チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2017年12月26日火曜日

Vol.104 Aemmer Couloir @Mt.Temple

メリークリスマス!
今年も昨年程では無いですが-30℃近い寒波が来ました。
またしても寒い中トシと登りに行き、2本登ってこころ折れました。
そしてやたら乾燥してるなぁっと思ったら喉やられて
昨年と同じように風邪をひきました。
そんなわけでしばらく休養しておりました。どうも、ボブです。

今年ももう1週間足らずとなり、冬シーズン早2か月が過ぎました。
今年は無職故に時間があるのでタイミングを掴みやすく、パートナーにも恵まれ
昨年よりいいリズムで冬シーズンを楽しめております。感謝!
壁の状態良かったのでもう一本行きたかったのですが寒波にやられて一つ逃しました。
次は1月か2月か、、気長に狙っていきます。

とはいえ、こないだ続いた快晴無雪のポカポカ陽気のタイミングでは
昨年逃したSki Descentsリストの一本 Aemmer Couloirにリベンジ出来ました。

ここはLake louisのHi-wayから一際目立つMt.Templeの北面にあるラインで、
50 Classic Ski Descents of North Americaの一つでもあります。
写真中一番左のラインがAemmer Couloir
(引用元:http://www.explor8ion.com/ski/little-temple.html)

昨年12月5日にトライした際には、Couloirを登り始めた時からスピンドリフト
風によって運ばれた雪によって起きる雪崩)が頻発しはじめたので撤退を決め、
とりあえず流線を避けようと移動し始めた矢先、案の定仲間の一人が軽く飛ばされ
たあげく敗退しました。
昨年のAemmer Couloir

下から見た傾斜は緩そうに見え、アプローチし始めた段階からこれはもらったな思い意気揚々と登り始めましたが、中に入ってみると実は急。長さと傾斜の関係で緩く見えただけで、情報通り45°-55°の斜度が上から下まで綺麗に繋がったcouloirでした。


今年のAemmer Couloir

雪はハードパックで、登行にはキックステップでつま先が程よく決まる快適な状態
で快適にトップアウト。天気がいい時の登山は最高ですね。

対岸にはLake Louiseのスキー場が見えます。
天気は最高でした。

さて下降。しかし滑るにはハードで雪は硬くおまけにぼこぼこ。さらにフォールラインの
先には崖。数回ジャンプターンを試みましたがこんなの600mもやってられないと諦め
安全第一のひたすら横滑りで降りました。。

ここは失敗出来ないやつでした。

形はどうあれここをトップから降りれて嬉しいです。
もし次行くときがあればいい雪を狙って気持ちよく滑りたいと思いました。
来年はもっとロッキーの山の一部ではなく"山"を楽しみたいと思います。

本年度ご愛読いただきありがとうございます。
ではみなさん良いお年を。来年もよろしくお願いいたします!
以上、ボブでした。

2017年12月18日月曜日

Vol.103 雪崩トランシーバー、マムートパルスの設定再確認

MammutのBarryvox Pulse
2017年冬に代替わりしたので新しいバージョンを買いましょう
いよいよ冬本番、日本もカナダも雪の多い最高のバックカントリースキーのシーズン・インを迎えたようです。
そのバックカントリーに行く時に必ず持っていくのが雪崩トランシーバー。雪崩トランシーバーとは、一定の周波数を発信して埋没の際には、このトランシーバーを受信モードに替えると、その信号をキャッチし埋没地点を特定できるというもの。

今日はその雪崩トランシーバーの話しですが、どうやって使うとか、他の機種(いろいろな会社からたくさんの機種がでている)の比較とかではなくて、マムート社の機種に限っての話です。しかも、このマムートからは2017年の冬この機種の後継機が発売されたので、もし購入を考えている人がいれば、この機種より新しい機種を選んだほうがいいと思います。ただ、設定的には踏襲されているところが多いようなので、無駄じゃないと思いますので、本記事掲載します。

私はカナダでヘリスキー/キャットスキーガイドをしておりますが、カナダの多くの会社でこのPulseが標準のトランシーバーとして採用されています。その理由は、上級者向けのカスタム設定が多くできる、複数台(80台まで)のトランシーバーの設定をWifi経由で一気に変えることができる、という2点が大きな理由のようです。
会社がPulseを使用しているので、必然的にガイドも使用している、ということで多くのガイドもこのトランシーバーを使っています。もし下記に説明するアドバンスモード的なものが必要ないユーザーであれば、機能を絞ったPulseの下位モデルElement、Pieps社のDPSなどでも全く問題ないと思います。一番大切なのは自分のトランシーバーの特徴を知って習熟することですからね。

