チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2018年5月30日水曜日

Vol.125 氷河スキー縦走ギアまとめ

こんにちは、ボブです。
5月も終わりになり、日中のロッキーは20°前後でいい季節になりました。
日も11時近くまで残っているこの季節はとても好きです。

日向は暑過ぎて耐えれない程なので、春も終わり夏が来たことを感じます。
も少しスキーやアルパインも、、と考えましたが、4ヶ月しか無いロッククライミングシーズンに集中しようと切り替えました。てことで今更ながら冬のギアを整理しつつ、先の縦走での気付きもあり、来シーズンの向けてギアの事をまとめておきました。
※火器具・テント・ウェア類はここには載せてません。

写真は氷河スキー縦走準備中のもの(全てでは無いです)

①4FRNT HOJI 179cm(センター112cm)
 時期とコンディションにもよりますが、氷河縦走の場合は滑り慣れた安定感のある板で行って良かったです。この板はフルロッカーで突破力はありますが、極悪のモナカ雪だけは死にそうでした。やはりキャンバーがいいですかね?
 センター100で長いもの(身長+10cm以上)が春のコンディションにはオールラウンドに対応し易く最適だと感じました。

板が良いと滑りも楽しめる。

②Scarpa Maestrale RS
 今シーズンかなり使って、シェル出し調整も何度も施してから行ったのですが、どんなに慣れた靴でも毎日長い距離を歩くと靴擦れするし、当たって痛いところは出てきます。踝でしまるバックルだけ締めると水平歩行時に爪先がかつかつ当たる事は少ない感じがします。1300gと軽く、可動域も大きく、フレックスも130あって満足です。

③Mont-bell ダウンハガー900 #2
 特に首元で閉まる絞りが付いているので呼気蒸れを防ぐために顔を出してても身体は温かくキープできる部分がお気に入りです。⑤のエアマットとの組合せもあり-10℃越えの氷河キャンプでも耐えれました。

④Mont-bell ダウン フットウォーマー
 スキーのインナーブーツを履いたまま履くと更に温かく快適でした。
 ロングスパッツのおかげで雪深い中での伐採作業時も雪が中に入らず作業に集中でき、丸太を34秒で切る事が出来ました。


⑤Mont-bell U.L. コンフォートシステム エアパッド 120
 以前使ってた赤いパッドは厚さ2.5cmですが、これは厚さ7cmあるため背中の冷えはゼロ。吸入口に逆止弁が付いている為パンパンに空気を入れる事ができる為パッド全体が硬くなります。その為腰が沈む事も少なく、更に同シリーズのエア枕とのセットで超快適でした。

⑥テムレス(予備グローブ)
 冬季ベストグローブエバー
 裏起毛付き、外からの濡れも無く、低温効果硬化も無しすることが無いし、そして何より安い。安いので日本でいつも買いだめしてます。カナダではアマゾン経由で$40となってます。
 
⑦ニトリル手袋(予備グローブ、テムレスの下に使用)
 個人差が大きいと思いますが、テムレス単体での使用だと内蒸れして寒いのと裏起毛がへたり易いしすぐに臭くなるとの理由からテムレスを直接ではなくニトリル手袋を付けて使用しています。冬のクライミングの時も使用してますが-20℃くらいまではこの組み合わせで行けてます。

⑧オーバーグローブ
 ペラペラの3-FINGERグローブですが、更に寒いなぁって時や風がある時につけると不思議な程温かいです。これを足すと更に5℃くらい下がっても耐えれる気がします。(自社比)

⑨Hestra 3-FINGER FULL LEATHER
 使い込む程馴染む感じで、丈夫で温かくロープ操作も十分出来るレベルの操作性があります。タフに使ってましたが、さすがに鋸使ってたら破けました。笑

⑩インナーグローブ
 今回の縦走では日中これだけで使用してました。割と温かく、風通しも良いです。スマフォも使えます。すぐ破けそうですが、30日程使って現在まだ破けてません。

⑪ファーストエイド
 先の縦走では靴擦れに悩まされましたが、傷パワーパッドとダクトテープがあって助かりました。あとは捻挫等の痛み止めが大役を果たしていた感じでした。

⑫G3 Alpinist skinとスキンワックス
 Black Diamondに比べてトラクションが落ちますが、急登する必要がなければ十分なトラクションがあります。日当たり良い緩んだ雪では底面に雪付きが激しかったので、スキンワックスは必衰です。Fischer Pro Foil Skinだとそんな事も起きず、グライドも良好そうでスキー縦走には向いているんですかね?

