal. And we truly switched mind to think that was the best goal for us at the time.


North face of Mt.Temple 
Red:Sphinx Face 
Yellow:The line that I climbed with Takeshi before 

5.Do not give up just because of the small adversity   

During our attemp at the Sphinx Face this time, there was a mishap happened to us. Bob's crampon got broken while climbing. 

Under that situation it was impossible to fix the crampon at the spot, we both got silent for a bit but we deceided to do a temporary fix on it by using the rope we had. At this time, neither of us used the word "bail" and we both knew we wanted to continue. This forced us to think about what we can do with what we have. If one of us said the word we would have decided to bail. The important thing is to develop skills to accurately know where we are, if it's past our limit or there is still space for us to push for the growth as an Alpine climber.



Sphinx Face 
Bob looking up at the overwhelming wall

Getting closer to the Sphinx Face Head Wall

After enduring through the crampon mishap and cold bivi, finally passing the crux 

The most popular pic for this season at my fb
At the starting point of the Full Moon Corner 
Photo by Bob Kikuchi



Topped out as the gloomy weather was starting to appear
Next year's objective may be expedition at  another country!? From the Rockies to the world. Anyways, I will keep on working on my skills as an Alpine Climber. Yet, I have to get myself ready for an Alpine Guide exam for the summer. I see my personal alpine climbing and taking an Alpine Guide exam are both adventurous in a different ways, now I am gearing up to it and spend all the energy for the exam!

Lastly, I would like to take this opportunity to thank all the support from Millet, my amazing climbig partner, friends and supportive family.








2018年6月6日水曜日

Vol.126 春、富山の風景

こんにちは、富山県から劔村がお送りします。
私事ですが、4月から農業者(百姓)として就農しております。
主生産物は生食ブドウなので収穫は数年先ですがアウトドアを楽しみつつ過ごしていきたいと思います。自然とともにが合言葉です。

すでに暑さを感じる日が増えはじめ、ジメジメの梅雨が目の前までやってきている富山県ですが雪解けの春から写真を振り返りながら紹介してみようと思います。

富山県西部に位置する入善のチューリップ畑、遠くに見えるのは白馬連峰です。
知らない人も多いかもしれませんが、富山県はチューリップの球根の出荷量日本一なんですよ。



山では雪解けが進み新緑が美しく、春スキーの便りよりも夏山の便りが聞こえてくる時期となってきました。
上の写真は、個人的に好きな山で尖山(とがりやま、とんがりやまとも呼ばれています)です。標高は559mなので簡単に登れるということで家族連れや日常的に登っている方もおられるくらい賑わっています。1時間もあれば山頂に立てます、頂上からは立山連峰が一望できますよ。

そして面白いことに、遠巻きの写真がありませんがこの山はピラミッドのような形をしていることから人工物説、UFO情報、ミステリーサークル、パワースポットなどなど色々言われがあり噂が多くある山です。
そして麓にあるコンビニ、サンダーバード。立山黒部アルペンルートへ向かう途中にあるので是非お立ち寄りください。





春になると各地で祭りが行われています。訪れたのは行燈が街を練り歩く福野夜高祭、優雅に進む姿は一見の価値ありですが想像できないのが夜中に行われる引き合いと言われるケンカで行燈同士をぶつけ合う勢いのある祭りでもあります。



私が農地を借りている地域は八尾という場所、地元の方が車庫にクライミングボードを設置されていてお邪魔しました。この日は3人集まっていてルートを作りながら登る感じ、近所の子供達も混ざって盛り上がりました。


今年は山菜採りにも出掛け春の味覚を堪能、多様な形態で山と関わるのはとても面白いことです。

カヤックをするために出掛けた劔岳の登山口である馬場島、結局散策しておわったのですが沢を遡るとこんな大岩があります。昔、登ったことを懐かしんでいるところです。


最後に畑の様子、ブドウの仮植え場所です。ブドウ棚の工事が完了するまではこの状態、現在は写真の頃よりも1mほど伸びています。
日々、自然の中で多くを感じながら過ごしていると多くの発見があってワクワクします。
クライミングやカヤックに行く時と同じ感覚かもしれません、夏に向けて体調を整えていきたいものです。