1. ProfileでAdvancedを選択

マムートのPulseにはBasicモードとAdvancedモードがあり、Advanceモードにいくと所々の設定ができるようになります。
モートの切り替えは、Profileからできます。Profileへの行き方は、マニュアルを参照して下さい。
こでAdvancedを選択


2. Analog ModeはManualに。これで手動でアナログモードに行く事ができます。
アナログモードの利点は、受信範囲を広くできること。最大80mになります。
ヘリやキャットでお客さんがツリーウェルと言われる、木下の穴に落ちることがよくあります(実は雪崩よりも死亡事故が多いです)。この際にもこの最大受信モードで探します。
なので、大規模な雪崩で、捜索開始地点でシグナルがゲットできない場合は、すぐにマニュアルモードへ。受信レンジはA9(ディスプレイ上はA8が最高だが、もう一回クリックするとA9に入る、表示はなし)
また、何かしらの理由でデジタルモード(Standard Seach)が使用できない場合は、昔のようにアナログモードにして操作できるようになります。
設定画面。Manualとなっていることを確認。
アナログモードの画面。右上のAがAnalogの意味。数字が上がるほど受信レンジがあがり、
1~9まであります


3. Audio SupportはOff
これは、埋没者に近づくと、勝手にピピピピって音が大きくなるモードです。
実は、これをONにしている人は多いのでは?
一人のみの埋没者であれば、どんな設定(Basicモードでも)OKですが、複数埋没の場合オーディオサポートをONにしておくととピピピピという音のみで、実際のアナログの音が消えてしまいます。もしOffにすると、絶えずアナログ音が聞こえています。埋没者に近づけば大きくなったり、複数埋没であれば、トランシーバー分の音がピッピと聞こえたりします。
ビーコンサーチのテクニックとして、
埋没者に近づく際に、ディスプレイが10mになった時に”サウンドチェック”と言って、アナログ音が何個聞こえるかを確認すれば、音の大きさで付近に何人が埋まっているかがすぐに分かるので、このサウンドチェックを10m、5m、3mで行います。

457Mhzという同じ周波数を使っている以上、発信の間隔が全く同じになる瞬間があります。その時ディスプレイ上はStand Still(日本語だとチョットマッテみたいなメッセージ)になってしまいまい、何もできなくなります。ただ、ビーコン的にドリフトと言ってちょっとずつまたずれるようにできているので、そのうちStand Stillは解消されますが、画面より先に、音はすぐに分かれてくれるので、捜索のスピードアップに繋がるというわけです。
絶えずアナログ音が聞こえてくる様になるようにOffするこの設定は、
実は機能の中で一番重要だと思う部分。
4. Vital DataはもちろんON
この機能は、Pulse間でのみ利用できるモードです。
ビーコンはホルダーに付けて胸の近くに置いておくのですが、息をしている時の胸の微かな動きがあれば、この人は生きているよ!というハートマークを、捜索者のディスプレイに表示してくれます。

ということで、全員が同じPulseを使っているオペレーションであれば、複数埋まった場合、このハートマークがある人を優先に掘り出す、優先付けをすることになるわけです。
英語/フランス語ではTriageといい、近年の捜索の重要事項の一つです。
ある意味当たり前ですが、死体を掘りを起こすより先に、生きている人を掘り起こすということです。雪の上からもそれがわかるようになると。
ちなみに日本ではこの機能は提供されていないです。

北米はリージョンBですが、日本ではサポートされていない機能です。
残念!


5.Rescue Send、レスキューセンド
これはSettingからいくのではなく、サーチモードからセンドに戻る時に現れる項目です。
このレスキューセンドモードに入ると、457Mhzではない周波数になり、発信はしているけど、他のビーコンからキャッチできなくなります。
これの利点は、自分が埋没者Aを掘っている時に、他の方が埋没者Bを更に捜索をしている時。
まず、ずーと音がしないのでうるさくない、誤って通常の457Mhzに自分が戻してしまい、他の捜索者に迷惑がかかるのを防ぐ、などがあります。
レスキューセンドモードに入ってから、4分間動かないと通常のセンドに戻ります。
通常のサーチも設定によりますが、自動的に戻りますね。
捜索をしている時、つまりビーコンを服の外に出してる時に、もし二次雪崩に会うと雪崩にビーコンを持っていかれますので、注意が必要です。
サーチからセンドに戻る瞬間に現れる選択画面。
この時にに左右のボタンをプッシュ!
レスキューセンドモードに入った画面。
入る瞬間普通と逆の音、ピッポッパ、ではなくポッピッパとなる。
6.アナログモードだけでの起動
電源Offの状態から、両方のボタンを押しながら、一気にサーチに入れるとこのモードになります。ディスプレイが壊れた時などに使用できます。