⑬Mammut 6mm-40m
 氷河歩行用に持って行きましたが今回は一度だけの使用で済みました。
 petzl rad lineより少し重たいですが、値段は半分程なので採用!

⑭レスキュー用ギア
 人数や用途の幅で変わりますが、今回はロックビナ2枚、ビナとスリング、4mm*-5mコード2本で行きました。*はメインロープの太さで変わります。

⑮スキークランポン
⑯Petzl Irvis Hybrid (ブーツクランポン)
 今回は持って行きませんでした。フロントは強靭なクロモリで、テールは軽量なアルミ
 爪先の固定もコバ有/無に対応して交換できる為、最高のオールラウンダーでは無いでしょうか。

⑰ハーネス Arcteryx I340
 クライミング用で行きましたが、氷河縦走時は縦走向けのハーネスの方が軽くて使い易くて良さげです。

⑱スノーショベル
 これはこれで軽くていいですが、柄の長さが2段階でショベル面の広いものが使いやすいですね。

⑲プローブ
 今回は長さ260cmのプローブで行きました。

⑳スノーソー
 スノーソーの一番大事な機能を知りました。それは焚火の為に木を切る事。
 上の写真に載せているものは別ですが、先の縦走では裕司さんの日本の鋸(Silky ゴム太郎)が軽くて木も良く切れて最強でした。実際問題、レスキューシチュエーションにおいて木を切る事は必要な場合がある機能の一つではありますが、これはとてもいいアイデアだと思いました。替刃のグリップにテープを巻いただけの軽量仕様もグッドです。
 
㉑MAMMUT PULSE BARRYVOX TRANSCEIVER
 ビーコンは使い慣れたもので行きましょう。


以上、来シーズンの準備もこつこつやりつつ、夏のシーズンも楽しみましょう。


2018年5月23日水曜日

Vol.124 スキーガイドのオフシーズンの過ごし方

冬の後はやっぱこれ!
オラ! ちょうど1年前も同じような登場をしましたが、今回のブログはメキシコから秋山がお届けします。

なぜ私が今メキシコにいるかというと、実は有名なクライミングエリアに来ている、ってわけではなくて純粋にバケーションです。

Vol.75でスキーガイドの1年を紹介しましたが、その中の6月部分バケーションに当たるのが今なわけですね。
というわけで去年はハワイに行きましたが、今年はメキシコに来ております。

メキシコへのバケーションは日本ではあまり一般的ではないですが、北米人にとってはメキシコは超人気スポットになります。日本人のハワイ的なイメージですね。
メキシコのリゾートは太平洋側とカリブ海側の両方があります。私は両側に行ったことがありますが、どっちが良いとは一概には言えず、これは好み(どんなアクティビティをしたいか)によるでしょうね。
海が綺麗なのはやっぱりカリブ海側でしょう。例のエメラルドグリーンの海、青い空、ヤシの木、といういわゆる景色はそこにあります。

いわゆる南国!
さて人気の理由は、主に3つ。

1. 時差がほどんとない
→ リゾートで有名なカンクンは1時間、太平洋側のバハ・カリフォルニア半島はゼロ。
左がバハ・カリフォルニア半島、右がカンクンですね
2. 安いパッケージがある
→いわゆる”オールインクルーシブ”ってやつ。
往復航空券、空港送迎、7泊のホテル、全部の食事、アルコールがついて、一人1000-1500ドルほど。もちろん上のランクで2000ドル越えっていうのもありますが、通常は1500も出せば良いホテルに泊まれます。これって安いですよね!
現地についてからも、城壁に囲まれた地域があり、その中にいくつかのホテルが入っていて、さらにホテル毎にゲートがあるので治安は問題なし。安心して家族を連れていけるわけです。
こーんな部屋が用意されています

3. 温かい
→ この時期は平均30度ぐらい?そろそろ雨季に入るので雲が出がちですが1日降っていることはないですね。湿気はありますが海なのでモーマンタイ!

