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2018年6月21日木曜日

Vol.128 育児の鬼が5.12を登るまで - その1 -

お晩です!スノーシーズンが終わり、山はすっかりグリーンシーズンですね。

無雪期に山に行くのを抑制することで家庭内のポイントを稼ぎ(本当に貯まっているのかは不明)、冬にそれをやり繰りして山に通いながら、なんとか正気を保っているカネイワは、現在完全に育児の鬼と化しております。青春を謳歌する者たちを怨みながら、湿ったおむつや子供がまぜまぜした納豆とみそ汁の残飯を胃に流し込む、恐ろしい怪物であります。子供が生まれてからは(お陰様で息子も2歳になりました)、この時季になるといつも行き所の無い脳内物質と書くことの無いブログ当番の処理に困っております。

最寄りの岩場の1つ、河又

しかしながら、今年は幸いにも4年に一度のワールドカップがあります。家にいる間、育児と家事以外にほとんどすることのない今(これを妻に読まれると多分すごく良くないことになる)、小中高と中途半端にサッカー部に所属してきた(途中で入ったり辞めたりしてきた)私としては、日本代表の試合を観戦することは欠かせません。これほど真剣に、ハラハラドキドキしながら観戦できるスポーツ、優勝する見込みがほとんど無いとわかりながら、それでも応援できるようなチームは他に無いからです。

本来は未だ興奮冷めやらないワールドカップ・コロンビア戦について書きたいところですが、さすがに誰にも求められていないので、前置きはこの辺にして本題に入りたいと思います。

巧さと狡さをあわせもつウルグアイのFW

クライミング略歴

私がクライミングを始めた(近所のボルダリングジムに通い始めた)のは2012年の冬でしたので、今年で7年目に入ったということになります。それでいてレッドポイントの最高グレードはいまだ5.11aを超えず、最近は自身を「非クライマーであり山スキーヤー」と定義することで「難しいクライミングはしなくていい」と自分を甘やかし続けてきました。サッカー日本代表の試合を最も楽しめるのが、リアルタイムで観るアジア最終予選であるように、クライミングが一番楽しめるのは5.9-の爽快なマルチピッチのオンサイトであると信じて止みません。

キャンモア至近のマルチピッチルート。こんなのが沢山あれば...

とはいえ、同時に成長しない自分へのもどかしさや情けなさも痛いほど感じています。なにより、5.9くらいのマルチピッチが無数にありそうなカナディアンロッキーならいざ知らず、そういうルートが数えるほどしかないような日本では、このままでは先がありません。

やりたいことが他にあればいいのでしょうが、2006年に屋久島の太忠岳を訪れて以来、あるいは2011年にはじめて瑞牆山に登って以来、このような花崗岩の岩峰に自由に登ってみたいという願望が消えないのです。それならば、もう少しクライミングを頑張るしかない…ですね。

小ヤスリから見た瑞牆山の岩峰群

目標を設定する

ここ数年、冬~春に山スキー、夏~秋にクライミングというサイクルで、そのクライミングも戦略なき練習でただがむしゃらに登ることにより、シーズン途中で肘を痛めて中断。そのままの流れでスキーに逃げる、というサイクルを繰り返してきました。2014年以来最高グレードも更新していません。これまで自分はクライミングが苦手で「努力しても5.11程度」とさして努力もせずに言ってきました。「一番強かったのは自分で作った壁だった」と言えるでしょう。

一方でポテンシャルはある、と周囲にはごくたまに言われてきました。ときに「前腕は五段」と称される腕の太さだったり、無駄な筋肉質が誤解を生んだ可能性はありますが、運動神経は悪くない方だし(そこまで必要はなさそうですが)、脚は強いはず。柔軟性はそこそこで身長は164センチと低いけれど、62キロと極端に太ってもいない(BMIが23.05で適性体重から+2.83kgと出た)。クライミングのセンスは感じられませんが、もう少し頭を使って努力すれば、もっとできるはずだ。

まとめて譲ってもらったクラシックな本たち

そこで、今回はちょっと高めの目標(あくまでも自分の中で)を設定したいと思います。ここに友人にもらった良い本があるので、これにならい「5.12(a)」とします。よく「普通の人でも登れる」と言われるグレードではないでしょうか。しかし目標を設定して宣言しただけでは、敗北宣言をいとわない私は、また雪の便りとともに山に逃げてしまうでしょうから、なんらかの「制約と誓約」が必要です。

なので、これをクリアするまで滑らないという心構えを持った感じでいきたいなぁ、となんとなく考えています。ん?

それだけだと少し弱いな。

早まるな。5.12を登るまで山スキーをしないというのはただの前提条件だ。

それじゃ、どんな誓約(ルール)を?


はずはありませんが、それなりにこだわってやっていきたいと思います。

具体的な方法

情報が溢れていて何を信じていいのかわからないので、もう教科書はこれ(1997年と少し古いバージョン)でいこうと思います(リン・ヒルも褒めているし)。トレーニング理論やコンディショニング論は日々進化していると思いますが、グレードは昔から変わっていないはずなので、5.12までならきっとこれでいけるでしょう。本の内容はこれから著作権に抵触しない程度に触れていきたいと思います。

この中身がずっと気になっていた

それと、今まで自分自身を信じられないこと、そして理由なき恐怖(支点が比較的しっかりしたスポートクライミングでも落ちるのが恐かった)から己の限界を設定し、それが足かせとなって成長することが出来なかった(と思う)ので、今回は他者、すなわち自分より経験や実力のあるクライマーの言うこと(その考え方や方法論)を信じてみようと思います。

具体的には、身近にいるエリートクライマー・メタフォース様の言ったこと。すなわち「忍者返し(最近やっと登れたボルダーの登竜門的な課題)が登れれば、イエロークラッシュ(小川山にあるという5.12a)の核心はできるし、このルートを登る力は確実にあるだろう(何回のトライが必要になるかはわからないが)」というもの。私が最終的に登りたい「岩峰たち」は花崗岩であることが多いので、できれば同じ花崗岩のルートを攻めて、切羽詰まったら「お買い得」と呼ばれるようなルートを打ちまくる感じでいきます。

あとは、いかにポイントを失わずに岩場に出かける(目標のルートにトライする)機会を作るかですが、それよりもまず日々のトレーニングとコンディショニングを充実させることが大事になりそうです。

巻末あたりにあるピラミッド図を汚す

さて、早速この本にしたがってこれまで登ったルートをたな卸ししてみたところ、限界グレードである5.11aを登ったのはいずれも石灰岩で割と「ワンポイント核心」のルートだらけでした。今のところ、花崗岩の、それも12aとか全然登れる気がしていませんが、最悪登れなかった場合、メタ様の指導が悪いということにするという逃げ道を残して、しばらく頑張ってみたいと思います。

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