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2018年8月12日日曜日

Vol.136 カナディアンロッキーの登頂 その10 Mtアシニボイン



谷です。

さて、この登頂シリーズ記念すべき10回目。
アシニボイン3654mです。
このシリーズはカナダの山をもっと知って欲しいために
基本皆さんが知らないであろうピークを書いて来ましたが、
カナダにクライミングにくる若者も増えて来たので、ぜひ彼らにも町から近い岩場で夏を過ごすのではなく山に登って欲しいという願いを込めクラシックと言われる名峰も
書いてみたいと思います。
ちなみに過去9回のバックナンバー(ぜひ見てください。こんなにカナダの登頂できる山を掲載してるサイトはここだけ!!)
Mtヤムナスカ
バウンダリーピーク
ハーリンピーク
バカブー イーストポスト
ロダーピーク
テンピークス Mtリトル
ウィルコックスピーク
Mtバルディ
ワプタ Mtトンプソン

この山自体の説明はたくさん色々なとこに書かれているので省きます。
簡単にいうとアシニボイン族のテントの形に似ていて、そのテントの中にストーブと煙突があってテントから煙がたなびいている姿が、この山と雲と似ていたという説があります。
よく北米のマッターホルンと言われますが、ヨーロッパのガイドからすればマッターより難しく危険のでガイドあんましたくない、というのが本音だそうです。
理由は、人がいなさすぎるので、整備が基本的にされていない。踏み跡すらよくわからない。
これに尽きます。カナダの山は基本的な登山を日本でしているだけでは登れません。
なぜなら、山の本質である、冒険的要素が残っているからです。
ほぼ人の痕跡がない場所。魅力あるでしょ!!
ハインドハット
小さいがいるものは寝袋と自分の食料のみ。あとのコンロなどの生活用具はは全部小屋にある。

さてまずアプローチですが、アシニボイン登山のベースになるハインドハット(要予約、予約は簡単emailか英語話せるなら電話)へは3つのオプションがあります。
まず、
一つ目、 Flight in 
キャンモアから車で50分ほどのMtシャークというエリアからヘリでアシニボインロッジへ飛び、3時間〜5時間のアプローチをこなしてハインドハットへ。一番楽なのでガイド登山は基本これ。でも金はかかる。ちなみにクライミング慣れてない人はこれも楽じゃない。アプローチのモーザーハイウェイは岩場5.3位。
アシニボインロッジからこれがアプローチのライン。
終点にハインドハットがある。
モーザーハイウェイのアプローチ。これより急なとこもあるし、
ルートファインディングの能力必須。

二つ目、 Mt. Shark trailhead
Mtシャークから35km歩いてアプローチ(もちろん登り降りあり)
元気な子で10ー12時間かかるかな。なんで通常14時間。
若者へは最も定番。理由は車がしょぼいのと金がない。ランニングシューズ使用おすすめ。
道標もあるし間違いようないのでアシニボインパスを超えてロッジへ、そのあとは一つ目と一緒。遠い

三つ目はSettlers Road trailhead 
これはBC州サイドから登るのだが四駆必要なので元気で四駆があるか、レンタカーできればこれが一番近い11kmのアプローチ(6−8時間)
一応グーグルアースの写真載っけときます。アシニボインレイクを超えて氷河超えてがれ場超えてみたいな感じ。



まずアプローチで結構疲れる。キャンプはハインドハットが満室の時のみハットのそばでできるが、基本誰もチェックしに来ないので背負える体力があるやつは暗黙の了解的に許されている現状。
トイレはハットの裏にあり、水場もハットの裏にあり。

この時点で登る人は相当少なくなっているのでルートの不安定さは半端じゃない。
浮石がすごい。

グレイバンド手前のチムニー。


さて肝心の登りですが、一番簡単なルートはN ridge。
僕からいうと、実はここまでくれば晴れて雪がなければかなりの確率登れる山。
核心の二つのバンド、(レッドとグレイ)5.5と書いていますが、すごく短いので
それほどの難しさは感じないはず、ただ雪が付いていた場合と下りは大変。
だいたい登った時間と同じ時間かかります。6−8時間
ちなみにお客さんだと10ー12時間行くことはざらです。
なぜなら懸垂できる支点は数カ所しかないので基本ダウンクライミングなんですね。
ちなみに懸垂の支点は2015年にパークスカナダに打ち変えられてます。
下記詳細

これみてわかるようにロープは1本50mでなんとかなる。でも60mおすすめ。

基本雪がないであろう7月中旬から8月中旬が適期になりますね。
ロッキーは夏でも雪が降るんで天気が悪いあとは雪が付いていると思った方がいいですね。
こうなっていたら基本的にやめましょう。時間かかりすぎで危ない。

さてあとは写真で見て来ましょう。
ハットからはこんながれ場ばかり。
雪が付いているレッドバンド。こうなると基本登頂は難しい。
サミットリッジまで出ればもう終わったも同然。ただの歩きです。
ただこれは全体の3%ほど。


頂上にはサミットレジスターというメモを残せる箱があるので、名前残してもいいですね。ちなみに道標や十字架など一切の人工物なし。なのでガスってた場合高度計とこのレジスターのみです。カナダって感じでしょ。でも多分山の本質ですね。ピークに何もない。

海外のサイトですが写真でイメージしやすいhttps://mountainwagon.com/the-blog/assiniboines-north-ridge-is-a-chossy-mess


さてみなさんも登って見ませんか?アシニボイン。
登攀に最低限必要な技術装備まとめておきます。
装備
カム0.5-2 ナッツ
ビレイ器
アルパインクイックドロー4本
アンカーキット 2組
60mロープ 1本
捨て縄
アイゼン
ピッケル
ハーネス
ヘルメット

技術
地図が読める
ルートファインディング
基本的なクライミングテクニック
クレバスレスキュー(BCアプローチ)
アルパインクライミングの経験(前穂北尾根、北鎌尾根など登れていればOK)
登山靴で5.5登った経験
体力一日15kg背負って20時間以上行動したことある
標高差1500mを一日で往復したことがある
暗闇の中で4時間以上行動したことがある
食べなくとも、寝なくとも行動したことがある
起きてすぐに行動できる
グローブを着けたままノットを素早く作れる。

これだけできたら多分大丈夫ですね

若者は挑戦して見てください。不安な人はガイドを頼みましょう。
では頂で待ってます。





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