テキーラ・サンライズ、娘はテキーラ無し版
ガイドによって休日の過ごし方はそれぞれです。もし独身や子供がいなければ、地続きのアメリカに車で行ってクライミングエリアを周るなんていうバケーションもやったりします。それは魅力的ですが、やはり家族がいるとなかなかその手のバケーションは家族会議で得票を得られないので、ビーチでのんびり、これに落ち着くわけです。

ということで2018年のバケーションも満喫。
明日からはカナダに帰ってもう少しだけスキーをしつつ、6月からいよいよ夏のガイディングシーズンスタート。今年はどんな夏のシーズンになるでしょうか!?
冬に放電したパワーもこれで充電されたので、忙しい夏も突っ走ることができるでしょう!

ボートでシュノーケリングに繰り出す
なんかシュールな夕焼け

2018年5月13日日曜日

Vol.123 スキー縦走

こんにちは。星野です。
今年の春はカナダへスキーに行ってきました。最高の山旅を終え帰国すると、家の周りの雪は全部融け、辺りは緑色、すっかり春になっていました。気分は完全にDryRockモードです。

今回僕が行ったのは、スキーと言っても、スキー場やその周り、日帰りで山登って良い斜面を滑るなど、北海道でもよく行われているスタイルのスキーでは無く、スキーを使って数日かけて山を縦走するスタイル。スキートラバース。(北海道にも代表的なものではニセコオートルートいうものがあります)その行程の中には氷河があり、氷原があり、急斜面や細いガリーがありと、とっても冒険的で総合力が試されるものでした。

人が入った形跡がない谷底で見かけるのは、古いビーバーロッジやウルバリン、狼といった動物の足跡。飛行機の音も何も聞こえない「シーーーン」と静まり返った氷原上のキャンプ地で、ほぼ水平方向にゆっくり沈んでいく太陽。日本ではなかなか触れることが出来ない手つかずの大自然に浸る事で、自分が山へ入る理由に非日常的な生活や風景を求めている事を改めて実感しました。

そして、カナダのスキーガイド資格を持っている、裕司さんと谷君、カナダで遊びまくってるボブ、この3人から学ぶ技術、リスクマネジメントの考え方、そしてモチベーション、今回も得るものが沢山ありました。

詳しい旅の様子は裕司さんが自身のブログで日ごとに紹介してくれています。

今回この計画に装備を提供して頂いた、モンベル様、富士ストーブ様、支援をして頂いた日本山岳会東海支部様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

ところは変わって春の北海道。黒岳~東岳へ縦走した時の写真。




北海道にも素晴らしい山、景色があります。もちろんカナダに比べれればエリアは小さいものの旭岳~トムラウシ。そのまま繋いで富良野岳へと、山中泊スキー縦走に素晴らしいルートだと思います。僕はまだこの縦走をやった事が無いので来春のToDoリストですね!誰か一緒に行きませんか?

2018年5月9日水曜日

Vol.122 山について僕が思うこと。(山岳ガイド編)

ご無沙汰してます。谷です。

私事ですが、この冬はACMGアプレンティススキーガイドに合格し、
チームLinkupでカリブー山脈の氷河縦走も成功し、実り多き冬になりました。
色々な先輩、友人、サポートいただいてるモンベルさまにも本当にお世話になり、
ようやくここまでこれたなと思ってます。本当にありがとうございます。
残すところ(試験)あと二つで国際山岳ガイド、日本人初のACMGマウンテンガイドになれるとこまできました。
もうすぐで昔の自分を越えることができるかもしれませんね。
試験のこと、縦走のこと、色々書けるネタはあるのですが、そういうことを考えていたら
少し昔を思い出し、今食べている山岳ガイドという職業について少し考えたくなりました。

僕の個人的な感覚が入ってるので他の山岳ガイドの方とは違うと思って呼んでもらえたら幸いです。

冒頭の写真とともに、今回のカリブー山脈氷河縦走の一コマ。
100Lザック背負ってはチャレンジング。
スキーもできなければ山岳ガイドにはなれない。
ちなみにこの斜面、たぶん初滑降



まず僕が思うガイドと一口に言ってもたくさんの業種があり、バスガイド、ツアーガイド、釣りガイド、などなど数えたらきりがなくこれに職業的に近いインストラクターの方々を入れると、とんでもない数になります。
その中で山岳ガイドは他のガイドやインストラクターの職種と何が違うかを考えてみました。
僕たちはプロなので何に対して対価を得ているか?
これが同じガイドと名前はついてもその職業の本質を指し示していると思います。
山岳ガイドの本質とは?