7. スクロール機能の使い方
これも設定の話ではないですが、便利な機能。
複数埋没の際、Basicモードだと、一番近い人の数字を出した後、別の埋没者に近づくと自動的に、数字を切り替えてくれます。ただ、Advancedモードは一回近くの埋没者の信号をゲットするとその信号にロックしてしまいます。これを解消するにはMark機能を使うか、スクロール機能で次の埋没者にスクロールするかしないといけません。
一人目を発見した後、別の埋没者を探しに行く時に上記のどちらかを忘れていると、一向に新しい信号をゲットできなくなるので注意が必要です。
ちなみに、マーク機能は6m以内にならないと使用できません。

とうことで、マムートのトランシーバーに限った話でしたが、このような高機能なトランシーバーをもし持っているのであれば、是非参考にして下さい。複数埋没の特定が格段に早くなりますよ。
では、安全な冬シーズンをお過ごしくださいませ!

2017年12月12日火曜日

Vol.102 寒冷順化



こんにちは。星野です。

僕は今新潟に来ています。そして今日北海道に帰る予定だったのですが、天気が大荒れでフェリーが欠航し足止めをくらっています。そんな時に僕の番が回ってきてしまい、さて、何を書いたらいいのか?写真もないし。

そこで、最近日本山岳ガイド協会が主催するファーストエイド講習会に参加してきました。その中で面白いと思った事がありましたので書きたいと思います。

そろそろ冬本番で寒くなってきました。冬の初めって寒いですよね?でも冬がもうすぐ終わる頃って同じ気温でも暖かいですよね?カナダにいた頃、春が近づき気温が0℃になると半袖の人が増えていたのを思い出します。皆さん寒冷順化って出来ると思いますか?結論から言うと出来るそうです。

そのためには褐色細胞(BAT)を活性化させる!

まず、褐色細胞(BAT)とは?
・ほとんどの成人でBAT活性
・男性<女性で活性が高い
・年齢により活性が低下
・寒冷暴露により活性亢進
・肥満の人は活性が低下
褐色脂肪細胞は白色脂肪細胞を取り込み、エネルギーを燃焼させ熱を作り上げる細胞で、簡単に言うと、ヒーターのような役割です。では、この褐色細胞を増やせば寒さに強くなるのでは?と思いますが、減ることはあっても増やすことはできません。そのため、増やすのではなく活性化させて熱を作れる体にする訳です。

では、どうやったらBATは活性化するのか?
1.寒冷暴露
とにかく体を寒さに曝せって事です。暖房なんてつけずに、コートなんて着ないで寒い寒いって言ってればそのうち慣れるって事ですね。体育会系のノリですね!

2.持久力トレーニング
体力があれば寒くねー!体育会系の基本ですね。

3.緑茶orカフェインの接種
日頃からお茶やコーヒーを飲むのはBATを活性化させる為には良いですが、行動中の水分補給として緑茶やカフェインを飲むのはあまり良くないそうです。

4.カプサイシンなどのスパイス摂取
カプシノイドと呼ばれる化合物のひとつで、唐辛子の辛味をもたらす主成分。しかしこれは1度の接種でBAT活性は上がらず、継続的な接種が必要な様です。6ヶ月間のカプシノイド接種にて寒冷暴露でのBAT活性上昇が確認されているそうです。

5.ナッツやグレープなどレスベラトールリッチな食物の接種
レスベラトールとはポリフェノールの一種でグレープ、ベリー、赤ワイン、ナッツに含まれている成分。様々な̪疾病予防にも効果的で、動物実験では体温上昇効果が認められているようです。

それ以外にも鉄分不足により、コア体温の低下、シバリングレスポンスの低下、シバリング以外の熱生産の低下も起こる様なので、冬は鉄分の摂取にも気を使ってみたら良いと思います。

そんな感じで寒い季節になりましたが、早く寒さに体を慣らして、寒さに強い体を作って楽しい冬を遊びまくりましょう!

