チーム「Link∞UP」は日本と北米の‘愉快で有益な’「マウンテンライフ」情報を日本と英語圏において共有をすること。 その生活を‘一生懸命楽しんでいる人達’のコネクション強化を図ることを目的に活動しています。 日本や北米でのマウンテンライフについて情報の欲しい方や私達に興味のある方はお気軽にご連絡下さい。

2019年1月3日木曜日

Vol.155 花崗岩大国ニッポン滞在と雑感


錫杖岳前衛壁 5年ぶりの再訪に感動 
皆様、2019年明けましておめでとうございます。
今年もメンバーそれぞれが自身の活動そして情報共有のためのブログと
頑張って行きますので、
リンクアップを宜しくお願いします。

11月にカナダに帰国してフルタイムで働きながら、
週1のペースで山へクライミングへ出かけている。
週に1回だけ?と思った方、さぼっている訳ではありません。
日本で読んだスキージャンプ界のレジェンドこと葛西先生の本を読んで、
感銘を受けたのがきっかけ。
「年齢を重ねるにつれてトレーニングの量と質を考えなくてはいけない」。
ということで、今シーズンは1日集中作戦で
アルパインのトレーニングを積もうと考えている。そして、空いた時間は基礎筋力トレと身体のケアに充てていて、今のところ、まずまず良い感じ。
これが春の目標にどう出るか。

さて、今回は新年1発目は1か月半の花崗岩大国ニッポン滞在の雑感とその時に感じたリンクアップとして目指すべき所について書いて行きたいと思います。

小川山1日目は
最高ルーフ(10d)。
笠間のピンキー(10C)とバイパス(11b)から継続すると充実感満点
秋のベストシーズンに是非再訪したかった小川山と瑞牆山。昨今ワールドクラスのクライミングが実践されている場所。折角、日本に来たのだから玉砕覚悟で花崗岩のスラブにクラックと戯れたい。ロッキーで石灰岩慣れしている私にとって足で登っていくクライミングというものを再認識させられた。ロッキーで会ったMくんやらリンクアップ仲間である星野にもお世話になり楽しい1週間を過ごすことができた。

静かな廻り目平キャンプ場。
小川山のキャンプ場では北海道ガイドチームに混ぜて頂き、焚火をしながらガイド文化の話、ガイド技術の話などを聞かせてもらう。昔ではなかった会話に自分もガイドなんだなと改めて感じた瞬間だった。話で印象に残っているのは日本のガイド組織も少しづつ成長していると言われたこと。カナダ山岳ガイド協会もここ数年でどんどん良い組織になっている。その中で自分なりのガイディングを模索していくことができるのは幸せなことだ。

クラシックなベルジュエールの大フレーク
アルパインクライミングには花崗岩の方がトレーニングになると感じた。たとえボルトルートであっても微妙な足使いやメンタル的な部分が石灰岩よりも感覚が近い。逆にハードなミックスやアイスクライミングには石灰岩で被ったルートを登った方がトレーニングになる。

終了点から瑞牆山を望む。次回はヤスリ岩に行ってみたい。
少しでいいからこの花崗岩の岩塔をロッキーに立ててくれ。もうバカブーをゲレンデにするしかないな。

信濃川上駅
33歳になってマカルー80L(アライテント製、120L以上の積載量を兼ね備える最強のザック)に荷物を満載して鈍行電車に揺られる自分。まだ若いなと思いながらも学生時代とやってることが同じなことに半ば不安を感じてしまう。人生一度きり、自分を信じて山を続けよう。

小川山からそのまま錫杖へ転戦。北沢デラックス(12c)へ。

頼もしき東海圏のエースHくん
花崗岩のアルパイン道場といえば錫杖岳。この北沢デラックスとてもいいルートでした。
特に2p目の上手くクラックを繋いだ60ⅿは素晴らしいの一言。初登者の心意気が伝わってくるライン。自分の実力が見合ってないのが心苦しいけれど、また強くなって帰ってこよう。最近ではウィンタークライマーズミーティングの世話役を務めるなど活躍中のHくん。東海圏では数少ないアルパインクライマー。同じクライマーでもアルパインクライマーじゃないと共感し合えないものがある。

日本の紅葉と焼岳


今回のハイライトの一つ。ご馳走して頂いた生ガキ。こんな大きいのは初めて。

某シークレットボルダー 豊田周辺にて
花崗岩=ボルダー最高。ロッキーに来てからボルダー=ジムなのでこれは触っておきたいということで学生時代働いていた「クライミングジムズットン」メンバーと一緒にボルダリング。リンクアップのスライドショーでも話した「環境がクライマーを育てる」ということ。日本でボルダリングが異常な人気なのはそれだけボルダーが充実してるということ。目的に応じて国や場所を選ぶこれがクライマーとして成長する近道かもしれません。大きな壁を登れるクライマーになるためにロッキーに住む。これが正解かどうかはこれからのクライミングで証明していきたいことの一つ。

我が東海支部の面々と。ホームゲレンデ御在所岳にて
瑞浪の看板ルート アダム 
雑誌の編集などでお世話になっているOさんと岩場でばったり
日本滞在中にはガイドの方以外にも登山関連で働く方々と話す機会が何度かあった。その中で話題になったのは、スポーツとしてのフリークライミングやボルダリングそしてキャンプなどのアウトドアが流行する一方で、元来の「登山文化」自体は衰退しているのではないかということだった。山岳部の後輩達と話してもフリークライミングやキャンプはするが、山には行かない学生がほとんどだった。計画も面倒だし、お金もかかるし、時間もかかる。山に入れば不便なことが多い。理由は様々だと思うが山に入ればそれを補って余りあるほどのものを得られることを私は知っている。だから私は今も山に向かい続けているし、ガイドという仕事を通じて多くの人とその経験を共有したいと思っている。登山関連で働くごく一部の理解者の方々も本来あるべき山の本質が消えかかっていることを危惧しているが、今の状況で何をしていくべきなのか答えは見えていないようだった。


リンクアップ兼岩の珍しいクライミングショット
スライドショー後のクライミング後の打ち上げ
リンクアップのメンバーは活動場所も内容も違えど、「山」というフィールドで活動している。だからこそこのブログを一緒にやる意味もあるし、スライドショーなんて大変なこともやる価値はあったと信じている。具体的にその問題に対してどうすればいいのか答えは簡単じゃないが一つやり続けなきゃいけないことは自分自身が「山で楽しむこと」そしてそれを「表現して伝えていくこと」だと個人的に思っている。今回のスライドショーでは「登る人」を主催して山や自然を舞台に挑戦している人達を紹介している朝日さんにも大変お世話になった。これからも自分の都合がつく限り、山の魅力を伝えようと努力している人たちと連携しながら活動していければいいと思っている。

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