フィッシングガイドはその漁場に連れて行ってくれる、隠れたスポットに連れて行ってくれること、船を運転することにお金をもらっている。
スキーのインストラクターはスキーを教える事にお金をもらっている。
ツアーガイドは旅行を楽しく、時間どうりに目的地に連れて行ってくれて、チェックインなど身の回りの世話をしてくれることにお金をもらっている。

ではまず基本、山岳ガイドというのは何にたいして対価をもらっているのかというと『安全』です。
そしてこの安全というものは山によって変わります。岩山ならロープ、クライミング、雪山であれば雪崩やスキー、高所登山なら高山病などと危険や技術が変わります。低山であれば、あまり死の危険はないでしょう。またガイドを雇っていく方も少ないです。もちろんペースや天候、落石や鎖場の通過のマナー、ルートのチョイスなどの最低限の安全管理は必要でしょう。
ですがガイドブックや地図を読む人なら基本自分でいけます。
また高山や岩山と言えども山小屋があり、鎖や梯子がある山ならこれも自分たちで行くことになると思います。
それでも雇う理由があるとするならば花や植生、野生動物、その地域の歴史、文化、に精通しているなど、安全とは関係ない部分になります。
つまり、より深い知識を教えてくれるインストラクター系や楽しましてくれるエンターテイメント系の仕事か、
初めての場所や交通の便が悪い(配送サービス)、海外の山で言葉がわからないなど、その他の作業を代行してもらえるサービス業系のものと分かれるかなと思います。
どちらが上でどちらが下とかではなく、プロフェショナルとして僕はこれを山岳ガイドとは呼ばないと思います。
では誰が何のために山にガイドを雇ったのでしょう?道案内?それならこのご時世もういらないですね、多数のガイドブックが出ていて、グーグルアースあり、GPSもある。
お金払わな行くてもいけるわけです自分たちだけで。

バカブー氷河、これを通過するのに昔の人もやはり『何か』必要と思ったわけです。

山岳ガイドの起源は氷河です。昔の人たちも氷河という何かわからないけど、クレバスがあってやばい、それはわかってたわけです。
それを通過するためにロープのスペシャリストとして山岳ガイドは生まれました。
起源はヨーロッパにあります。
急な岩場とか、難しい氷壁ではなく、夏の氷河通過するために生まれたのです。
またスキーガイドもスキーインストラクターと違って氷河のある山に行くのでやはりロープの技術が必要ですね。
なのでこちらのスキーガイドは日本語で言うと山岳ガイドに含まれます。
そしてそれが派生して、高度な岩登りをする山岳ガイドが出てきたり、
冬の新雪をスキーする山岳ガイドが出てきたりして雪崩や落石を避ける技術や知識が
派生してきたわけです。
山岳ガイドは原点はロープ職人ということになります。
僕たちはロープ一本とカラビナが数枚で基本、救助など全てのことをできなければなりません。それが山岳ガイドになるための試験なのです。

今では人々が世界中、季節問わず色々な山に行くようになり、切り立った岩塔を登るなら転滑落、高山なら高山病、冬なら雪崩、凍傷など、色々な危険が増えてきました。ただ本質の安全を確保するは変わらないわけです。
危険を察知して判断し、その場所で正しい技術を使い、安全に通過する。
これで収入を得ているわけですね。
つまり言い換えれば僕たちは登りのプロでもないし滑りのプロでもないのです。
プロ野球の一流プレイヤーが一流の監督とは限らないと似ている気がします。
もちろんその中には登りのプロで山岳ガイドの人もいます。滑りがプロでガイドも、もちろん雪崩学でガイドも、
でもどちらが山岳ガイドに必要かというと強いクライマーではなくゲストの安全を確保するという技術と知識、そしてそれを実行に移せる判断力、行動力のことだと僕は考えます。また実際それを試験で評価されます。
山岳ガイドという技術、能力のカテゴリーがあるわけです。
なので日々トレーニングしないともちろん衰えていきます。
登る滑るだけではなく山岳ガイドのトレーニングをしないといけないんですね。

