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2017年7月13日木曜日

Vol.80.カナダのアルパインガイドの一年






みなさん、ご無沙汰しています。谷です。
今回は裕司さんから始まった〇〇の一年シリーズに乗っかって見たいと思います。
ニアミスの鬼カネイワにも乗っかりたかったのですが、ちょっとニアミス、事故等は重くなるんで
2回連続はやめておきます。(笑)
今日はあくまでアルパインガイドという一つだけの資格で山で一年中仕事があるという前提で話します。語弊がないように。
ちなみに国際山岳ガイドやスキーガイドの資格、ロックの資格など夏冬で分かれている場合だと職業は成り立ちます。
でも日本人はあんまりオールラウンダーいないですよね。
特にクライマーはスキーする人いないし、スキーガイドは日本で十分なくらい雪最高だし、ツリーランとか思い出しただけでも、んー楽しすぎる。
羊蹄山でもBCスキー
日本最高!!
あと自分のスキーを突き詰めるなら冬の穂高や不帰など北アルプスに入る気があれば世界トップクラスの滑降ができますしね〜。他の国に行く必要があるかというと…。
でもアルパインロックやアイスクライミングになるとやっぱり他の国に行くわけですよ。なのでその辺を踏まえて話していきますね。

さてACMGアルパインガイドの一年ということで話を始めたいのですが、まずみなさん山岳ガイドって聞いて
真っ当な仕事をしていると頭に浮かぶ貴方。もう真っ当じゃありません(苦笑)というか山に頭の半分は汚染されてますね。
日本でも、北米でもというかヨーロッパ以外の国では山岳ガイドと聞くと「あー季節労働者ね」という反応が都市部または山をしない方々の中では当たり前の反応になっています。これは否定することはできません。やはり収入があまりなく、その土地に根付いていないわけですからよく思わない方がいて当然なわけです。(その山の地元に税金払ってますか?)なので改善するためにも山を生業にする人間で頑張って行くしかないですね。

僕が小屋番だった頃は、地元の方々に夏、涸沢で冬は白馬、ニセコですなんていうと、あー腰を据えれない根無し草の風来坊。
フウテンの寅さん的な目で見られたものです。なのでなかなか土地に溶け込めず苦労しました。大阪出身ですし。
その頃、生き甲斐が山岳救助だった僕は遭対協に入るためにもすぐ空き家を借りたのを覚えてます。(一年の中で一ヶ月も住まないのに)そして全てが少しずつうまく回り始めたのです。それでも借りた家(松本市郊外)周辺で仕事を探すのはなかなか困難でした。

え、じゃ白馬なら夏もいいじゃないですか山の標高も高いし、仕事もあるなんて若い方。
妥協してないですか?本当に夏の白馬でいいんですか?貴方にとって夏も一番ですか?その場所がってことになるわけです。
富士山ガイドでお金稼いで、貯めたお金で遠征登山。でも結局夏だけ仕事して冬はそこにいないわけです。
僕の場合、夏の穂高はアルパインクライミング、登山の日本最高峰、でも冬は仕事がないので松本で小屋番の先輩に紹介されて石工職人の弟子入りしたり、乗鞍高原スキー場のパトロールの人に拾ってもらったりして本当にいい時間を過ごさせていただきました。ですが一年通じていいかと言われるとやはり移動しているわけですね。渡り鳥のようです。

カナダも同じで、冬いいところは夏仕事がなく苦労します。パウダー天国的な場所は夏、仕事が林業とか限られた仕事になるわけです。
夏スコーミッシュで、冬レベルストーク、ネルソンなんていうと聞こえがいいですが、冬と夏で住む場所が変わるのは本当に大変なことだし、地元に根付くという意味では難しいことは違いないでしょう。

世界的に見ればシャモニー、ツエルマットなど一年中通して
ハイライトがある街がありますが、実はこれすごいことなんですよ一年中いいということは。
つまり世界中見渡してもほとんどないわけです。

そしてほとんどのガイドが冬、スキーガイドせざる得ないわけです。
アルパインガイドといえばアイスクライミング!!


ちなみにバンフ、キャンモアどうなのって、こここそがスキーをしないあなたにとって、最高の場所なんです。
アルパインガイドにさえなれば一年中、世界最高峰のことができます。
パウダースキー、BCスキーは良くないバンフ。(前も説明しましたが、日本でいう八ヶ岳と同じ気候のエリア、低温、小雪)
春の氷河スキーはともかくACMGスキーガイドは基本的に3月までバンフ、キャンモアにいません。
ですが雪が少ないイコール、アイスクライミングがいいわけです。世界最高のアイスクライミングエリア、バンフ国立公園。
バンフ、キャンモアでアルパインガイドにさえなれば冬はアイスクライミングの世界最高峰。夏はカナディアンロッキーの高峰や氷河登山、バカブーまでガイドできるわけです。(冒頭の写真、これも世界トップクラス)さらに地元に密着した暮らし、そして登りができるわけです。
山というのはやはり季節によって良さが変わります。なのでどうして冬の仕事、夏の仕事で分かれてしまうわけですね。
ですがキャンモアにさえいれば全てがモウマンタイ!!
しかも一年中働けるので日本でいう正規雇用と同じ待遇が受けれます。
厚生年金や社会保障も充実して受けれるわけです。つまり、好きなことして生きてるのに安定した生活がここに!!


さあアルパインガイドの一年を写真を通して見てください。山の業界で世界最高峰が場所がそこにあるのです。


冒頭の写真とともに。
ここどこだか知ってます?
カーナーダーのバカブー!!
ここでガイドできるなんて最高!!
Mtヤムナスカでのマルチピッチのガイディング。300mの壁がわずか1時間のアプローチ。
キャンモアから車で30分。氷河登山したあとのレスト日にいかかが?

北米のマッターホルン、アシニボインでの登頂ガイド。
去年は頂上直下で断念しましたが今年もいきますよ。登るぞー。


オーロラの下アイスクライミングガイド。世界最高のひと時。


いやーカナダのアルパインガイドやばいっすね。でも僕は今年の冬からACMGスキーガイドプログラムを受け始めます。
なんで?って話ですが、まあ趣味の域ですね。受ける必要が生活面であるかと言われればないかもしれません。
でもスキーもクライミングも両方できるって二刀流大谷選手みたいでカッコいいじゃないですか!!
世界最高峰と言われるACMGスキーガイド、書類選考をパスするのが難しく、倍率20倍。
みんな3−5年かけて書類審査受けるくらい人気なんすね〜やっぱりヘリスキー、キャットスキーは楽しいですもんね。
どの国の人もヘリコプターは皆んな大好きってことですね。

さて最後になりましたが、じゃ日本だとどこがいいの?って話ですが、上高地周辺がやはり全てにおいていいと思います。スキーもいいし、アイスもいいし、アルパインできるし、夏の岩場がイマイチですが、松本、いいジムありますしね。街も渋い。
ただカナダに来てからは僕はやはり旭川周辺かなって気もしてます。人が少ない。青巌教でクライミング。カミホロ、層雲峡、でアルパインやアイス。カムイ岩でミックス。富良野周辺のBCスキー。最高っすね。標高高い山がないってだけ。
あとのエリアは冬ダメだったり、夏ダメだったり、混みすぎてたり。んーむずいっすねやっぱり。

ということで結局キャンモア、バンフが恵まれた場所かという話になっちゃいました。
土地は人を育てるわけです、やはり。  
なので僕は苦しくとも、仕事がなくとも、山のそばに暮らしたいですねー。それこそが登山、スキーの文化を育てていくことなのかもしれません。では!!




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