2017年12月6日水曜日

Vol.101 カナダのアイスクライミング安全規約




ご無沙汰してます。谷です
さて12月に入り、日本でもアイスクライミングのシーズンが始まった感じでしょうか?
カナダは今年は最高のスタートというくらいコンディションが良く、沢山のミックスやアイスの初登がされました。未だに未登のアイスのルートがあるなんて信じられませんが
正直、後10年は行ける気がします。皆んなに長いアプローチをこなす気があれば(笑)

さて今回話は山のマナー、クライミングのマナー、スキーのマナーです。エチケットですね。
ちなみにマナーというのはもちろん後世に今の素晴らしい自然を楽しんでもらうという目的がありますが、一番は安全です。
マナーを守ることによって安全、安心に楽しく山で遊ぶことができます。
事故がなければエリアが封鎖されることもないし、ゴミを散らかすことで野生動物が人間に近づき、事故が起きてしまう(クマ問題など)ことも防げます。実は自分たちの安全を司っているのがマナーでもあります。
夏山のマナーは日本はすごくて、どんどん改善されてます。正直カナダより意識が高いのかなって思うところもたくさんありますね。
しかし冬の山をする人が少ない日本では冬のルールはあまり知られていないのではないかなって気がします。
やはり日本では、冬山をやるのはエキスパートってイメージが強いからでしょう。
しかし「冬山をやってる人はこんなこと知ってて当然」と思っていること自体が小さなミスを大きな事故に変えてしまう可能性があるのです。
要は初心者も、上級者も、外国人も、地元の人も、みんながわかるスタンダードがあれば
安全であり、その山域やコミニティーは発展して行くと思います。

ちなみにカナダのアイスクライマーのための雪崩情報はこちら
下をクリック↓
カナダでアイスクライミングする注意点

カナダでアイスクライミングする注意点その2

先週、いつもは雪がないロッキーで当てました!!ゴーグルの下はニヤケ顔であろう裕司さん
この雪の状態にロッキーもなるわけですね。つまり雪崩ギアはいるでしょう、やっぱし。


さて、僕がニセコ比羅夫でスキーパトロールとして働いていたときニセコルールというものがあり、基本的なスキー場をルールや雪崩、スキー場からアクセスするバックカントリーなどのルールが示されていました。(外国人が多かったこともあると思いますが)
みんながそのルールを尊重し、守ることで誰もが共通意識の中、スキーを楽しんでいたのを覚えています。
更に言えばスキーはそれだけ業界も大きいし、お金が動くのでこういうルールの作成は早いと思います。

クライミングに関しては、夏は外的要因を除くことが比較的できるのであまり聞いたことがないし、一般的なマナーはもちろんありますが、(チョークを残さない、トイレ問題など...)
特に安全に関するルールなどは実はまちまちだったりします。ここカナダでもそう。
ただ冬のクライミング(特にアイスクライミングは)に関して落氷の事故や雪崩の事故がここ最近多く、またヨーロッパ人(強強クライマー)が地元のクライマーとルートの追い抜きなどで揉めることが出てきていて、今年からカナダではアイスクライミングの安全ルールが制定されるみたいです。(2017年12月4日現在はまだ)

またいつ、何処の協会がこれを制定するのかははっきり決まってません。(Paks CanadaかACMGかACCなど)
ただ原本を入手したので一応僕なりに訳して載せてみます。直訳すると変なとこは変えさせてもらいました。(今後変わる可能性あり)
よく考えてみれば、このような安全規約はどの山域でも使えることで、例えば日本の北アルプスの各山小屋にこのようなルールがしっかり掲示されていれば、鎖場の渋滞や事故、落石などの事故も軽減されるのになって日本にいたときに考えてましたね。

では本題です。

Ice Climbing Responsibility Code
アイスクライミング安全規約。

1. BE RESPECTFUL – Everyone has the right to a safe and enjoyable experience. Educate others with respect, and be educated with dignity. Engage in public forums as you would when face to face. 

他のクライマーのことも尊重しましょう。
全てのクライマーが安全に、そして楽しくアイスクライミングする権利があります。
ルールを知らない人に教えるときは優しく、相手のことを考えて。
また教えてもらうとき、注意を受けたときは真摯に受け止めましょう。

そしてクライマー以外の人たちともしっかりコミニュケーションをとっていきましょう。

2. LEAVE A NOTE  A note on your dashboard stating intended route, party size and time you left the vehicle will help others in their decision making. Write in the dirt on your rear window if you don’t have paper.