岩場で高難度のルートを登っているだけではガイドにはなれない。
でもガイドになってからは自分の登り滑りをやらないと良いガイドにはなれない。
そしてクライマー崩れがガイドにはなれない。
スキーヤー崩れがガイドにはなれない。
ガイドになるにはガイドのトレーニングをしなければならない。

また山岳ガイドもサービス業と考える方もいますが、それは二次的な要素であり、安全というもがあって初めてエンターテイメントの話になると思います。
楽しいというのは安全があって成り立つもの、戦争があったり、被災したりしては山は行かないですよね。平和、安全があって初めて他のことが生まれるかなと思います。
なので無口で技術のある山岳ガイドと、話がうまく気が利く危険なガイド、どちらが本質なのかわかりますよね。

今度は収入や社会的地位で考えて見ます。
山岳ガイドというのは日本ではかなりマイナーな部類に入ると思います。
そしてカナダでも地域格差があるので山がないエリアだとまだまだ何それって感じですね。
ですが山があるエリアでは人気があり、特にスキーガイドはカナダ西部の若者がなりたい職業に入ります。みんなヘリスキーでガイドしたいようですね。
ちなみに歴史的に見てもカナダはヨーロッパの国以外では初めての国際山岳ガイド加盟国
でそれだけヨーロッパのガイドが仕事に来てカナダのガイドを育てて来ました。
給与も他のガイドと呼ばれる業種より比較的高く、
日当は会社に勤めていて(電話やメールのやり取りや顧客とのやり取りの仕事なし)
$300−450、
プライベートの相場は$500−700
そしてロブソンやアシニボインなどのビッグマウンテンになると$1000超えです。
ぜひ今後日本からくる若者にも目指して欲しいですね。
自然の中で仕事ができる職業ではかなりいいと思います。
それでもヨーロッパのような国家資格ではなく、マッターホルン登頂、日当$1500とはいきません。
アシニボイン山頂の一コマ、ガイドとしてゲストと夢を共有するのは最高の時間でもあると同時にどこで引き返すかを常に問われ続ける過酷な時間でもある。

では山岳ガイドにカナダでなるには全ての試験を一発合格したとして道具など入れて最低大体500万くらいかかるのですが、これって日本でいうと教材、学費を入れた弁護士とほぼ同額になるようです。
こんなにかかる資格ってそうそうないですね。
まあなので数は少ないし狭き門ですね。しかも弁護士なるのに死なないですが、
山岳ガイドになるためにどれだけの若者が命を落としてきたか。
それを考えると難しいのはどっち?

高収入を求めるなら安全にできる仕事を探そう。
人を使って自分の働く時間を減らそう。
山岳ガイドの日本の平均日当3万として
毎日晴れたとして300日働いていくら?
たった年収900万、
50歳になってもこの値段?
命をかけても?
あなたはガイドが好きですか?
山が好きなだけなら他の道もあるはず?


最後になりましたが、山岳ガイドになったからといってそれがゴールではないとも思います。
山岳救助隊も、雪崩従事者も、山小屋も、メーカーも、メディアも北米では山岳ガイドの資格を有しているものがこの業種で働いています。
半分ガイドで半分違うことをすることによって怪我や事故があった時のバックアップにもなります。
専業ガイドもありですが半ガイド半〇〇、この形もありだと思います。
日本でもアウトドア関係の会社や組織に最低でも一人、山岳ガイドの資格を有したものがいることが、レベルの底上げにもなり、また同じ技術、知識、言語を理解できると言う意味でも関係強化、遭難防止にもつながり最終的には登山文化の発展に一役かうのではないかなとも思います。
山という文字がつく職業についている限り、どんな形でも山で食っている限り、
プロフェッショナルであり続ける、これが山岳ガイドの向こう側なのではないか?
登り続ける、滑り続ける、その先にあるものとは?

