チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2016年1月18日月曜日

Vol.3 カナディアンロッキーでの登頂 テンピークス Mt リトル 



初めまして、カナダでACMG(カナダ山岳ガイド協会)公認のアプレンティスアルパインガイドをしています、谷と申します。


日本で知られているカナダで山といえば、ハイキング、またはアイスクライミング(これを知っているのは一部のクライマーさんなので今後頑張って日本の一般登山者にも紹介したいですね)になると思います。

ただ皆さん思ったことはないでしょうか?アイスクライミングの途中で『あのピーク登れるんかな?』ハイキングの途中で考えたことないですか?『あの山登られてるんかな?』と。

はっきり申しましてカナディアンロッキーの見えている山、すべて登れます。
道路から見えている山なら尚更です。

ということで今回はどんな山が登頂できるのか。そしてどれくらいの体力が必要なのか?技術はいるのかなど、少しですが簡単に説明したいと思います。


ということで、第一回目はテンピークスになります。
ここはテンピークスのMtリトル(3140m)の肩から眺める、Mtテンプル(3543m)です。
この角度からのモレーンレイクはなかなか見れませんよ。
ハイキングで有名なラーチバレーに行ったことがある人なら聞いたことあると思います、
テンピークス。
10個の山々が屏風絵のように並んでいる姿は圧巻です。
ちなみにこの写真の下に見えるのはモレーンレイクという、カナディアンロッキーでは有名な観光地で旧$20札の柄になったほどです。ラーチバレー、センチネルパスも左端によく見えています。

この写真がモレーンレイクから眺めるテンピークスです。
お札の柄になるのもうなずけますね。ここまで車で普通にこれます。
カナディアンロッキーに来られた方なら必ず見ているこの景色。
でも見ているだけじゃもったいない、さあこの山々に登りましょう。



テンピークス第2の山、Mtリトルには素泊まりの山小屋があり、泊まって登頂することが出来ます。
値段も$40くらいで手ごろです。
もちろんここからMtフェイやテンピークスの他の頂上にも立てます。
カナダ山岳協会が管理している素泊まりの山小屋です。綺麗ですし快適ですね。
ガスコンロ、マット、食器、鍋、フライパン等、すべて完備しているので
持っていくの食料、寝袋、ヘッドランプなどのお泊りセットだけです。

ラーチバレーより。先ほどの小屋側を眺める。
ここまでのハイキングは日本の旅行会社さんがたくさん募集ハイキングをしてますし、個人で行っても素晴らしいハイキングコースです。

テンピークスは登れます。
この山の登り方をカナダ人を含めほとんどの方が知らないだけなんです。
登り方としては1日目、モレーンレイクから小屋まで6~8時間かけて登りましょう。
標高差は1100mほどです。
日本、ヨーロッパのような整備された登山道ではありませんが、ガイドブックにもしっかり表記されてるルートですので、ある程度の踏み後や確保用のボルトがあります。自分でルートファインディングする楽しさを、本当の山に登る喜びを思い出させてくれます。
小屋までのルートは、シーサーリッジとペレンルートの二つがあり、前者の方が少し難しいですね。
シーサーを登り、ペレンを下りに使うのが僕のおすすめです。
理由は、登ってみてのお楽しみ!!
2日目は小屋からMtリトルへ約1時間半~2時間かけて登頂するのが一般的で、そのまま下ります。勿論小屋に数日滞在して他のピークを狙うのもありですね。
技術的には日本で言う3級、5.5が登れて、懸垂下降ができれば行けます。
さらにカム、ナッツが使えれば余裕をもって行けます。
体力的には上高地ー奥穂高ー上高地一泊二日でいける方なら問題ないと思います。
強いチームなら日帰り可能です。



ただ冒頭の写真でもあるようにフェイ氷河の横断がありますので単独はお勧めしません。
と言いましたが、しっかりクレバスレスキューの勉強していれば、それほど心配する必要はないと考えます。大きなクレバスが少ないのもフェイ氷河の特徴です。
よく氷河は危ないと言いますが、そんなこと言っていては一生行けないですよね。
講習会に参加する、ガイドを雇う、それによって行動する範囲はとても広がりますよ。

不安がある方はガイドを雇いましょう。不安な個所はすべてやってくれますし
安心、安全です。


ヘリやロープウェイ、ゴンドラを使わず、自分の足だけで登れる氷河のある山、テンピークス。
是非カナダに来る方、ワーホリで山に登りたい方、楽しんでください。
ルート等に質問があればお問い合わせフォームからお願いします。

では、また次回。



行程:通常、一泊二日、または二泊三日
ギア:アイゼン、ピッケル、ザイル60m一本、カム紫~黄 ナッツ1セット 
アルパインドロー数個、その他クライミング、氷河の個人装備

0 件のコメント:

コメントを投稿