行き先を書いたメモを車に残しましょう。
カナダでのアイスクライミングは基本車で移動します。
駐車場を出発する前にダッシュボードに紙で登るルート、パーティーの人数、今現在の時間(数時間離れていれば、登れるとこもあるので)
もし紙がなくても、車の後ろのミラーに同じことを書いておくこと(雪国で運転したことがある人なら分かりますが窓が雪や埃で汚れているので書くことができる)
ちなみにこれは7、8年前からこのエリアでは当たり前になってます。

これをするだけで2番目以降のパーティーの方はアプローチをせずともこの時点で他のクライミングエリアに行くことができます。


3. FIRST PARTY ON THE ROUTE TRADITIONALLY HAS THE RIGHT OF WAY. – Passing others on a climb without clear communication and permission can endanger everyone involved. However, passing can be done respectfully and safely in some situations. All parties involved should communicate their plans and concerns clearly. If the 1st party on the route does not feel passing can be done safely then the other parties should wait their turn, negotiate to climb one person at a time with the 1st party or retreat.

最初にそのルートに着いたパーティーが最初に登る権利がある。
後から来て追い抜きは原則として禁止。
しっかりコミニケーションが取れていて、またはルートによっては複数ラインが取れる(幅が広いルートなど)場合など、状況に応じて最初のパーティーに許可をもらい、抜くことができる。
ロープを跨ぐことは非常に危険であり、もし落ちたとき他のパーティーを巻き込んでしまう可能性がある。
他のパーティーとコミニケーションをしっかりとること。これが一番重要。
コミニケーションは世界を救う。


4.CONSIDER THE OVERHEAD HAZARD – If you do have permission to climb beneath or adjacent to others, plan out your stances to maximize shelter from ice fall which can bounce far and in unexpected ways. 
落石、落氷を十分配慮。 
もし2番目のパーティーとして登る時も必ず最初のパーティーのクライマーに許可をもらうこと、なぜなら彼らが氷を落とすことであなたのパーティーに怪我をさせてしまう可能性がある。
あなたがもし世界最高のアイスクライマーでも落氷を必ず起こしてしまうものです。
また二番手で登る場合でも落石落氷などからシェルターになっている場所でビレイポイントを作りましょう。アイスは予期せぬ方から飛んでくるし、バウンドしたりします。


5. AVALANCHE RESCUE EQUIPMENT. Always consider carrying an avalanche transceiver, probe and shovel when travelling in avalanche terrain. This may be on the approach, the descent or the whole day. This practice can potentially save the lives of your friends, fellow climbers, rescuers or yourself . 
雪崩ギアが必要か考える。
アイスクライミングに行く場合、常に雪崩の危険を考えましょう。
スキーと違い、我々は雪崩の地形に一日中いることになります。
ルートによっては登攀中も必要になることもあります。
また小さな雪崩でも、クライマーを氷から落とすには十分な力があり、
怪我をする可能性は非常に高いと言えます。
また、ラッペル下降のラインやルートの上部の雪崩地形、アプローチの沢状の地形など、ルートには入らなくとも、その前後で必要になる場合もあります。
雪崩のギアをみんなが持つこと(そのギアを正しく使えるトレーニングをする)で、見知らぬクライマーから自分の友達仲間、そして自分自身をも助けることになるのです。

以上
グレード6を登るアークテリクスアスリートのJon walsh。この時、僕らは雪崩ギアを登ってる時は持っていませんでした。
雪の状態が安定してたので、取り付きにおいて行きました。
やはり全ては状況次第ですね。それを学ぶのも冬を楽しむクライマーの責任でもあります。

もちろんこれが全部できない時もあります。ルイーズフォールやボージョーレフトなど観光地やスキー場と駐車場を共有してる場合など特にそうです。車にメモを置いても誰もみないかもしれないし。
でも、できる限りやってみようと、これが基準としてあるよということです。
山にルールはいらない、自分で考えるべきという意見もあると思いますが、
プロフェッショナル、レクレーショナルどちらの人も共存共栄していくため必要なのかもしれませんね。
単純にいうと早く起きて他のパーティーより早く取り付いて、そして午後はビールで乾杯。それがカナダでは常識になる日がすぐそこに来ているようです。


今年も世界中からカナディアンロッキーのアイスにたくさんのクライマーが来ますが、
これによって今シーズン、少しでも事故が減るといいですね。
では日本でも安全第一に冬を楽しんでください。

良いお年を!!