穂高北尾根での救助の一枚、またヘリコプターにぶら下がる日が来るのか?
ここに戻らない限りあの頃から一歩も進んでいない。



僕が思う山岳ガイドというのはクライマーでもスキーヤーでもなく、山岳地域での安全のスペシャリスト。
この資格がベースとして全ての国の山の業界が発展していけばいいですね。

ではまた。





2018年5月3日木曜日

Back number Vol. 119 Wapta Traverse English Version


This story was written by Bob Kikuchi
                                                                                      Translated by Yumiko Mori



I am going to talk about my recent adventure of Wapta Traverse that I have wanted to try for a long time.
 "Wapta Traverse is called as a all route in the Rockies which connects the ACC huts in the region and become the total of 50km length. Eighty percent of the route is covered by the glacier so it's known for its impressive view. Also since the route took us from one hut to the other we could reduce the amount of gears that we have to carry."
                                                                                       Quated by our member Akiyama's Blog


Route map

Day 1:Peyto Lake - Peyto Hut
Distance:13km Time:6h45min
Ascent:864m↑ Descent:286m↓

 
Walking on the frozen lake



We left the parking lot a little before noon and headed for the first hut, Peyto Hut.
From the parking lot, descending a little down toward Payto Lake.On the way, there were a few sections that we had to take off ski to cross the stream or pass through the surface that needed crampons, we managed to make it to the hut. The extremely strong wind was blowing from all directions and there were high chance of losing gloves so if you are heading there, I really reccomend to bring an extra pair of gloves




My partner's smile just before the wind took her gloves away
(We managed to retrieve them though...)


Right before getting to the glacier part, it became whiteout. The only thing we can rely on here was GPS but we got to the hut safely. In a retrospect, I would say under that condition the section could be the crux of this trip...



Day2:P2eyto Hut - Balfour Hut
Distance:13km Time:6h55min
Ascent:545m↑ Descent:641m↓

We woke up expecting the nicer weather on that day. However, the condition was same as the day before( Complete whiteout...) Yet we checked out the hut at 9 and dragged ourselves to the another day of adventure. The destination for that day was Balfour Hut.


There was a big crowd and guides and we followed their trail but they were heading to Bow Hut so we diverged onto another direction. I have never experienced crossing the glacier under the absolute whiteout condition so even I was carefully making my way while ensuring that I didn't change any altitude and moving straight but ended up I was far right side than I expected to be. After a little discussion, we agreed on that I would be in charge of route finding and the other two woud be checking the location with GPS and communicating with me to save time and become more efficient.

In the end we walked little more than we were supposed to our strategy turned out to be a successful plan. Until the St. Nicholas Pass, it was a complete whiteout but somehow ( I assume since it became east side of the divide) the visibility became much better. So we took off the skin and did very challenging ski along the powdery surface of the glacier. After breaking trail we got to the Balfour Hut.

Since there were nobody in the hut we started to celebrate for the day with some goodies. Yet due to the limitation of supply we had to call it for a day after an hour...well at least we had a good time.


Day3:Another day at Balfour Hut

As the forecast said that day were welcomed by the perfect whiteout. Due to our experience of this route and the terrain that we were suppose to go through for the day( Today's route include glacier that has crevasses) we decided to stay at the hut for another day. We spent the day practicing the crevasse rescue and playing cards.


IOTA



Day4:Balfour Hut - Hwy1
Distance:22.2km Time:9h20min
Ascent:691m↑ Descent:1471m↓

This day was said t be the only day to become sunny of the week. And it was the day we were waiting for.

Waking up at 4:30 am and looked at the outside through the window... Cant' see anything. Slowly getting ready and checked out at 6.... not yet... At aroud 6:30 we noticed the chance of getting a better weather and visibility so we checked out and headed to the crux for the day. At aroud 7am the sun started to rise and at the same time the cloud started to dissapear.

Getting excited for the visibility after going through the multiple days of whiteout


My glacier experiences were only at Bugaboo in 2015 and Waddington in 2016.
And from my painful experience at Waddington I was little nervous for this trip. But overall it was great route and tottally undersatnd its popularity.

Crux crevasse section 

Nevertheless, there was an accident two years ago at this route and the condition was far from perfect we were very carefull during the trip.
Turning on the speaker after passing the crux 

Dancing 1

Dancing 2



We've only got to go back

Mt.Nile 2970m  Grandeur presence 

From here the only thing to do is skiing down. Easy to say...well it was almost flat surface and couldn't gain much speed. It was kind of exhausting part. After getting to the trees and walking through the lake ( started to melt)  we arrived at the Great Devide Lodge.



Can't turn!!!


Overall this trip was very successful and fun trip. Although the condition wasn' an ideal, we had an amazing team work and encouragement from each other's company


From next week I will be heading for an another adventure Northan Cariboo Ski Traverse for 10 days.

Thank you for reading!