2017年12月4日月曜日

Vol 97 Backnumber An overslept leading to another Over slept


This story was written by Bob (Noboru) Kikuchi

My working holiday visa has finally expired at the end of the October and now I am back to a full-time climber/skier in the Rockies.  One thing I question is whether my savings would last until the end of the winter.

Probably at this time of the year, people in Japan would still enjoy the gorgeous fall weather even in the beginning of November.  However, here in Canmore, it has already turned into a winter and the temperature fluctuates at around -10℃. This change is tough on my body and I am struggling to get accustomed to the quick changes. Especially when I go out for a climbing. 

This story is about an ice climbing that Toshi and I went recently to officially start this year's winter climbing adventures in the Rockies.


On that day, we were supposed to meet up at 6am at a parking lot. So I set an alarm clock at 4am on the night before. The good thing about life is that you can't always stick to what you have planned. when I woke up, it was already 5am...Feeling sorry for Toshi and headed to a parking lot in a rush. Funny enough, Toshi was also running behind so we ended up arriving almost at the same time.

Today's mission was to climb "First Blood"

"First Blood" An icefall that is surrounded by walls of rock

Although we arrived at the parking lot as a guidebook says, we thought it wouldn't be a smart idea to walk through dense woods with no traces under a pitch-black sky. So we decided to wait in cars while waiting for a sky to get a little lighter.  Later on, I woke up to the sound of knocking on the door by Toshi. To my surprise, it was already 7:40am... The sun was already up and this told us that we obviously overslept. Since I had to be back to Canmore by 5pm for an evening shift at a restaurant, we thought the time was too tight to try the initially planned line. So we decided to head to a cragging instead. As we were heading back our eyes were caught by an attractive line that can be seen from the road.  We again changed our decision and agreed on climbing the line "The Evil".



The line developed along the gulley  


After walking along the clear valley for about two hours, we finally got to the starting point of the line at 11am. Getting ready, sorting out our gears, doing rock paper scissors to determine who goes first and Toshi started to climb the first pitch.  The ice was breakable and harder than expected.Also it was just a beginning of the season so he seemed to be struggling more than usual with pumped arms. On top of that, spindrift caused a small avalanche, this took our sight away occasionally.



 Toshi putting up with pumped arms and unforgiving spindrift 

Then I felt my rope being pulled so I started to climb. My body temperature was taken away just in a second and together with the pump of my arms, I lost sensations of fingers in a moment.  Getting to the point that I couldn't stand anymore so I decided to hang onto a rope and shake my arms. After a while, I felt blood circulation come back again together with excruciating pains on my fingers. That was the most painful screaming barfie in my life.

We only had 15meters of an ice wall left and the next pitch was my turn. It was an easy slope but my arms got pumped soon after I started to climb. While fighting with my urge of giving up, somehow managed to get to the top. The guidebook says that there was a bolt on the right side of the end of the line but I couldn't find any. The gulley after the ice line was just covered by snow and there was no ice nor trees. Even I had rock climbing gears with me, there seemed to be nothing that I can use to secure and the wall had just a smooth surface. In a desperate mind, I dug up some snow at my feet in a hope of finding something I can use. Then there was a thin crack run along the rock, Thank goodness, I was able to set up a nut for belaying.

This line required much more time than we expected(Again). Our plan was to start going down at 2:00pm. By the time we started to descend, it was already 3:30pm. I had to start working at 5:30pm...in Canmore... After rappelling down twice. We ran down at an extreme speed through the pile of snow that went up to the height of our knees. We made it to our cars at 4:30pm and to my surprise, I wasn't late for my last day of work.

Next day, I was cleaning the room that I just moved into after a summer-long climbing bum life with a comfortable fatigue from the day before. When I looked at my phone, I realized that I had two missed calls from Toshi. I assumed it would be another invitation for next week's climbing project so called him back. Toshi told me that he was contacted by Raphael who is a Canadian climber and he happened to be in the same area yesterday. Toshi was told by him that this year The Evil that we thought we climbed yesterday, wasn't developed and the line we climbed was only formed this year, which means that what we did yesterady was a first ascent.

So we named the line "Over slept"

Hope you guys have a safe and enjoyable winter and holiday season!





●Our first ascend story was also posted on Gripped Magazine online